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本日の読書(挫折編)

「砂に埋もれる犬」桐野夏生(著)

まずは出版社の説明文。

小学校に通わせてもらえず、日々の食事もままならない優真。
男にばかり夢中でネグレクトを続ける母との最悪な生活のなか、
手を差し伸べるコンビニ店主が現れるが──。
虐待によって家族からの愛を受けぬまま思春期を迎えた少年の、
乾いた心の在りようを物語に昇華させた傑作長編。

傑作?
そうだろうか。
僕は260頁で挫折した。
全体を通して重苦しいトーンのまま物語が進むのだが、
なにせ展開が遅い。
上の説明の「手を差し伸べる店主」が里親になるまでに
200頁以上を費やしており、その間、特に大きな展開もなく
(見方によってはあるのだろうが)
作者が桐野夏生さんでなければ、まぁこんなものかなと
いった展開だけど、在り来たり過ぎて退屈してしまう。

僕が挫折したのは、主人公が里親の家で暮らすようになり
性の芽生えというか性の衝動を感じ始めることで、
その年頃の男子の脂臭さみたいなものに辟易したから。
その先、読み薦めても、胸がすくことも、「あぁ面白い」といった
展開になるとは到底思えず、2000円も出して勿体ないけれど、
お金を出してまで不快な思いをすることもない訳で
エイヤっと頁を閉じました。

虐待、ネグレクトと重いテーマを扱っているので、
「取り扱い注意」です。

にしても、出版社は、いくら本が売れないからといって
安易に「傑作」だとか、煽情的な謳い文句を使わないで欲しいです。


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