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岡山県学生「終わらない就活問題」 No.2 終わらない就活の対策

 こんにちは。noriさんです。就活頑張っていますか?あるいは終わりました?それとも支援者側でしょうか。なんにせよ、手を止めて読もうとしてくださりありがとうございます。どうか最後までお付き合いください。

 さて、2022年も残すところ2か月ほどでしょうか。この年に出会った学生たちはおよそ100名でした。(個別指導、相談を実施した人数)
 この約100名の学生とこれまでの仕事経験の中で出会った学生と話して気付いたこと、そして、新卒採用の仕事に関わり10年間見続けてきた、岡山県学生の「終わらない就活問題」について書いています。
 今回がNo.2です。※岡山県に限定していますが、これは私が出会う学生が岡山県の学生だからです。他県でも類似している可能性もあります。
No.1は以下をご覧ください。(早速スキをいただきありがとうございます^^)

前作の振り返り

 No.2では、終わらない就活の原因を申し越し掘り下げて、対策を講じていきたいと思います。以下振り返りです。

A 岡山県が地方の田舎だということに気が付かず、SNSやTVドラマで観るような理想の仕事と自身のレベルや岡山県内の企業等の現実が一致しないケース(共通の合言葉は、「企画の仕事がしたい」)

B 企業の巧妙な採用活動により幻想を抱かされ、運よく内定が出るものの、「居心地の良い居場所」としか考えていなかったため、入社後に仕事が合わず早期リタイアするケース

C 親や周囲の評判に左右され、自己の意思による決定ではないことを逆手に取り、いつまでも人のせいにして、就活戦線をさ迷い歩くケース

 今回はAについて掘り下げて考え、対策を講じたいと思います。

「終わらない就活」を続ける岡山県学生の特徴

 ネット技術の革新により、どこにいても、全国の方と繋がり仕事ができる時代です。一方で、多様な情報をもたらすSNSによって、一般の社会人の優雅で素敵な姿も目にする機会が増えています。これまでもメディアの影響で、例えばTVドラマに出てくる俳優たちの姿に憧れたものです。
 しかし現在私たちは、遠い存在の俳優・芸能人という仕事ではない、一般の社会人からの情報発信を受け取っています。それにより仕事の価値観を満たす基準がハイグレードになってしまったり、感覚が鈍ってしまっているのではと考えています。つまり、SNS越しに見る、一般社会人の映像や画像が、いつしか日常的な自分の将来にも重ねているのです。

 それは私も同じように、地方で生活する岡山県民にとっては、憧れでもあり、妬ましくもあります。

「終わらない就活」を続ける岡山県学生を苦しめる要因

 まだ働いたことがない岡山県学生にとっても影響は大きく、一様に求める企業や仕事、働く社員像についても、基準が高くなっているように思います。もちろん完全否定するものではありません。社会との繋がりが持てることやSNS広告の効果が高いなど有用性もあるはずです。また、SNSについての使い方を論じるつもりもありません。

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 ここで一番何が伝えたいかというと、今も昔も、学生にとって、仕事や社会人として働くということは、雲の上にある存在で、イメージが掴めないことです。仕事も多様化していますし、やはり学生は仕事についてイメージはできません。
 そういう意味で言えば、各社が採用で用いるyoutubeなどのSNSを使うことで、これまでよりもリアルタイムに、正確な情報が伝えられているはずです。
 それでも、岡山県で「終わらない就活」を続ける学生は、こういった情報源を活かしきれず、反対に、過剰な情報などに踊らされ、幻想を抱かされてしまい就活ジャングルを今もさ迷い歩いています。

「終わらない就活」を続ける岡山県学生はチャンスがあるのに掴まない

 彼らがこの就活ジャングルの出口を見つけるのはいつでしょうか。
 ここで少し岡山県の雇用情勢を整理ます。岡山労働局による最新の雇用情勢(令和4年10月23日現在)ですが、令和4年8月の有効求人倍率は1.60倍です。全国平均値1.32倍を上回ります。これは他の都道府県と比べても雇用状況は良いとみて差し支えないと思います。ですが、岡山県の求人を支えているのは、岡山の経済基盤でもある製造業が中心です。都心部にあるような、いいわゆるホワイトカラーではありません。

 また、「終わらない就活を続ける」学生は、岡山県内就職を希望し、さらに実家から通える範囲で探しますので、憧れのホワイトカラー職は見つかりません。追い打ちをかけるような話ですが、岡山県内では、多くの社会人が車通勤です。これは会社が郊外にあり、路線沿線上に企業は多くはないためです。ここまで言うとしつこいですが、「終わらない就活を続ける」岡山県学生は、自動車の運転ができない、したくないという考えすらお持ちなので、電車、バスを希望します。

 ここまで読んでいただいた方はこう感じるかもしれません。「考えが甘い!」と言いたくなりますよね。そうですね。あえて私が言いますが、「舐めていますし、働く気は低いです。」

せえじゃあ、受かりゃあせん。。。です。(岡山弁)

