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未経験で組織開発部の責任者になったので、とにかく手を動かした話

はじめに

どうもです。エンタメスタートアップ、ソラジマのサクライです。
本記事は、自分が2023年10月に組織開発部の責任者に任命されてから、同年12月までの3ヶ月間でやったことをまとめています。

未経験ゆえにまずは手を動かすか、という心持ちで走り回ってましたが、思ったよりも色々やってたので備忘録的に整理してみました。

似たような職掌、ステータスの方に少しでも参考になればと思います。
なお、正解の提示ではなく、あくまでn=1の例としてお読みいただけると幸いです。
(後述しますが、HR施策の正解なんておそらく存在しないので、ともに齷齪しまくりましょう〜〜)

組織開発を引き継いだときの状況

<前提条件>
・ソラジマは、正社員のみだと50人規模の組織
・いわゆるビジョンドリブンな組織で、カルチャーが強い
・人事関連部署は採用部と組織開発部のみ
・採用部は採用フルフォーカスなので、採用以外の全てのHR業務が組織開発担当

一言で言うと「色々やってる人事の部署」という感じで、前任の方が、代表と一緒にマンパワーでなんとか回してくれている、という状態でした。
また、「組織開発の仕事!」と明確になっているのは、四半期に3回ある全社イベントの運営と、カルチャーの保守運用がメインだったかなと思います。

乱暴にまとめると、採用以外のHR業務全てとカルチャー周りの施策を色々やってる、職掌がふわっとした部署、というのが実態でした。

その状態で、組織開発の責任者として正式に着任しました。
自分は着任直前まで制作部(≒マンガ編集部)の統括を担当していたため、この手の職掌は完全に未経験でした。知らんにも程がある、という感じです。
その状態で、事実上の最終意思決定者として手を動かしていくことになりました。

次項から、その状態から何をやっていったのかを整理してみます。
少しでも参考になれば嬉しいです。

組織開発の責任者になってからやったこと

基本的に、組織開発で管掌している定常的な業務には触れていません。
あくまでも、新たに行なったアクションや施策のみにフォーカスし、以下整理しました。

また、人事ゆえにセンシティブなイシューもそこそこ取り扱ってますが、ここでは触れずに進行します…!

それでは早速始めます。


ソラジマにおける組織開発を再定義した

組織開発が目指すべきゴールや職掌範囲が曖昧ゆえに、選択と集中が効果的に行えない状態だったので、「ソラジマにおける組織開発とは?」を明確に定義しました。

組織の健全性と効果性を高めることで、戦略の達成角度を上げる部隊

ソラジマ 組織開発部の定義

つまり、組織の健全性や効果性を向上させることで、経営戦略の達成角度を上げて、最終的にビジョンやミッションを達成させにいく〜ということを定義付けました。

どんな部署だろうが「経営計画/戦略を達成できるか?」が最重要ミッションであるべき=「経営戦略-部署戦略-チーム戦略-個人戦略が全て直線で繋がっていること」が大切だと考えているので、この整理を行いました。

これにより、組織開発の全てのアクションが「それやったらどのくらい経営計画達成できるんすか?」という問いに相対することになったので、個人的には一番意味のある仕事でした。

特に当時の組織開発は「いろんなボールマジで持ちまくり部署」だったので、都度この問いを反芻することで、選択と集中を適切に行えるようになったかなと思います。

組織開発が担当している全ての業務を洗い出してデータベース化した

前述の通り「いろんなボールマジで持ちまくり部署」だったので、一旦全ての業務を洗い出しました。
定常的に繰り返しやるべきこと、単発で適宜やるべきこと、関係者、工数などを明文化&一覧化して整理しました。

整理した業務一覧の一部
整理した業務一覧の一部

また、同時に各業務をコンポーネント化して、「誰がいつまでに何をすべきか」がわかる状態に仕上げました。
当時は全ての組織開発のタスクが属人化しており、上手く言語化されていない状態でした。

ゆえに、もし担当者が倒れようものなら詰む状況だったので、定常系業務のオペレーションの可視化は緊急度高く進めました。

コンポーネントの中身の一部。これの他にWHY-WHAT-HOWも整理して明文化している

組織開発はサクライの1人部署だったこともあり、組織の拡張を見据えていたことも、わざわざコンポーネント化して整理した理由です。
(=新規でジョインしたメンバーが、定常業務を即回せる状態にした)

その際、「これはなぜやるのか」というWHYの部分が揃わないとうまくいかないだろうと経験上確信していたので、WHY〜HOWも整理しています。

作業してて思ったんですが、notionってやっぱり神ですね。
データベースにしちゃえばワークスペース内にどこでも引っ張っていけるので最高です。

ビジネス職向けの入社オンボーディングを作った

編集者向けの入社オンボーディングは制作部時代に作ってたんですが、ビジネス職のものはなかったので整備しました。
組織内に口伝で共有されてきた価値観やノウハウが多く、入社タイミングや誰がOJTについてかで知識量に差が出始めていたので、割と急いで作った記憶があります。

