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開発コラム:データマネジメントの進め方

関東もついに梅雨入りしましたね、ジメジメした日々がはじまりそうです…。夏に向けてしっかり体調整えていきたいです!

さて今回の開発コラムは、データマネジメントの進め方についてです!
データって持っているだけではだめなんだけど…どうすればいいのか、何をすればいいのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
そんな方におすすめの内容となってます!

お客様の課題に対し、データ連携システムやBIツールを活用した課題解決を推進している、デジタルビジネス推進部のUです。
今回はデータマネジメントの進め方についてご紹介します!

※本記事は2024年5月時点の情報です。


はじめに

ITの発展により、日々様々な業務データやシステムデータが作成蓄積されています。今や企業にとって、これらのデータは重要な資産となっており、蓄積したデータの活用が、企業にとって必要不可欠となっています。
実際にそれらのデータを活用したいと考えますが、どこにどのデータがあるのか、どうやって使えばよいのかわからないなど、データが管理されていない状態になっていることがあります。
そうならないよう、データを効果的に活用するために、データマネジメントを行う必要があります。

データマネジメントとは

データマネジメントは、データを管理・運用することです。
データを管理・運用していく上で、データの収集、蓄積、加工、整形、可視化、活用などの一連の活動を行います。これらの活動は組織や個人が所有するデータを効果的に管理するために重要となります。データを誰でも簡単に扱えるように管理し、業務プロセスの効率化や生産性を向上することができます。
また、データを分析することで今まで気付いていなかった新たな事実を知り、変革や新たな価値の提供に繋げることができます。

各部門ごとにデータマネジメントに関する視点が異なります。
データ利用部門はどのようにデータを活用したいかの業務面の視点を持っています。
データ管理部門はどのようにデータを管理するかのシステム面の視点を持っています。
データマネジメントを進める上で、業務面とシステム面の双方の視点を持っていない場合、
業務面の視点で必要なデータが不足していたり、システム面の視点でデータのセキュリティが不十分などの課題が発生します。
そうならないように、各部門のメンバーと連携し業務面とシステム面の双方の視点を持って進めることでデータを過不足なく収集・蓄積し、安全にデータを活用することができます。

データマネジメントの進め方

データマネジメントを始める上で、データ利用部門に対して、利活用目的や(目的に対して)具体的にどんな利活用をしたいのかを確認します。
以下の例のように部門ごとの要望を整理していきます。

・営業部門は営業活動で収集したデータを活用し、営業成績の向上と顧客満足度の向上を目指したい。
・マーケティング部門は誰に対してどのアプローチをすると有効かを判断し、戦略作成に利用したい。

次に、整理した要望をもとに目的に適したデータを収集・蓄積します。
蓄積したデータは活用しやすいように整形した状態で、データを可視化します。
このときに収集・蓄積したデータは大切な資産となるので適切に管理し保護します。データの収集・蓄積は情報システム部門が主体となって取り組みます。そして、データのセキュリティを確保し、安全にデータを利用できるように運用します。

データを可視化する際は、データを利活用したい営業部門や、データ分析が得意なマーケティング部門と協力して取り組むとより効果的にデータを活用することができます。

以降で、これらの取り組みを3つのステップにわけて、進め方を説明します。

ステップ① データを収集・蓄積する

社内システムや外部のデータプロバイダからCSV、TSV、Excel、Text、log、JSONなど多種多用のデータを収集します。収集したデータは形式を変えずに1つの場所(データレイク)に蓄積します。
収集したデータを格納する場所を「データレイク」と呼びます。データレイクには、ファイルストレージサービスを利用するのが一般的です。
ファイルストレージサービスとして代表的なものとして、Amazon S3、Azure Blob Storageなどがあります。​

データを収集・蓄積する際の、検討考慮ポイントを挙げます。

<収集の観点>
・BIやレポートでどのデータを使用したいかまで意識して必要なデータの在処を確認すること
・既存の機能で対応可能か等、データの収集方式を確認すること
・日次、月次、時間おき等のデータを収集する頻度を検討すること
・必要なときにすぐにデータを取り出せるように、データの全情報を収集対象とすること

