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これからの人事に求められる4つのスキルとは!?

役職、階層によって見ている風景が違う

最近、いろいろな企業の人事や経営者と話をすることが多くなった。
いろいろなところで地道に輪が広がっていることに感謝したい。
やり続けることの大変さもあるけれど、話の種になるのはうれしい。

戦略的な人事がいないので困っている。
ということを経営者サイドからはよく聞くことがある。
現場からは採用基準がないことが問題になっていると聞く。

なぜ、こういう問題点が違うように見えてしまうのでしょうか。
結論からいうと、見ている風景が違うからであると答えている。
考え方が違うからという意見もあるだろう。

経営者から考えてみると、会社を成長させることがポイントになるため、
中長期的な戦略的視点からアプローチをしていくことになる。
そうすると数合わせの採用はしないというのが鉄則である。

数合わせの採用をしていると、人員過多になり人員の不良債権化するからである。
採用人数の半分を新卒採用、半分を中途採用ということでリスクを分散することができる。
日本企業のほとんどがプロパー文化であり、長年勤めたほうが賃金も高いというデータがある。

転職をすると、平均賃金が50万円から100万円変わって来ることになり、
それが10年で500万円〜1000万円の差になり、
生涯賃金では2000万円〜4000万円も変わってしまう事になる。

役職があがったり、ボーナス査定の変動などを抜いてと考えてほしい。
不確定要素を取り除くことだいたいそれぐらいの差になることが多い。
大手企業と中小企業だともっと差が開いているのはご理解いただけるだろう。

人事担当者のレイヤーから見てみると、他の部署が回らないということは、残業が多くなる。
残業が多くなるとブラック企業などといわれるリスクがある。

残業が多くなっていくと、社員が疲弊をしていく、生産性が上がらないということで、悪循環をしていく職場環境に変わっていくのだろう。
そうすると、社員がドンドン退職届をだしていくことになる。

現場が回らいことは会社にとって死活問題になることもあります。
クレームがでてしまうこともあるだろう。
そうならないためにも、上層部へ掛けあって増員の許可をもらう事になります。

どちらかと言うと、短期的な視点から増員の許可をもらうことが多いんです。
いくら忙しいといっても決済権がないので、母集団を形成して面接のマッチングをしていく。
その他にもルーチンワークがあり、クローズのためにオファー面談をしたりします。

自発的に動いているというより、能動的に動いているのがほとんどです。
そのため、どうしても後回しにしてしまったり、フォローが行き届かないこともあります。
業務領域が決まっていてやる人はほとんどおらず、兼任で仕事をしている人がほとんどですから。

人事は経営者とエージェントともタッグを組む

最近良く相談の答えとして話をしていることがあります。
人事は経営者と同じ視線を持つことが重要だということです。
これからの時代については戦略的に採用をしていかないと、人手不足になることが目に見えているからです。

アベノミクスの影響で女性の活用が注目を浴び、各企業でいろいろな施策をとっています。
20代の女性を管理職として登用をしたり、責任のあるポジションへ登用する会社が増えています。
GDPを押し上げる以外にも、労働人口の減少を阻止する名目がそこにはあります。

アメリカのデータによると、20代で結婚をすると約32万円の月給、30代で結婚をすると約50万円の月給というデータが出ています。
20代のうちにバリバリと働き、信用預金を積み立てる人が成功をしています。

これによって人事制度を見直す会社が多くなってきているのは確かです。
産休制度、育休制度の見直し、介護休暇の見直しなど、いろいろな企業の特色を出そうとしているのがよくわかります。

しかし、女性の活用だけの問題でいいのでしょうか。
正当な評価をできる制度、誰もが納得できる制度、時代の流れにあった制度を作ればいいのでしょうか。

答えはNOです。
社員への福利厚生の一環での制度であり、ひとつの企業が成功をすると、右へならえでやっていく企業が増えるでしょう。そうすると差別化はできなくなります。

これから求められる戦略的人事については、今までの人事とは一線を画します。
ひとつはビジネスプロデューサー的な視点で、採用、研修、制度などを幅広く見ることができる。
もうひとつは、経営者と同じ視線で戦略的に考えることができる。

今までの人事は経営執行部の下で業績とにらめっこをしながら、採用計画を立てて、それに従い母集団の形成をして採用をする。
意見や考えを持っていなかったことが特徴となる。

しかし、これからの人事は経営者の視線で考える必要性がある。
人材をどのように活かして、どう配属するのが一番効果的なのか。
採用計画についても経営執行部からおりてくるのを待つのでない。

現場の状況や業務量を見ながら、部署ごとに必要な人数を割り出し、経営執行部へプレゼンをするぐらいのレベルでないと意味がない。
人手不足と言われている時代だからこそ、本気で知恵を絞り、人事部が生き残る方法を考えないといけない。

言い方を変えるのであれば、スポーツチームの経営に近いと思います。
GMが経営者であれば、現場監督が人事なんです。
今いる選手をどう活用することができるのか、補強はどうするのかと常に考える必要があります。

