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*DAY3 Sagrada Família / 1月16日(Thu) ---2

大の大人2人が頑張ったかいがあり、信号も順調に青になってくれて32分に到着!
さっきメトロの出口から見たサグラダ・ファミリアは横からで、エントランスとなるのはそこから左に進んだところ。面と向かって見たその姿は、勝手に壮大なBGMが頭の中で流れてしまうほど、迫力と存在感が物凄い。

走って荒くなった呼吸を整え、エントランスの列へと並ぶ。そこにいる人の数は多かったが、チケットは時間で区切られているので列は混雑せず、すぐに入ることができた。エントランスを通ると荷物検査で、空港のときのように手荷物と身体のセキュリティチェック。やっぱりこのレベルの世界遺産となると、これだけしっかりした検査もするんだな。

ガイドつきのチケットを買ったので、日本語のオーディオガイドを受け取った。普段日本の美術館などで鑑賞するときはガイドをつけないことの方が多いが、今回の旅でやっぱりガイドがあるのとないのではだいぶ違うと実感した。自分の感情だけで感じたいときはなくていいけど、説明を聞きながら見るとより理解が深まるし、ここを見てください、と言われると自分が見落としていた部分も見ることができる。カサ・バトリョのときも思ったが、現地の言葉が分からないときは説明文なども読めないので、オーディオガイドがある方が存分に楽しめる気がする。


さぁ、いよいよサグラダ・ファミリアと対面するとき……!

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今現在の入口である、正面(生誕のファサード)から見上げる。言葉が出ない、凄まじい迫力。
圧倒的な存在感にオリジナリティ、そして許容の広さのような、すごく大きなマインドを感じた。作り手のエネルギーや、関わってる人の多さや時間の長さを実感する、細部までこだわり抜いた装飾。まさしく唯一無二である。

興奮と感動で、その美しさを残したいと思い写真を撮るが、何枚写真を撮っても切り取りたい部分が多すぎて、まったく撮りきれない。そしてカメラに映る景色と現実の感動が同じになることはなく、それでも残したいと思い何度も何度も撮った。
帰ったら両親に写真を見せようと思ったが、写真越しじゃこの素晴らしさが伝わりきらなくて、ああここに来て見てほしいなぁ、と思った。今まで私が見たどの景色よりもこの場所を見てほしい、と思ったかもしれない。

「生誕のファサード」は、これでもかというほど装飾が繊細で、どれだけ見ても見切れないほど。その場所のオーディオガイドが終わるくらいで次の見る場所へと向かう。オーディオガイドに促されて進んでいかないと、見るものが尽きずいつまでもそこに居てしまうので、この時間がちょうど良かった。


中に入ると、外とは一変!
白く明るく、ステンドグラスの窓から光が降り注ぎ、外とはまた印象の違うデザインが私たちを魅了する。天井が高く、そしてシンメトリーなデザインが美しい。本やネットで見ていた通りだ!と嬉しくなると同時に、写真の何倍も素敵だと思った。

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ガウディは、サグラダ・ファミリアの内部を森をイメージして作ったと言っていて、見ていてそれがよくわかった。何本もの柱は枝分かれして、本当に木のように見えて、木々の隙間から光が入ったその空間は、そこにしかない天空の森のよう。

ガイドでガウディの思想を聞くことができるのだが、共感する点がいくつもあった。
ガウディは自然をすごく大切にしていて、自然を師匠のようなものだと言っていた。私も普段から絵を描いているけれど、自然の色に勝るような色は決して作り出せないといつも思う。空の色、木の色、水の色。動物や鳥、花の色。色もそうだし、自然に生み出される景色は人の手では生み出せない美しさがある。

そして、サグラダ・ファミリアを、「すべての人を受け入れる場所」と言っていた。誰も差別しない、誰かが誰かを制限することや、上下を決めることをしない。すべての人を平等に受け入れる、と。
本来は、人と人の間には何も差がなく平等だ。一歩外に出れば様々なことでその差は生まれてしまうけど、ここにいるときはすべての人が人ひとりだということ。
その思想や、作ってるもの。すごく「そうだな」と思えるし、好きだなぁと思った。ステンドグラスから入る光で、聖堂内は柔らかな色で溢れていた。ガウディのその思いがあるからこそ、この空間ができている。


入ってきた方と逆側の「受難のファサード」に出ると、「生誕のファサード」とは全く違う印象のデザイン。骨っぽく、剥き出しのような感じだ。
これでもかと装飾された生誕のファサードとは正反対のようなデザインで、キリストの苦悩や悲しみを表現しているんだそう。

ちなみに今私が言っている「正面」というのは本来の正面ではなく、今回私たちが入口として入ったところは、完成したときには入口ではないみたい。礼拝堂の正面に当たる場所、今回入った方から見て左の位置(栄光のファサード)から入るのが、ガウディの計画なんだって。本来の正面位置から入ると、また新たな発見や感動があるだろうな。

未だ完成途中のサグラダ・ファミリアは2026年に完成予定。
意外ともうすぐなんだなぁ……!完成してすぐはものすごく混んでそうだから、もうちょっと経ってから、10年後の2030年くらいにまた来れたらいいなぁと思う。(2030年、はるか遠い未来に感じるけどきっと一瞬なんだろう……)

受難のファサードを見ていたとき、外人のお姉さん1人に話しかけられ、携帯で写真をお願いされた。その数分前くらいに、あの人すごい足が長くて素敵だな〜と思っていた人だったので話しかけられてちょっとびっくり。
こういう、記念の写真を撮ってくださいと頼まれるときは、絶対に良い写真にしたいと思う。だってこれが思い出になるわけだから、任されたからにはそれなりの責任がある。できるだけ下から撮り、建物全体が入るよう、そして他の人が入らないように心がけ、何枚か撮って渡した。建物は高いし人は多いしで難しかったけど、満足してもらえてたらいいなぁ。ここで撮る一生に一度の写真かもしれないからね。
お姉さんは、写真を確認して笑顔でお礼を言ってくれた。


ギフトショップでは、サグラダ・ファミリアの形をしたブックマークをget!本当は、サグラダ・ファミリアが想像を何倍も超える良さだったので、他にも何か買いたかったのだが、そんなに惹かれるものもなく、ブックマークのみにした。マグカップやTシャツにノートなど、グッズの種類は色々あったものの、普段あまりお土産を買わないスタンスなので、こういうときに気持ちの盛り上がりだけで何かを買えないのだった。

しかし、ものすごい充実感。最後にもう一度、少し離れた場所から生誕のファサードの写真を撮ってお別れをした。


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