毒にまみれて生きていく(奇妙な実話集めました)

(変人で迷惑なご近所の伝統職人とパンツ一枚の娘)

 私の子供時代、近所にとある伝統芸能職人がいました。
 その人、すごく変わっています。
 前妻は、精神刑務所に入っていて、自分の子供を道路に捨てて殺したらしいです。
 知的におかしな前妻だったそうです。

 後妻が来たのですが、やはりちょっと変わっていて、後妻が産んだ子供たちも普通学級でよくやっていけるなぁという雰囲気でした。
 職人の小学生の娘さんは穴のあいたパンツをはいてスカートをはかずに遊んでいました。穴が三つもあいていました。
 小学生だった私には衝撃な事件です。小学校の校庭で、上はTシャツで普通ですが、下半身が……パンツ一枚ですよ。

 変人職人は、近所で有名人でした。
 自分の子供がいじめにあうと、鉄パイプを持って怒り、追いかけます。
 小学生相手に鉄パイプですよ。
 給食の残りがほしいので、鍋持参で小学校に行きます。
 なぜか運動会では来賓席でビデオ撮影していました。
 外でトイレをするのは当然みたいな感じで、いつも立小便をしていました。

 うちは近所なので、花を折られたり、ごみを捨てられたり、嫌がらせばかりされていました。
 私の部屋に向かって大きな石を何回か投げつけ、2重サッシを突き破って窓が割れたことも。
 警察沙汰になりましたが、警察も絶対あいつだけれど、波風立てないほうがいいということで、その人という証拠がないまま事件は闇の中でした。

 私は、その部屋から別な部屋に移っていたのでケガはなし。
 タイミングがよかったようです。
 もし、私がその部屋に居たら、大けがとか大惨事になりかねなかったということです。
 運が良かったのかもしれません。

 私が成人したあとは、安い居酒屋に飲みに行かないかと声をかけてきたり、スーパーやコンビニで若い女性に声をかけていました。
 歳は結構いっていると思われます。
 女性に声をかけるも自分にまさか年配のおじいさんが声をかけているとは思っておらず、無視されていました。

 最近はごみをあさっている姿を目撃しましたが、近所ではないので、安らかな毎日となりました。
 おそらく、今は離婚して、1人で変人ライフを送っているようです。
 名物なご近所さんって結構いますよね?


(毒親だったナルシスト祖父と生霊の話)

 母方の祖父はなかなかの毒親だったようです。
 
 祖父は私が中学生くらいの時には足が悪く、足を引きずっていました。
 ロボットのような歩き方だったように思います。

 なかなかのポジティブおじいちゃんです。

 はげているだけなのだが、おでこが広いだけと豪語。
 自分が70歳くらいでも、現役でモテると思っているらしく

「看護師に病院であなたと結婚した夢を見たと言われたんだよねって言われたんだよ」
 本当でしょうか? 信じられません。

「女子中学生が私をみつめていた」と言っていますが、絶対足を引きずっているのを心配してるだけでは?

「自分は頭がいいから何でも教えられるけれど、教師は無理。毎年同じこと教えなければいけないのは苦痛」

「ピアノは36連音符さえ弾ければマスターしたも同じ」ピアノは超下手なのに得意げに演奏。全然すらすら弾けてないし……

 あらゆる分野を自慢げに語るのです。

 しかも、妻(私の祖母)が亡くなったのだが―――
「私の青春はこれからです」
 などとみんなに豪語。再婚宣言です。

 これが、実際に再婚するのですよ。
 病院で出会ったバツ2か3の年配女性、絶対お金目当てですね。

 体が弱い妻(実祖母)には
「卵1日10個食べろ、みかん10個食べてもっと太って健康になれ」と包丁の柄でたたいたりしていたそうです。DV夫ですかね。
「救急車代がもったいない。病院代がもったいないから無理にでも退院しろ」
 無理やり退院させ、自分がいかに体の弱い妻を持ったのか、同情をしてもらおうと、親戚中に電話しまくるそうです。
 しまいには、なんでこんな妻と結婚したのか、紹介した実母を恨む始末。

 病院や美容室に行かせるお金を渡さないとか。モラハラもいいところです。
 この祖父は母の兄にはものすごくお金をかけるのに、母にはお金をかけずにお前は妹に比べて美人ではないとか毒親ぶりを発揮していたそうです。
 一番下の妹をかわいがるけれど、真ん中の娘を差別する。そんな父親だったようです。

 亡くなった病弱な祖母は兄ばかりかわいがっていましたが、倒れた時、困ったときは生霊として私の母の肩を重くして助けを求めるそうです。
 そのようなときは、必ず祖母は倒れているそうです。
 60歳前に母方の祖母は亡くなりました。

 包丁の柄で母が叩かれていても見て見ぬふりの兄と妹では、助けてくれないと思っていたのかもしれません。本当に生霊っているんですね。

(手紙女子の友達 ややホラー)

