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#77 いつかの続きを~劇伴編~

おはこんにちこんばんは。
2024年、年明け早々から凄まじすぎて怖い。これが令和なのか。
明日は明日の風が吹く、止まない雨はない、陽は必ず昇る
なんてね、いやはやどれもこれも正しいけど言葉にするとカルト宗教ばりに胡散臭い。これが令和なのか。


激動の時代に僕が出来ることなんてたかが知れてる。
そんな中!

昨年末にアルバムを出しました。
ここ数年のベストアルバムみたいな立ち位置になります。

全曲のダイジェストはこんな感じ。

リリース1ヶ月(くらい)記念🎊!
ちょっとクスッと出来るようなものを…ライナーノーツ的なものを書いてみます。
とはいえ全曲書くと読むにも書くかも大変なので、まずは劇伴ものから。


& ЯauL TYPE-N. -舞台「ノアノ箱」より-

まさかの1曲目がピアノでもなくオケでもなくシンセバリバリの「四つ打ち」という我ながら自分でアイデンティティを殴りにいっている。
おかしなモンですね。

この曲はよく聴いたら、いや…よく聴かなくても
「あれ、ココあの曲に似てね…?」
の箇所ちょくちょくあると思います。わざとです。

知と恥と地と血、「気づく」ってなんなんでしょうね。

この曲の個人テーマは対になる曲(後述します)と相対して
「落ちる」でした。ど頭が顕著かな。ヒュゥゥン⤵︎ド。
沈んでるのか浮いているのかは…ね。
この手の曲を書く機会はあんまりないので、楽しかったです!

Reflect Kyrillos -舞台「LoopHoles」より-

正統派ファンタジー!…と思いきや…?
というワクワクと心地悪さを真正面から対峙させました。
殴り合いではない、あくまで対峙。
楽器編成はリアルで考えるとかなり非現実的なことをしてまして、かなり楽器数多いです。
この曲、クワイアをかなりフィーチャーしてます。
わざと歌詞はつけずに。

感嘆なのかな、叫び声なのかな。
拍子は6/8、行進曲な拍子。
何も知らなかったら誰も彼も腕振り足踏みズンズン進む。
何も知らなかったら、ね…
個人テーマは「邂逅と迎合」でした。
「人が演奏することをまるで想定しない曲」は久しぶりに書いたような気がします笑

刻続刻刻ト -舞台「刻時刻刻」より-

個人的「今聴くとどう作ったのか思い出せない曲」堂々の第一位。
2曲目のReflectと引けを取らないくらい楽器数多い、なんなら各々の楽器のやってることとしては生演奏を想像するなら比じゃないほど凄まじいです。
アコギとシタール持ち替え、ヴァイオリンと二胡持ち替え
みたいなことが随時起こるので生演奏は…ヤバいと思う、恐らくめちゃくちゃ怒られる。気がする。。

個人テーマは「栄枯盛衰」。
ピアノを筆頭にマリンバなりシロフォンなりの
「放っといたら消えていく」
楽器がこの曲はとても多いのです。
時間って、勝手に消えていくからね…
一分一秒を大事に生きていたいなと思いつつ雑に過ごしちゃう時があるのが人の性。
もののあはれ。

VoWwoW to Do -舞台「Vampup」より-

この曲はバッハ大先生が聴いたらきっと僕は怒られる!
古典楽器のチェンバロをフィーチャーしつつ、
後継楽器にあたるピアノもいながらオケ楽器もロックバンド楽器もシンセもある…というカロリー過多。

実はこの曲、制作はかなりの難産でした。
バッハとTrapの共存は難しかった、、、けど解決策は案外簡単な所で書き上げました。

個人テーマは「偽り」。
僕は優しい嘘ってあると思ってます。あっていいと思ってます。
「バッハモーツァルトベートーヴェンもクラブで踊ってたんだよ!」
なんて嘘、生者誰も傷つけませんから。
なんなら、イマジネーションの種にもなる。
少しの想像が新たな作品の種になる、僕の中では解決できましたが、
さぁ…あの世界はあの後どうなったんでしょうね?

