響ぴあの

2023年スターツ文庫「5分後に世界が変わる」「5分後に世界が変わる 不思議な出会い編…

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2023年スターツ文庫「5分後に世界が変わる」「5分後に世界が変わる 不思議な出会い編」「わたしを変えたあり得ない出会い」。 2020年カドカワ読書タイム5分で読書「恐怖はSNSからはじまった」「ポイントがゼロになったら死にます」。  2021年10文字ホラー1収録(星海社)。

最近の記事

恋活、愛活、婚活、悪い男に惹かれます

 常に恋活、愛活、婚活をしている10代から20代だった頃の私の実話。  恋活は出会いを求める活動。好きかも、と思える人を探す活動。  愛活は本気で好きになる活動。  婚活は好きになった人と結婚する活動。  私は恋活=婚活だと思っているタイプだったのです。 (歌舞伎町のホストになった同級生)  中学時代の片思いの男子。彼はアイドルのように美しい顔をしていました。おしゃれでピアノが弾けて、勉強もできる人です。 そして、サッカー部で運動神経がいい。一度も同じクラスになったこ

    • 子供の英語教育放浪記

      夫は英語の先生をしているけれど、私は平凡な英語力しかない主婦。 子供二人に幼少期から楽しく英語を学ばせたいと思う。 しかし、夫は難関大学の受験英語の専門家。 しかも、夫は自身が英会話教室に通ったり留学せずにネイティブと流暢に話すことができるくらいの英語力を独学で身に着けたタイプ。幼児英語に関して何も関心はないし、教えるつもりもない。 そこで、色々な英語教材や英語教室に通わせたのだが。 幼児期から中学生までの英語教育漂流記の記録。 学校の先生のお子さんってきっと親が教えてくれ

      • 母親ですが、PTA、子供会、町内会ってどうなのよ?

        (PTA役員ポイント制)  うちの小学校はこども一人につき2ポイントのポイント制です。ポイントって何? と他の学校のお母さん方から聞かれますが。学年委員で1ポイント。専門委員で1ポイントという形です。学年委員は6年間に1回全員やるというものです。学年行事やベルマークの収集をするものです。子供が何人もいると毎年何か役員をしなければいけなかったり、1年に3つやらないといけないとか普通にあります。ポイントにならない役員もまわってきます。  専門委員というのは、広報、研修、保体を

        • 親がおかしい 毒ですか?

          (陰毛を濃くしたい)  これは、私の母が以前、皮膚科で相談した本当の話です。  ストレスのために陰毛など、体のあちこちの毛が薄くなってきたのですが、これは病気なのだろうかと心配になったらしいのです。 (髪ではなく、主に陰部)  私の母は、病気や体調には人一倍敏感な人だということもあるでしょう。  以前、母の手を見て「リウマチでは?」 と待合室のおばあさんに言われて、さっそく病院で検査。  何でもなかったということもありました。  皮膚科にて医師との会話です。 「陰毛が薄

        恋活、愛活、婚活、悪い男に惹かれます

          毒にまみれて生きていく(奇妙な実話集めました)

          (変人で迷惑なご近所の伝統職人とパンツ一枚の娘)  私の子供時代、近所にとある伝統芸能職人がいました。  その人、すごく変わっています。  前妻は、精神刑務所に入っていて、自分の子供を道路に捨てて殺したらしいです。  知的におかしな前妻だったそうです。  後妻が来たのですが、やはりちょっと変わっていて、後妻が産んだ子供たちも普通学級でよくやっていけるなぁという雰囲気でした。  職人の小学生の娘さんは穴のあいたパンツをはいてスカートをはかずに遊んでいました。穴が三つもあいて

          毒にまみれて生きていく(奇妙な実話集めました)

          ⑦凛空の真実 

          ♢虐待処女とデジタルタトゥー   怪奇集めの掲示板に書き込みがあった。  母が葬儀屋に勤めています。ハンドルネームは真実《まみ》です。  葬儀屋では、時々見えるはずのない人が見えたという話や死者が生きていた時同様に存在しているのを目撃したという話はよくあるそうです。  特に、小さな子供は存在していない誰にも見えていない人間が見える確率が高いようです。母自身、誰も鳴らしてもいないおりんがちりんと鳴った現場に居合わせたこともあるそうです。  でも、本当に怖いのは、いるはずの

          ⑦凛空の真実 

          ⑥怪奇集め 取り残された町 清掃員の恋

          ♢ゴミ収集作業員と取り残された町 「これ、リアルな感じがする」  投稿した文章を読んで感じたことだ。  職業上怪奇と遭遇するパターンは多い。  ゴミ収集の仕事は日々の生活に欠かせないものだ。正月など週2回のうち、1日でも来ない日があれば、ゴミはたまり、生ごみは匂う。週1回で足りている人間であれば問題はないだろうが、どちらにせよ日々の暮らしに欠かせない大切な役割を担う。この仕事をしていると怪奇現象に出会うことがあるらしい。もちろん、日々忙しくスピードを求められる仕事なので、

          ⑥怪奇集め 取り残された町 清掃員の恋

          ⑤怪奇集め 怪奇売ります タクシー運転手の恋

          ♢怪奇売ります 斬首と死んだ少年  怪奇を売るという謎の出品を大手出品サイトで見つける。世の中で、この病に苦しんでいる人がたくさんいるのかもしれない。怪奇集めをせざるおえないのかもしれない。それ以外にも、怪談芸人など怪談を話すことで生活をしている人間もいる。そして、ホラー作家もネタ探しに使うのかもしれない。  怪奇を売るというのは、怪奇現象を体験できるわけではなく、怪奇現象を経験したという経験談を売っているらしい。主にテレビ局の番組特番関係者や芸能人、出版社などの方に好評