<蓄積の観点>
・収集したデータは変更しないように、データ改ざんや破損を防ぐためのメカニズムを検討すること
・個人情報などのデータの保護を考慮して、アクセス制限や暗号化などセキュリティ対策をとること
・データのバックアップや冗長性の確保をすること
・新規ユーザの増加や、新規データソースの追加に対応できるようにして準備すること
・データレイクに何のデータが格納されているか管理して公開すること

データの活用をすることを意識して、データを収集・蓄積しましょう。

ステップ② データを加工・整形する

データレイクのデータを目的用途に合わせて加工・整形し、データマートに格納します。加工・整形したデータを格納する場所を「データマート」と呼びます。データマートには、データベースサービスを使用します。
代表的なクラウドサービスとして、Amazon Redshift、Azure Synapse Analyticsなどがあります。
加工・整形する際の、検討考慮ポイントを挙げます。

<加工の観点>
・目的用途に合わせて、必要なデータのみ対象とすること
・日付や時刻のフォーマットの変換、文字列から数値への変換、複数のテーブルの結合など、データを必要な形式や構造に変換し、必要に応じて複数のデータソースを統合すること
・データの品質を向上させるために、重複データの削除、欠損値の処理、異常値の修正等を行うこと

<整形の観点>
・不要な列や行を削除して、データを整理すること
・期間ごとなど特定の条件に基づいてデータをフィルタすること
・店舗別や顧客別など目的に合わせたテーブルに整形すること

加工・整形したデータは定期的にメンテナンスし、運用管理しましょう。

ステップ③ データを可視化・活用する

データの可視化・活用ではデータマートからデータを取得し、データ分析ツールを使用してダッシュボードやレポートの作成、データの分析をします。
例えば、営業部門やマーケティング部門のなどのデータ活用部門が、ダッシュボードやレポートを日々確認し、次のアクションや戦術の検討に利用します。このようにデータマートから取得したデータを使用して、業務に活用することでビジネスの拡大に繋げます。

よく利用されるデータ分析ツールにはBIツールAIツールが挙げられます。

・BIツールとは
企業が持つさまざまなデータを分析・見える化して、経営や業務に役立てるツール・ソフトウェア・サービスです。BIはビジネスインテリジェンス、つまり、ビジネスの意思決定に関わる情報という意味です。収集したデータを可視化することで正確な現状分析が可能となります。

BIツールとして、Amazon QuickSight​やTableau、 Microsoft Power BIなどがあります。

・AIツール
人工知能技術を用いて人間が取り組むべきタスクをサポートするためのツール・ソフトウェア・サービスです。適切に利用することで、売上状況・成長率などのデータの分析を行うことが可能となり、将来的に企業がどのような状況に向かっていくのか予測できます。

AIツールとしては、 Amazon Forecast、 Amazon SageMaker 、DataRobotなどがあります。

次に可視化・活用する際の、検討考慮ポイントを挙げます。

<可視化>
・レポートの見た目や操作方法を統一すること
・レポートに表示する項目の定義(桁数、用語)を統一すること
・汎用レポートを使用して、集計作業を短縮すること、統一データによる信頼性の高い分析をすること
・作成したレポートやダッシュボードはユーザのフィードバックを反映し改良すること

<活用>
・分析結果をもとに、次の企業活動の改善案を検討すること
・レポートを定期的に活用し、素早い状況把握をおこない顧客対応を適切かつ迅速に行うこと
・レポートの活用状況(閲覧数)を可視化し、有益な情報を得られるレポートを周知し利用促進すること
データを可視化して、会社全体で有効活用し、次の活動に活かしていきましょう

おわりに

いかがでしたでしょうかデータマネジメントの進め方について紹介しました。最後に、データマネジメントをより促進するためのポイントを挙げます。

計画的にターゲットを決めて対応を進めましょう
・はじめは少しずつ成果をあげていき、経営層や、業務・開発部門など会社全体を巻き込んでデータマネジメントしましょう
・誰でも安全かつ簡単にデータを扱えるように運用・管理しましょう

データマネジメントはデータを活用する上で、重要な取り組みです!

キヤノンITソリューションズでは記事内でも紹介した、AIツール・BIツールを活用した、お客様の状況やニーズにマッチした支援を行っております。 最適なツールの導入やカスタマイズ等もおこなっております。 なにかお困りごとがございましたら、お気軽にご相談ください。

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