 毎度のことながら、もちろんこれらは岡山県学生の全てではありませんし、「終わらない就活」を続ける中でも全てではありません。

「終わらない就活」ジャングルから抜け出すには①

 少し自分語りをさせていただきます。
 私の父は、私が幼少期の頃に脱サラして会社を起こしました。会社と言っても、掘っ立て小屋の工場でした。父は、住宅街に小さな工場を立てて、電気工事士として企業から仕事を受けて働いていました。その工場は、自宅から徒歩1秒の好立地です(笑)いわゆるドアトゥドアですね。
 私にとって、親の仕事は日常の出来事で、生活と親の仕事は常に密接に結びついていました。そのお陰かどうかわかりませんが、「働く」ことに対して、昔から抵抗はなく、早く働きたいとも思っていました。何より、父のお世辞にもかっこいいとは言えない仕事姿を見ていたので、仕事に対して高望みはせず、見かけや世間体は人よりも気にしていなかったと思います。(新卒ではドラッグストア企業に入社。当時はボロボロの本社でしたが、現在は岡山県民で知らない人はいないドラッグストアです)

 私は父が自営業でしたので、働く人が目の前にいて、楽しそうな姿も大変そうな話もどちらも経験しています。昨今は、親が帰宅すると、会社の愚痴を言う。という話も聞きます。まあ、そこは仕方がないかなと思います。
 「終わらない就活」を続けてしまう学生、さらに就活期の学生にとって、重要なことは「仕事」や「働く社会人」をもっと身近に感じることではないでしょうか。

「終わらない就活」ジャングルから抜け出すには②

 私のところに相談に来る学生の内、この「終わらない就活」を続ける学生は、誇張なく言うと、社会人と接する機会が乏しい学生です。得てして、このタイプの学生は、面接が弱点です。就職は面接で決まります。逆に言えば、面接を受けなければ働けません。
 私が提唱したい考えは、ざっくりしていますが、「社会人と話す機会を増やす」です。まずは大人に慣れるということも含めてです。
 「社会人になってからでも遅くはない」、「学生のピュアな心が失われるのでは?」等ご意見もあるかもしれませんが、現実問題、面接で話せない子たちは、選考の場で消えます。学生ならではの純真さも必要ですが、社会人と話したからと言って、消えるわけでもないと思います。むしろ、社会人移行期にいかに社会人との接点を持つかが大切です。

「終わらない就活」ジャングルから抜け出すには③

社会人との接点作りは、岡山県内でも可能ですし、比較的そういった場が多くあると感じています。
事例
2022年11月6日(日)山陽新聞社主催 就活デイキャンプ
2022年12月3日(土)オンラインインターンシップガイダンス ~ウインターインターンシップ
●オカジョブ
就ナビ
岡山県|道府県別就活支援情報|LO活-Local+就活 (mhlw.go.jp)
RecRoots(レックルーツ)※私が主催する就活勉強会です


RecRoots 就活勉強会(毎月2回オンラインで開催)

 就職を支援する地元岡山の人材ビジネスや公的サービスは意外とあります。学生が使ってくれないから、どんどんサービス過剰?くらい取り組まれています。

 もちろん、サークルやアルバイト、ボランティアといった基本的な活動も良いと思いますが、「終わらない就活」を続ける岡山県学生は、これらの基本活動は何もしていない傾向もあります。

終わりに

今回取り上げた事例はこちらでした。

A 岡山県が地方の田舎だということに気が付かず、SNSやTVドラマで観るような理想の仕事と自身のレベルや岡山県内の企業等の現実が一致しないケース(共通の合言葉は、「企画の仕事がしたい」)

 岡山県学生の中にも、非常に意識が高く、放っておいても世の中と繋がり、自分の道を切り開く逞しい学生が何人もいます。そういった学生は、やはり大人の考えを身に付けています。それは、youtubeを見て理解したわけではないと思います。実際に大人と話し、大人に近づこうと懸命に自身の目標に向かって歩んでいます。
 「終わらない就活」を続ける岡山県学生である方々には、私の話は、おそらく理解はしてもらいにくいかもしれません。その周囲にいる支援者や保護者。あるいは採用企業の方々が、実際に彼らと向き合った際に、「この子たちは就職できない子」と決めつけるのではなく、「きっかけが必要な子」と考えていただき、まずは、能力や資質にも目を向けてもらえれば、彼らの「終わらない就活」に出口の光が見え始めると思います。

次回作のご案内

 最後までお読みいただきありがとうございます。全3回で終わるつもりでしたが、あと2回は必要になりそうです。もう少しお付き合いください。
 生意気ではありますが、「終わらない就活」を続ける岡山県学生が、仕事をしてくれることで、地域も明るくなるはずと志を持って日々励んでおります。共感いただける方に届くと嬉しいです。
 次回は、今回述べた特徴A以外の特徴を深堀りして、対策を講じたいと思います。応援をよろしくお願いいたします。

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