          ⑤怪奇集め 怪奇売ります タクシー運転手の恋

          ④怪奇集め 幻の食堂、夜の友達、記憶屋、バケルくん

          ♢幻の「いまわ食堂」  青い空に浮かぶ入道雲があまりにもおいしそうで食べたくなるような昼下がり。ふわふわしていそうだけれど、雲はわたがしみたいにつかめるものではない。相変わらず私たちは怪奇集めのために奔走していた。  蝉の声がうるさいけれど、それすらも心地よい季節は一年の中で一番好きな季節だ。そして、テレビなどで怪奇について取り上げられることも多いのが夏だ。  最近はネットの普及やカメラの進化などもあってか、以前ほど怪奇現象の特集を見かけなくなったような気がする。防犯カ

          ④怪奇集め 幻の食堂、夜の友達、記憶屋、バケルくん

          ③知らず駅の駅長 いざな

           知らず駅に行く切符を手にした私たちは、4時44分といういかにも、あやしい時間に踏切に立つ。腕輪をかざし、恋人つなぎで絆を見せつける。通称ここだよ踏切で電車が止まった。普通止まるはずのない場所で電車に乗る。人は誰も乗っていない。これは幽霊列車なのだろうか。でも、ここで取り引きをしないと、私たちに幸せはない。 「ようこそあの世とこの世の間にある知らず駅へ」  イケメンボイスと呼ばれる部類の若い男性の声が聞こえる。  一瞬にして景色がぐるりとかわる。空の色が普通ではない。青から

          ③知らず駅の駅長 いざな

          ②ここだよ踏切

           この町には奇妙な噂がある場所が多々ある。その一つが、阿久津教授が紹介してくれたここだよ踏切だ。その噂は――踏切の音が鳴る時になぜか「ここだよ、ここだよ、ここだよ、ここだよ」という音になるらしい。住民からの苦情を受けて、何度か修理を試みたが、全く治る気配はなく、その原因も専門の技師が見てもわからないままだった。踏切の音は普通は「カンカンカンカン」という警報だが、ここで、普通の音を聞くことはできなかった。面白い場所としてテレビで取り上げられたり、若者が動画をあげることもあったが

          ②ここだよ踏切

          怪奇集め その手をつないでいられるうちにできること ①プロローグ

          あらすじ 「俺と付き合ってほしい。ただし、俺の病気が悪化するまでの期間限定で。傷つけることになってしまう。おまえのことを汚いと感じたり、いずれは嫌悪感を持ってしまうことになってしまう。お前を一生は守れない。俺、恋愛感情が3年後くらいには持てなくなるんだ。だんだん他人に対して嫌悪感と潔癖症が発動するようになるって医師に告げられた。非常に珍しい難病らしい。記憶も徐々になくなるし、寿命が短くなる」  私たちは恋愛感情を持っていたとしても隠しながら、お互い近い距離でいることに心地よ

          怪奇集め その手をつないでいられるうちにできること ①プロローグ

          ㉗少年Zが黄昏夕陽になるまで

           死にたいと思っている少年Zがいた。Zとしたのは、もう後がないという意味で、そういった仮名にしておいた。でも、Zはどうやったら死ぬことができるのかわからずにいた。正確に言うと、死にたいけれど死ぬという勇気がないという少年だった。Zは大切な人を守ることができなかった。彼女は死んでしまった。それは自分のせいだとずっと悔いていた。そして、彼女のいない世界で生きるということが苦しみとなっていた。  Zは考えた。痛くない苦しみのない死に方を。生きるという選択肢もあるだろうが、Zの中で

          ㉗少年Zが黄昏夕陽になるまで

          ㉖自分で死亡日時を決められるエンディングノート

           寿命を延ばすための禁じ手アイテムがここにある。「エンディングノート」だ。現在大人たちの間で流行しているというエンディングノートとはちょっと違う。どんなノートかって? 人生の終わりに向かって歩いている大人たちのエンディングノートは、自分が死んだら葬式はこうしてほしいとか、自分の人生の記録を記すノートだ。  でも、夕陽屋のエンディングノートは未来日記に近いものだ。何歳で眠ったように死んでしまうとか、人生を決定するノートだ。書いたことが事実になるメモ帳と紙の成分は少し似ている。

          ㉖自分で死亡日時を決められるエンディングノート

          ㉕死んだ人と会えるミラクルキャラメル

           かすみは夕陽屋の常連となった。かすみは常に死んだ妹と会いたいという気持ちがあるので、強いねがいを持っているから夕陽屋に行くことができているのかもしれない。そして、かすみは夕陽の特別な誰かだったという過去を持っているらしく、夕陽が招いているのかもしれない。  たそがれどきにしかいけないお店。そして、番人である不思議な存在の黄昏夕陽。最近は夕陽に会いたいという気持ちも混じりながらの来店だったりする。  かすみは妹を失ってから、会えない寂しさにおそわれることが時々ある。夕方か

          ㉕死んだ人と会えるミラクルキャラメル

          ㉔人間をコピーする風船

           自分がもう一人いたとしたらいいのに。もうひとりの自分がいれば、代わりに宿題をしてくれたり、自分が疲れていても学校にいってくれるだろう。その間、本当の僕はのんびりしていられる。だから、もう一人の自分がいてほしいとジローは思っていた。しかし、本当の自分が楽ばかりしていたら、コピーのほうがずるいと言ってくるっていう結末になっちゃうのかもしれない。ジローにとって、そんな馬鹿なことを神社の境内に寄り道しながら考える。そんな時間が唯一のやすらげる自分のための時間だった。  ジローは体

          ㉔人間をコピーする風船