ビジネス職のメンバーが増えゆくタイミングでもあったので、教育格差が広がる前にこれを整備できたのは良かったかなと思います。

また、オンボの中身には文字ベースの情報もあれば、動画ベースの情報もあります。

オンボーディングの一部。こんな感じで時系列ごとのアクションプランを設計しました。
カード内に詳細が載ってます。

特に、カルチャーやメッセージ系などの細分のニュアンスを伝えたいときは動画一択です。Youtubeチャンネル1つ作れば、全ての動画がうまく蓄積できる&オペレーションが楽なのでオススメです。

▼動画の一例


入退社フローを整備した

組織拡大につれて、人の動きが活発になってきていたので、入退社にまつわるフローを整備しました。
例えば前者に関しては、契約面はもちろん、上記のオンボーディングや、いかに本人が早く組織に馴染めるか、といった論点を盛り込んでいます。

管理部との連携も活発になってきていたタイミングだったので、お互いの職掌範囲を明確にした上で、いつ誰が何をやるのか〜という部分を整理しました。

これは個人的に座右の銘にしたいんですが、拡大期のスタートアップにおいては「浮いたボールは拾え、その上で浮かないようにもしろ」がかなり大事だなと感じます。

なお、形式はオンボーディングと同じく、notionのデータベースを使用してスタンプラリー形成で作りました。やはりnotionは神です。

組織のスタンスや価値観を整理して、カルチャーを再定義した

ソラジマにはビジョン、ミッションに続き、3つのカルチャーが存在します。
ただし、そのカルチャー以外にも大事にしている価値観や、仕事術、スタンスなどがそこそこありました。

さらに、それらは主に口伝やうまく明文化されてなかったりで、人によって解像度が違う状態になっており、特に新入社員にとっては「なんじゃそれ、聞いたことないわ」的な状況が生まれ得る、みたいな感じだったんですよね。

結論から言うと、全てを明文化&整理した上で取捨選択し、”サブカルチャー”なる概念として新たに導入しました。

組織の前提情報が暗黙の了解的な状態になることは絶対に避けたかったので、「全員が同じ情報をもち、理解することができる平等な状態」を目指して整理しました。

ただ、このリストを渡して「覚えてきてね!ほな!」では何の意味もないので、その四半期のフォーカスを決めて、みんなで選択と集中をする、と言う方法を選びました。
(もちろんオンボーディング内でも触れています)

整理したサブカルチャーの一部。ほぼ全てに解説動画が挿入されている。
10-12月期は上部4つにフォーカスし、表彰施策を実施した。

ちなみに、この中の「Open Info」はソラジマの経営スタンスに昇華されたと考えていて、サブカルチャーとして資産化することができて本当に良かったなと思います。

Open Info概要。情報の透明性、平等性を徹底的に重要視しています。


制作部のチーム長制度をぶっ壊して再定義した

さて、ここでようやく再定義した組織開発部がワークし始めます。
「組織の健全性と効果性を高めることで、戦略達成角度を上げる部隊」という定義がようやく活躍したのです・・!

当時、既存の制作部の編集チーム制度はこのままいくと破綻してしまう可能性がありました。
だいぶ複雑な課題だったので細かいことは端折りますが、エンタメビジネス、ことマンガで勝負している会社なので、編集チームが最大限ワークすれば、経営戦略の達成角度が大きく上がることは明白でした。

他にも無限にタスクはありましたが、この定義があったおかげで、他のどれよりも優先度を上げて取り組みました。

というか無限にタスクがある時ほど「どれが一番戦略の達成角度を上げるのか?」という問いは有効だなと経験上思います。当たり前だけど忙殺されると忘れがちなので、大自戒。

この辺りから、組織開発=(組織にまつわる)経営企画、と言う理解になりました。

組織内で起きている経営イシューを解決することで、経営計画の達成に直結する部署だから、ですね。

有識者にめちゃめちゃ壁打ちしまくった

自分はその辺のダンゴムシに笑われるほどHR系の業務が未経験だったので、とにかく有識者に壁打ちしまくることを意識しました。

そもそも組織課題とは何か、どうすれば解決できるのか、本当に優先順位は適切か、など、非常に多くの学びを得ることができました。

週1回1時間、組織コンサルという形でセッションいただき、課題と解決素案を叩いて、ひたすらぶん殴ってもらう〜ということを3ヶ月間継続しました。

一口にコンサルと言っても、組織内情の解像度が高いのは、常に、絶対的に自分です。
よき師として全力でボコボコにしていただけたので、だいぶ組織開発周りのイシュー整理&対応能力は上がった気がします。

「サクライさんは組織50人の壁が心配だっていうけど、実際どんな問題が起きてます?杞憂では?課題とそれ以外の見極めできてます?」

師のパンチライン

この辺りもいつかまとめられたらと。初期は失敗ばかりというか、自分の整理能力や認識力が甘すぎてお恥ずかしいばかりでした。

改めて、この機会に繋げてくれた弊社代表とコンサルのMさんには超絶感謝です。頭が上がりません。

週次の経営コミュニケーション機会を作った

組織50人を超えるというタイミングで、かつオフィスが移転してかなり広くなったため、物理的にも経営と現場の距離が離れ始める時期でした。

ソラジマはかなり経営と現場の距離が近い会社かなとは思う一方、「最近話してない」「顔を見てない」は想像よりも大きなインパクトをもたらすだろうという仮説のもと、毎週火曜日の朝は全出社メンバーと経営で30分話す時間を設けました。

