「安定した将来のための不安定な道」~これから「公務員」という選択肢を我が子に勧めようと思う保護者に向けて~
こんばんは。フリー面接トレーナーのnoriさんです!
岡山市も日々寒さがましてきました。
今回はニュースを取り上げたいと思います。
今日のテーマ
大学1、2年生が就職したい業種が、
1位 地方公務員
2位 国家公務員
という記事を見つけました。
大学1年生だと、私にとって20年も前の話です。当時の自分の選択肢には「公務員」はありませんでした。特に理由はありません。なりたいと思える理由がなかっただけですし、そこまで、将来を考えてなかったとも思います。
本日は、みんながなりたい「公務員に簡単になる方法」という甘いことではなく、あえて「安定の公務員」になるためには、不安定な道を歩まなければならないということも知った方が良いと思い、おせっかいな内容を書きたいと思います。なぜ私がこの記事を選んだかと言うと、某予備校で、公務員志望者向けの面接対策(人物試験対策)の専任講師をしています。
「なりたい姿」があることは良い事
ここからお節介な内容を書きますが、決して公務員への道を反対するつもりはありません。私は公務員ではないので、良いとか悪いとかいう権利も資格もありません。けれど一つだけ言えることは、「公務員は誰かがやらなければならない仕事」だといつも思っています。
公務員の方々の動機はともあれ、結果的に我々の生活基盤を支えている公的サービスであることは間違いありません。そんな公務員になりたいと思うことは、こちらも動機はともあれ、目標を持つことで努力しますので、成長のきっかけとなり良いですね。
また世間的に言われている「安定した職業」であることは間違いないでしょう。様々な恩恵を受けられるはずです。
不安定な道①
人気職業トップ1、2の仕事に就くことは、決して雲を掴むような話ではないと思います。一定の受験資格はあるものの(年齢、国籍、刑罰、一部学歴制限など)、基本的にはチャレンジできます。
では何が不安定なのかと言えば、言わずもがな筆記試験の存在です。昨日、私自身の投稿「勉強しない大学生と勉強を評価しない企業」でも取り上げましたが、大学に入ると勉強しなくなるのが日本の大学生。ただ、大学の勉強と異なり、公務員試験は、答えがある、いわば受験勉強なので得意な方も多いと思います。また、昨今では筆記試験のハードルが下がったり、そもそも難易度を下げた試験を実施る自治体も増えつつあります。
それでも、早い人は1年時から始めているかたもいますし、私が働いている予備校でも一年前から半年前に始めてます。この不安定な道は長~い、長期戦です。
不安定な道②
そして受験倍率も2~3倍は当たり前で、場所や年度によっては10倍、20倍、特定の職種によっては、50倍・・・100倍ということも。聴くだけでひるみますね。
余談ですが、企業就職と比べると、やはり企業就職の方がしやすいと思います。やはり数が違いますし、何より地方の中小企業は人手不足です。
不安定な道③
さらに、せっかく筆記試験に合格しても、残念ながら面接で落ちる人の多い事。例えば、採用予定人数10名。受験者100名という自治体があったとします。1次の筆記試験では80名合格者を出したとしても、その後の面接で一気に絞りますので、実はほとんどの人の不合格試験は面接です。
やたらと、面接練習という名の発声練習をされている人もいますが、公務員試験での面接は「人物試験」です。人物の経験値や人柄など面接の中で探っていきます。落語の「じゅげむじゅけむ」を最後まで話せるような暗記は不要です。
不安定な道④
公務員を目指す子の多くは、動機が曖昧であったり、甘かったりします。何が言いたいかというと、「親に勧められて」「営業したくないから」など、相談者からはこういった子聞くことが多いです。最大の不安定さは、自分自身がしっかりとした軸をもたぬまま、不安定な道を歩むため、途中で心が折れてしまったり、一度の不合格で心が滅入ってしまいます。周りの大人が思っている以上に、彼らは傷つき悩んでいます。企業との就職もある程度考えて、ある意味で逃げ道も用意しておかないと、自身を追い詰めることにもなります。
最後に
保護者がわが子の将来を案ずるのは当たり前です。私自身も、うちの子の将来を案じています。
不安定な時代だからこそ、安心して生きてほしいですし、そのための安定は大切です。
ただし、親の価値観や私たち世代の時代の就職事情で物事を図り、安易に「公務員」がいい。「中小企業」はやめておけ。という考えの提供は、我が子であっても、いえ我が子だからこそ、躊躇ってほしいです。つまり互いに話し合うことで、子供の意見を尊重してあげなければ、知らぬ間に、我が子が険しい道の真ん中で迷子になりかねません。
何も考えていないように見える子でも、言えないだけでたくさん考えていますよ。
親の期待が子供の呪縛にならないように。(これは自分に言い聞かせています。)
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