 手紙が届くというと特別感があるのですが、私の幼稚園からの同級生の女性は、メールではなく、手紙で日記みたいな報告を送ってきました。
 内容によってはちょっと怖いのです。

 たとえば、子供の熱をはかった時間を分単位で記録書のように書いてきたり、独身時代には彼氏に10回電話かけたけれど出なかったから首を絞めたいと書いてきました。電話をかけた時間を詳細に記録しています。分刻みです。
 例えば、17時5分、18時4分とかそんな感じなのです。本当に怖いですよね。

 しかし、一度手紙ではなく、ブログに書いてみたらとメールをしたら激怒して、それっきりになってしまいました。
 相手が逆切れしたのです。やっぱり怖いですね。
 たいてい、私はメールで返事を送っていました。
 学生時代も相談はメール、彼女からの返事は手紙なので、時間がかかるのが難点です。

 主婦になってからその人が、化粧品の販売を始めた時や保険の仕事を始めた時も勧誘をしてきました。
 生命保険会社に行くだけでお金がもらえるから、会社に行ってみないかとか、会って話をきいてほしいというメールもきました。
 その時ばかりはメールでした。一斉送信できるので、昔の同級生などに一斉に送っていたようでした。

 私は、極力都合をつけてあわないようにしていました。

「今、会える?」とあるときメールが来ました。
 しかし、1分後には「あなたが暇でも私は会えなくなったから、ごめん」
 みたいな感じの断りのメールが来たのです。まだ返事も書いていませんが、1分後に意外な結末でしょうか。

 きっと二人で勧誘や販売をしているので、相方の都合が悪くなったのだろうと思いました。

 この時は、珍しくメールでした。
 なぜか保育園の見学に誘われたのですが、それを断ってから絶縁です。
 被害妄想が激しいのか「行きたくないならそういってよ」と怒ってしまいました。
 私の子供は、保育園にいく予定ないんだよね。だから、小さい子供を連れてまで行く負担を考えて無理って思ったのだけれど。
 そこ、怒るところでしょうか。

 ちなみに、彼女は、恋愛には積極的でした。
 色々な男性に中学のころから告白していました。
 自宅をつきとめて、手紙やプレゼントを渡したりしていました。
 ある意味怖いと感じていた人もいたのかもしれません。

 しかし、クラスで一番無口な女子でした。
 この友人の恋愛と無口の反比例が不思議でした。


(宗教のワナ)

何年か前ですが、私宛に、知らない人から、宗教の本が届きました。
しかも、私の苗字は結婚して変わっているので、過去の名簿ならばわからないでしょう。
住所も引っ越しているのでわからないでしょう。

しかしながら、誰が?
大量に送付した様子もなく、知らない人の名前が手書きで書いてありました。宛名も手書きです。
ちなみに同級生に確認しましたが、他の人には届いていなかったです。
名簿が前の友達、クラスが同じ友達には届かないのに、なぜ私にだけ届いたのか?

そういえば、ファミリーレストランで母が昔利用していたクリーニングやさんのおばさんに会ったのです。
その人が宗教仲間とレストランに来ていました。
真相は謎ですが、ファミレスにも偶然のワナは存在します。

私のまわりには宗教を信仰している人がたくさんいます。

たとえば、2時毎日一生懸命祈ったから台風がうちの地域を免れたとか、本気で熱く語る方。世界の平和のために毎日何時間も祈っているそうです。中2病な大人、割とその界隈にはたくさんいます。

その他、仕事を辞めて布教に割いている人。子どもはお金がないので通信制高校だったり、本末転倒なタイプです。人類は滅亡して、また新たに生まれ変わる話を目を輝かして話します。

信仰している人の瞳はたいてい、少女漫画のように輝いているのが共通の特徴です。

その他、私の母は色々な宗教の人に助けを求めましたが、どれもだめだったようです。
実際、昔お祈りしに来た人たちやおまもりなんて燃やしてしまえという人もいました。他の宗教は敵なのでしょう。
そのおまもり、私が修学旅行で買ってきたおまもりでした。当時高校生だった私は断固抗議しました。

(女教師の衝撃の授業)

 私が高校時代に家庭科の教科担任だった女性の先生は30代前半の歯に物を着せぬ破天荒なサバサバ系教師でした。

 最初の授業で「この高校に赴任した時、とても残念でした。女子高だから男子がいないからです。目の保養になる対象がいないでしょ」
 現役の女子高生視点で女子高には男子がいなくて残念だと思っていたので、まさか教師からそんな話をしてくるとは青天の霹靂。

 性教育の授業が家庭科であったのだが、黒板に自慰=マスターペーション=オナニーなどとチョークで書いているあたりに衝撃が走ります。

 さらに、女性特有のおりものについては
「私、おしっこもらしてないのに、下着が汚れているんだよね。何これって思うでしょ。これがおりものです」
 なかなかストーレートな授業。わかりやすいな。