外部から招聘をしたほうが効率が良い場合もありますし、内部からの昇進をしたほうがハレーションが起きずに済むこともあります。
その判断をするのが、経営者と人事が同じ視線を持っていないとできないんです。

これからの人事はマーケティング力も必要になりますし、従業員に対する満足度を上げるためのコンテンツづくりも必要になります。
ココロの病気についても詳しくなっていないといけない時代が来ています。

採用基準の曖昧さとハードルの高さ…

求人広告やエージェントとの情報交換をしていると、3ヶ月以上も求人が出ていることが最近多くなっています。
それだけ採用が難しくなっているのでしょうか。

採用のニーズが細分化をしており、人事がそのニーズを把握できていない現状があります。
また、インタビューをできていない広告媒体社やエージェントも多くいます。
嫌われることが嫌なんでしょうね。

間合いというか、ある程度の情報が聞けたらそれ以上は突っ込まない。
裏側を聞くというか、確証を取るための話をしない。
人事以外にも取材が必要だと思うが、人事からの情報で満足をしている。

そうすることで、採用のニーズに対する本質が見えていないこともあるだろう。
求人票を見ていると、インタビューができているかどうか分かる項目がある。
仕事内容について、具体的な数値が出ていたりします。

いたるところで具体的な表現が入っていたり、数値があったりしますから。
例えば、300名前後の給与計算、労務管理、グループ会社(1700名)の給与計算、勤怠管理…数値が入っていたりすると、少しはイメージがしやすくなるでしょう。

最近多くなっているのが、正社員ということで広告を出しているけど、試用期間中は契約社員であったり、業務委託契約社員としての採用などということが横行している。
求人広告の内容と違うことを面接で平気にいえる役員がいるから、そういう会社は怪しい。

業界の常識で本人同士の契約の問題という認識があるため、求人広告と違うことをいっていることに気づかないこともよくある。
後出しジャンケンをすると、企業の心証が悪くなるのは否めない。

こういう会社があるのであれば、すぐに選考辞退をすることを勧める。
条件が全く違うのだから、話にならないし、トラブルになった時にはリスクが高くなるので、その前に退散することが利口である。

採用基準は全くなく、相性ですべてが決まると言っても過言ではありません。
採用基準がある会社はきちんと明文化をしていますし、そういう質問をしたとしてもわかりやすく答えます。
専門用語や横文字を使って説明をするということになると、ちょっと怪しんでもいいでしょう。

面接官との相性が合う、合わないで採用が決まるというのは本当です。
スキルがあると思うか、自分の部下にしたいと思うか、会社に入ってあうかどうかという3点で採用を決めている。
面接官の経験則が採用基準になっているため、明文化できず、感覚的な表現が列挙する形になるだろう。

応募者も企業もお互いに淡い期待をしてから入社をするから、お互いにミスマッチということになることもある。
面接はお見合いですから、いいところを見せようと必死ですし、間違ってしまうこともあるでしょう。

企業側にも否があるケースが多くあり、応募者側に否があるケースも有りますので、一概には言えない部分が多くあるのですが、お互いに曖昧な期待をしないほうがいいでしょう。
採用のハードルが上がっている理由もリスク回避という点で一致しているような気がします。

これからの人事に求められるスキルとは…

1つ目は経営者と同じ景色を見るように努力をしていくこと。
そのためにはコミュニケーションを取りながら、常に戦略的に考えることが必要。
今までのように経営執行部からの戦略を聞きながらも、オリジナリティをだしていこう。

ソーシャルネットでの採用活動も時代の流れであり、流行り廃りがある。
これからも同じ採用方法をしていたとしても、母集団の形成ができない。
インターンシップもこれから浸透をして、就職活動の1stSTEPになるだろう。

インターンシップ狂想曲が学生の中では浸透をしていくことになる。
中小企業やベンチャー企業については、アルバイトから採用をするのもひとつの方法だろう。
本気で知恵を絞って行動をしていくことが必要になる時代です。

2つ目は時代のニーズに合わせた評価制度をつくる必要があるでしょう。
職種別、役職別にいろいろな役割を規定して、抽象的な言葉を具体的な言葉にすることで、
誰にでもわかりやすく、一目瞭然のものを作る必要があるのではないでしょうか。

人事制度をしっかり理解することで、モチベーションも上がるし、
アップしたいと思ったら、そのとおりにやってみるのもひとつの方法かもしれない。
いろいろな企業の人事制度がオープンになっているので、参考にしてみるといいでしょう。

3つ目は福利厚生の一環で女性が活躍できるフィールドを用意するのと、
若手を積極的に色々なポジションへ登用していくことでしょう。
20代で会社に対する信用預金をしっかりと積み立てられる仕組みづくりは急務でしょう。

若手のうちは下積みをしておけばいいという時代はもう古い。
基礎の部分ができた3年目以降について、部下をもたせたり、ジョブローテーションでいろいろな業務を担当させるのも方法かも知れない。

社内の公募制を導入したり、フリーエージェント制を導入したり、いろいろな企業が試行錯誤しながら、いろいろな制度をうちだしている。
成功するかしないかは身の丈にあったものであり、共感性があることがポイントかもしれません。


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