& ЯauL TYPE-O. -舞台「Oz1526」より-

1曲目N.と同時に上演された本楽曲、僕は多元宇宙的なお話は大好きなので凄まじく頭使いました…とは言えすごく楽しく!
メロディとハーモニーの根底の基盤は同じ、を意識しつつも「物語の向かう先」が違うので
「セクション限れば生演奏可能」という相反する曲を書きたい…!
と思って書きました。すごいですね、どういう頭をしていたんでしょう。

個人テーマは「上がる」でした。N.とは真逆。
ど頭の音を聴き比べてもらったら違いが分かりやすいやもしれません。ヒュゥゥン⤴︎ド。
音楽としての定石的には良くないけども、全体的にわざと
「なんだかメロディが遠いような…いやでも…?」のいう楽器の混ぜ方をしました。
どれが何がメロ楽器なのかリズム楽器なのかよく分からないよね…合ってます。
全員主役です。
耳に届いた"それ"が音楽としてはあなたの主役です。

高性能なロボットがいようが頭脳明晰な人がいようが、共存できるか否かは…ね。
正解なんてありません、音楽ですから。
正解なんてありません、人生なんて。

息が切れるまで -映画「息が切れるまで」より-

アンニュイでもなんでもなく、愚直すぎるまでの気持ちで書き上げた楽曲。
本作の主人公は中学生ですが、僕は中学時代にトラウマレベルの凄まじいダークな記憶があります。

人によるかもしれないけれど、「オトナ」になってしまった今、あの辺りの時期って
記憶の中に大なり小なり「思い出したくもないこと」って誰しもあるんじゃないかな?と思います。

そんな過去に真正面から対峙しながら、作品に真摯に向かいつつも今を生きる若人へ少しでも背中を押せるような曲を書きました。
コロナ禍で青春を奪われた子たち、たくさん…僕が知り得ないくらいいるんじゃないかな…と思うんです。

もしかしたら…まだ方法が分からないかもしれない、何か力が足りないかもしれない。
でもそう遠くないいつか、成しえなかった羨望とか希望とか絶望とか、どんな感情を使ってでも「オトナ」をぶん殴ってきてほしいなとほんのり思います。


Portveil Waltz -ミュージカル「Marry meeeeeeeeee!!」より-

本アルバムは「2020-2023」までの自分自身のベストアルバムとして作ってました。
その中でこの曲は、この期間から漏れます。

僕の中でMarry meeeeeeeeee!!(以下まりみ)は作品はとても思い出深い且つポジティブとネガティブを網羅する、蜜とも毒とも言える作品です。

自分語りも甚だしいですが、本作の本番直前(本当に直前)最愛の祖母が亡くなりました。
誰も何も悪くはないけれど、
たまたま稽古場に行った日がとある役者さんのお誕生日だった。
たまたま行った日が祖母の命日になった。

これが重なった日になった。

あんなに感情を振る場所が分からなくなったのは後にも先にもありません。
役者さんも祖母も悪くない、僕も悪くない、誰も悪くない。
ただの"タイミング"です。

そんなこんなの大事な記憶を加味した上で。僕はピアノを弾く人間であるので、
アルバムラストはピアノソロを!と思って収録した楽曲になります。
今作のコンサートがLetter Stageという作品でありまして

この時に弾いていたモノ…から少しだけブラッシュアップしたもの、になります。

個人テーマは「もどかしさ」でした。
ワルツを踊る難しさは知ってる上で(ワルツ踊れません)フィナーレに書いた曲のピアノソロ版…実は原曲はフルオケ版でした。
踊れようが踊れまいが、歌えようが歌えまいが、その日その時その瞬間を生きられてたらそれで良いんです。


面白いnote書こう!と思ってたんですが「面白いとは何か…」というところに個人的に辿り着いてしまったので、ここまで読んでくださった方がいたらありがとうございました。
funnyなのかinterestingなのかは分かりませんが、作り手の頭の中を楽しんでくれていたら幸いです。
書ききれていない歌編、近い未来に…!!
ではまた👋

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