 50代男性教師が高校の道徳の授業で性教育を展開した際の話では、男は性交したときのイメージをわかりやすく言うと、トイレで小便を出したイメージ。女性は美味しいものをじっくり味わった満腹なイメージらしいです。先生たちは なかなかだ。

「この中で、彼氏がいてその人に性交渉に誘われたらやっちゃう人いるかな? じゃあ○○さん」
 という風に、もし、自分が彼氏に誘われたらやるかどうかを何人かに名指しで当てる。これは、結構衝撃でした。
 なんと、ほとんどの女子が「やってしまう」という意見。
 私が仲良くしていた友人Mちゃんは模範的な答えで「断る」と。しかし、断ると言ったのは彼女だけでした。

「私は独身でイケメンに誘われたらやってしまいたいですが、私は結婚して子供がいるので、断ります。そして、高校生で性交渉をすることは妊娠のリスクもあるので断るとこたえたMさんが一番正解です」

「そして、生理不順は将来の妊娠のためにも治したほうがいいし、婦人科で治せます」という話や、実際に生理がひどくて学生生活にも影響するので婦人科で治療した生徒の話もしてくれました。学校を休むくらいの生理に関しては、将来の仕事や試験にも影響するので、通院することが望ましいという内容でした。

 住居の授業ではサザエさんの家をモデルに授業が展開され、カツオくんとワカメちゃんが何歳まで同じ部屋だったらいいのか、違う部屋ならば増築が必要になるかなど、興味を持つ内容でアプローチしていました。そんな彼女は現在校長になったという話でした。


(出会い系でやりまくった女)

 私の大学時代の知人の女性Yさんの話です。彼女は、進学高校出身で、どちらかというと地味な女性でした。素朴な感じで彼氏がいたことは大学4年間で一度もなかった。私が誘った合コンなどに顔を出してもその場だけの付き合いで、二人で会う仲になった人もいないと思います。彼女は面食いだ。だから、理想も高いのだろう。しかし、本人はノーメークの眼鏡で登校することも多い彼女。途中、コンタクトにしたり化粧をしたり、バイトをはじめていたが、だからといって彼女が変わったわけではなく、私はいい友達としての距離感を持っていたと思うのです。

 そんなYさんも卒業して、就職しました。そして、久々に連絡を取ったところ、メル友にはまっているとのことだったのです。当時出会い系のメインはメール友達であり、出会い系サイトを通じてメールをやりとりする人はわりといたようにも思います。もちろん危険やリスクが高いので、女子で積極的にそれをはじめる人は少ないようにも思っていました。

「実は、会った当日やっちゃった」
「うそ?」
「相手はのび太のようなメガネの冴えない男だけど、とりあえず処女捨てちゃおうって思って」
「いいの?」

 私は彼女がそんな相手に最初をささげることがむしろ不思議だったし、何が彼女をそうさせたのかもわからないのです。

「そのあと、別な男と3人ほど、関係をもっちゃった。もちろんそれっきりだけどね」

 体を大切にしてほしいと思うが、4人くらいの男性とその日限りの体の契りを結ぶのはかなり勇気があると思いました。なかなかできることではないと思います。
 Yさんが自暴自棄になっていたわけでもなく、ただ、時代の流れに乗りたかっただけなのかもしれない。当時は、ドラマなんかでも、処女であることが恥ずかしいみたいな風潮が漂っていたと思うし、2000年代初頭の話。童貞に関しても同じだろう。でも、好きでもない人と二度と連絡しない人とやっちゃっていいのかな。私にはそう思えて仕方がないのです。

 人は見かけによらない。派手なタイプでもないし、勉強もできるし、家庭環境も平和。
 でも、人は何か足りないものを常に求めているのかもしれないし、その結果が出会い系だったのかもしれないと思うのです。

 出会い系で結婚した友人もいます。しかし、今その人は独身になりました。出会いの形は何でもいいのだと思うけれど、幸せになれるという保証はこの世に存在すらしていないような気がします。


(小顔マシーン、矯正下着)

 街中を歩くとキャッチセールスで小顔マシーンを勧められたという事例が私の友人に多数ありました。「ハンバーガー(安いもの)おごるから、話だけでも聞いて」というちょっとイケメン風のバイト男性が20歳前後の女性を狙って来る。

 まずは「バイトしてますか?」と聞いてくる。これは、20万する機械を買うのに分割で1万ずつでもいいから支払う能力があるかどうかということらしい。成人しているかどうかや学生であることは関係ないようです。

