福祉・介護施設ではたらく職員さんの定着率の向上にお役立てください
みなさん 労務管理という言葉からイメージするものってなんでしょう。じつは、この「労務管理」という言葉 とっても深みのあるコトバなのです。
そのように感じることができた書籍を紹介いたします。
福祉・介護施設の労務管理に特化した労務管理の決定版ともいえる書籍だと思います。
執筆したのは愛知県弁護士会の労働法制委員会の弁護士15名からなる編集委員です。このたび、施設に関する労務管理についてとってもやさしく解説してくださいました。
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ちなみに、今回ご執筆いただいた編集委員の弁護士さんはなんでも相談したくなるようなお優しくて頼りがいのあるかたばかりです。この書籍の制作というご縁があり、こころ強い味方を得た気分です。これから困ったことがあったらいろいろ相談したいなと考えてます。
愛知県弁護士会の会館は名古屋城のそばにあります。
このnoteの本題に戻ります。
今回ご紹介する書籍をつかって職員さんの定着率の向上につなげることができると思いました。職員さんの充足状況が悪化していると感じていらっしゃる方は多いと思いますので、ちょっとお付き合いいただけましたら幸いです。
やっと採用できたのに・・・また退職・・・
多くの障害福祉施設や介護施設では職員の不足という長年解決できていない問題を抱えています。しかもこの職員不足という問題は年々深刻度を増しているという現状があります。
新規採用も中途採用も難しい。やっと採用できてもすぐに退職してしまうといった状況に頭を悩ませている施設が多いのです。
賃金アップが定着率向上のカギ?でも・・・
ではどうしたら、退職者ゼロにできるのでしょう。
そこでまずは、これまでに退職してしまった職員の退職した理由を思い返すことから始めてみようと思います。
賃金が低いから転職したい
仕事がきついから転職したい
人間関係がイヤだから転職したい
体調を崩したので仕事を辞めたい
出産や育児の時間がほしいから仕事を辞めたい
退職につながる理由は簡単に想像できてしまいます。どれもよく聞いた言葉ですが、このなかでは、とくに賃金が低いという理由が最も大きいものなのかもしれません。
令和6年度介護報酬改定でも職場環境の改善は大きな話題
大手企業では高水準の賃上げ率になったという春闘のニュースがありました。しかし、同水準の賃上げは難しいです。では、賃金が低いという理由に対してはどのような退職防止策を立てたらよいのでしょうか。
令和6年度の介護報酬改定のなかに、この問題の解決につながりそうなものを探してみると、「良質な介護サービスの効率的な提供に向けた働きやすい職場づくり」が話題になっています。とくに6月に施行される介護職員の処遇改善として、介護現場で働く職員にとって、令和6年度に2.5%、令和7年度に2.0%のベースアップへと確実につながるよう加算率の引き上げを行うとされています。
確かに、金銭面での待遇が良くなれば仕事への満足度も高くなるかもしれません。では、どれくらいのベースアップがあれば満足できるのでしょう。満足できるベースアップができないならば、堤脚率の向上をあきらめるしかないのでしょうか。ほかになにか手立てはないものでしょうか。
実際、退職者の転職先が同じ介護サービス業界の別の施設だったという例はいくらでもあります。ということは金銭面だけが退職の主たる理由ではないことが分かります。
働きやすい職場?
人間関係が悪い、仕事がきついといったことが退職理由としてあがっています。みんな幸せになりたくて働いているのに、職場でどうしてつらい思いをしなくてはならないのでしょう。
いろんな人たちが働いている福祉介護施設。介護職員、看護職員、理学療法士、作業療法士、調理師、事務員など、職種もさまざまです。もともと人間関係がこじれてしまう危険が生じやすい職場ということもできるのかもしれません。
しかも、職員それぞれにすべき仕事は山ほどあり、どうしても時間に追われてしまいます。とても忙しい。そして、重労働。
令和6年度の介護報酬改定では、ICT機器、介護ロボットの活用についても取り上げています。労働力不足の職場の救世主となってくれる存在として大いに期待できます。近い将来、もっともっと介護ロボットの活用は不可欠となるでしょう。
働きやすい職場環境づくりを急がないといけません。しかし、介護ロボットの導入など今すぐというわけにもいかない懐事情があるのも確かです。
施設利用者の幸福度を高めるためにも
福祉介護施設の職場は働きやすい環境であってほしいです。そうでなければ、施設利用者の方の幸福度まで下がってしまうでしょう。
ここで、最初の質問に戻ります。働きやすい職場ってどんなところでしょうか。どうしたら職員にとって働きやすい職場環境を作れるのでしょうか。そのために福祉介護施設がすべきことって何でしょうか。
キーワードは安全配慮義務 その本当の意味
安全配慮義務という言葉を聞いたことはあると思います。これと似たような言葉も含めれば、きっと何度も耳にされたことがあるでしょう。もはや日常用語化しているといってもよいくらいに、法律用語としては珍しい言葉といえるでしょう。
「安全配慮義務」
この法律用語が働きやすい職場環境づくりにつながる大切なキーワードなのです。この安全配慮義務の趣旨を正しく理解し、日常の労務管理のなかで実践していくことが求められています。
たとえば、セクハラ。それからカスハラ。これらのトラブルに正しく対処することが、職員さんの定着率の向上に大いに役立ちます。
どちらのトラブル予防を考える際にも、安全配慮義務をしっかり意識して対策を立てることが重要ですと、弁護士さんから教わりました。
福祉・介護施設での安全配慮義務についてわかりやすく説明した内容
福祉介護施設で問題となる安全配慮義務についてあらかじめ知っておくことが労務トラブルの予防になり、また、すべての職員が幸福を追求できるような職場環境を整えることが、職員の定職率の向上につながります。
本書により、安全配慮義務の本当に意味するところを理解し、日々の労務管理に活かしていただけたら幸いです。
法律書は難しい?
本書を編集したのは、福祉介護施設のお悩みに精通し、労働法制について日々研究し、その成果を即実践している弁護士集団です。
もし、これまでに、法律書は小難しくて途中で読むのをやめてしまったという経験がおありであれば、そのような方にこそ本書を一度手にしていただきたいと思っています。
法律家の観点から、安全配慮義務についてはもちろん、そのほかの施設運営に欠かせないお役立ち情報をできるだけ平易に説明いただきました。ぜひ本書をご活用いただきたいとこころから願ってやみません。
▼最後にもう一度、編集者からのメッセージを▼
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