主に重要施策の壁打ちや、経営方針の解像度を上げてもらうために、「これってぶっちゃけどうなん?」という類の、一歩踏み込んだ質疑応答にフォーカスして時間を使っています。

肌感覚「週に1回は必ず代表と話す」という意味では、狙いは果たせたかなと思います。

シャッフルランチ施策を始めた

上記と同じ背景に加えて、上述したチーム制度の変更により、コミュニケーションを取るメンバーが固定化し始めていたので、実施しました。

編集サイドのメンバーとビジネスサイドのメンバーが交わること、編集者同士が普段FBをもらわないメンバーから気づきを得られる、という意味で、一定刺さっている印象があります。

ジョイン当時は事業部に4人しかいなかったのでこんなことする必要すらなかったのですが、組織が大きくなると考えることは増えるな、としみじみ感じました。

なお、毎回都度メンバー表を手組するのはかなりリソースが勿体無いので、chatGPT先生を頼り、GASで自動出力できる状態にしました。
ワンクリックで座席表が出力されるので神です。GPT先生、マジでいつもありがとうございます。

席替えシステムを作った

こちらも同じ背景から、行動に移してみた施策です。
結論から言うと、シャッフルランチで概ね理想形が満たされたこと、若干ルールっぽく自由性を阻害する、という理由で開始2週間で即アンラーンしました。

人事系の施策には基本的に正解なんて存在しないため、破壊と想像は大事だなと思います。PDCA回して、その組織に最もフィットする方法を選び、アップデートしていくべきだなとやればやるほど思います。

もちろん、メンバーを振り回しすぎぬよう、という前提はありますが・・!
(みんないつもありがとう!!!鬼ほど感謝してます!!!!)

戦略的に動画を撮影するようにした

ソラジマは、ソラジマTVと言うYouTubeチャンネルを運用しています。

このチャンネルは採用広報とインナーBDの2軸で運営されており、今回は特に後者に触れます。

上述したカルチャーの説明や業務スタンスなど、”ニュアンスを丁寧に伝えたいもの”の場合、基本的に動画を使用するようにしています。

もちろん、直接面と向かって伝えた方がワークする話も無数にありますが、そうでないものに関しては、積極的に動画化した方がいいな、と言うのが四半期通しての学びです。

カルチャーのインスト1つとっても、動画で予習してもらっておいて、対面ではケースワークをする〜といった方法にシフトしてから、定着率や理解率は上がったのではと思います。
(実施する側のリソースも確保できたので、結構一石二鳥施策やも・・!)

また、ソラジマでは組織開発が主導して、四半期に3回全社イベントを行なっています。
そのうち、四半期初めに行う全社合宿では、すべての正社員メンバーが参加し、1泊2日で一堂に会します。

そして合宿は、どれだけオペレーションやコンテンツが優れていようが、参加メンバーのマインドセットをうまく持っていけない限り、ROIの取れない施策でもあります。

故に、合宿ごとにメンバーに伝えたいメッセージは積極的に動画で発信しています。
出社時に口頭で話して伝えるのは前提として、如何にメンバーに意識してもらうか〜と言う意味で、基本的に発信回数は少ないより多い方が効果的です。

▼合宿前の発信一例

自分の意見の発信手段を1つ持っておくことは有用なので、動画発信は結構おすすめです。何回も使えるし、漏れていてもリンクを共有して「これみて話そうぜ」と言うアクションに繋げられるので。

その結果、最近サクライはソラジマのフリー素材になりつつあります。みんなが少しでも意識してくれるのであれば甘んじて受け入れましょう。

最後に

備忘録的につらつらと書いてしまいました。
少しでも、どなたかの参考になる情報があれば幸いです。

HRにフレームワークはあっても、その組織にフィットするかどうかは全く別の話である、というのが3ヶ月間での反省です。
とにかくPDCAを回してチューニングしていくしかない、ということに気づけたのがいちばんの学びかも。

そんな弊社、ソラジマでは、いえ。サクライは、組織開発の正社員メンバーとして、共に組織をブチ上げてくれる仲間を超絶募集しています。

もっとアグレッシブに組織開発をしたいなという思いがあり、共に手を動かしまくって脳に汗をかく仲間が欲しい・・!
(1人部署ゆえに、やりたいけどできてないことが無限にあります)

ソラジマは組織で勝負することを明言している会社です。一緒に最強の組織を作って、全員で大きな夢を叶えましょう。

我こそは、というそこのあなた。ぜひサクライに連絡ください。お待ちしております!

▼ソラジマの会社HP

▼サクライのTwitter(最近podcast初めてみました)


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