 2000年になる直前、世は小顔ブームだった。それに便乗した商法が街中で行われていた。実際私の友人4人くらいがその餌食になりました。
 1人は、消費者センターで返品したと言っていましたが、他の人は一応一時的には使っていた様子。多分今、それを保持している人、使用している人はいないのではないだろう。そして、一時的には小顔になるのは本当のようだが、1時間後など継続的に小顔になったという人を見たことがないです。それに、毎日使っていたら、顔なくなってしまうと個人的につっこみたくなるんですが。

 美しくなりたい若い女性の心に付け込んだある意味わななのかもしれないと思います。

 その中でも特に美容に興味がある友人Sちゃんがいました。その人は、矯正下着までも購入した。ところが、その下着はとてもきつく、食事や飲み会に来て行けないようなもの。日常生活に支障が出るきつさ。友人Mちゃんにいい店を紹介すると言って連れて行ったらしいのです。その場の雰囲気に押された友人Mちゃんは購入したがとても後悔していると言っていました。それから、その人に対して警戒の気持ちが芽生えたという話も聞きました。しかし、Mちゃんも小顔マシーンの購入者でローンを組んだという話だった。

 女の友情はどこでひびが入るかわからないし、時間を作ってまで会いたいと思える仲に10年後、20年後になっているというのは稀有な存在だと思うのです。そんなことは20歳とか現役女子高生くらいのときはみじんも考えなかったのですが。

 久々に会おうというのが、化粧品の類の宣伝販売だったり、生命保険の案内だったりするのが友情の末路になることは、あると思うのです。それがあっても続く友情もあるだろうが、双方が時間を作ってまで共通点がない大人になっても友情できるということはすごく贅沢でお金で買えない友情だと思っています。

(出会い系で結婚した末路)

 ヤンキー系ヤンチャ系が好きだったSちゃん(小顔マシーン購入者)は出会い系で知り合った人と同棲5年の末盛大な結婚式をしました。歳と共に、ヤンチャ系より経営者系、事業家に惹かれると好みも変わっていたようでした。

 Sちゃんは、たくさんの出会い系携帯サイトに登録して、何人かあった中で気に入った親が社長をしているという男性に惹かれていました。この人は、真面目そうな感じでヤンチャ系ではありません。海外生活もあるという彼に惹かれたのかもしれません。親が社長とは言っても全国的に名の知れた会社ではないので、裕福な暮らしが得られるようなものではなかったかもしれません。

 これは、不吉な前触れだったのかもしれない。挙式当日に歌う予定だった女性が事故で死んでしまったらしいのです。そして、急遽別な代役が来たという話だ。結婚式というのは泣けるものですが、彼女の親への手紙には嘘で塗り固められていて、泣いているのは親だけという事実。新郎には友達がいないらしく同世代の男性は一人もいない。新婦の友人が何名か披露宴に招待され、二次会は新婦の女友達しかいない状態となっていた。あそこまで友達がいないのはいくら留学していたとしても少し違和感があった。

 出会い系で出会ったなどと親戚の前で言えるはずもなく、友達の紹介ということになっていたし、彼女は専門学校もほとんどいかずに何も勉強せずに卒業だけしている。そして、ちょっと興味のあるメイクについてあたかも勉強熱心なようなストーリーが作られていたのだ。

 その後、結婚して子供が生まれた後はSさんは質素な生活をしていました。パートもはじめた。社長夫人という感じの生活とは程遠いもののようだったようです。その後、夫が自分の親の会社を辞め、仕事を転々とするようになり、しばらくしてから、理由はわからないが離婚したとのことだ。そして、Sちゃんは離婚カウンセラーから教えられた全く誰も知らない民間資格をお金を払って取得して、開業したらしと聞きました。少し洗脳に近い思想を抱くようになっており、彼女から会いたいと言ってくることもなくなってしまいました。

 あんなに仲良くしていても年賀状すら送らない仲になって、スマホではつながっているが連絡する用事もなく、彼女の近況を知ることもないのです。

(モンスターになった友達と肛門の穴)

 中学の同級生のEちゃんと20歳のころに久々に会って飲みました。お酒が強いらしく、お酒が弱いので飲むすスピードが遅い私に対して、いらつきはじめたのです。「あなたが飲まないから、こっちもペースが遅くなってつまらない」などと言い出し、2時間程度飲んだ後に、エレベーター内で知らないおじさんに話しかけ始めた。

 その後合流予定だった中学の同級生のKちゃんと連絡がつかず、探しに行った。どうやら男子大学生と合コンしていて、Kちゃんは飲みすぎてしまって、そのまま倒れていました。私は、中学時代から知っているKちゃんがただ意識はあるものの道端に寝そべって、何人もの人々に見守られている様子を見て、信じられないような気持ちになったのです。悲しいというか。その後、親が迎えに来て無事Kちゃんは帰宅しました。

 そして、Eちゃんといえば、私に彼氏ができたと聞くと、そのまま帰宅してしまい、二度と連絡を取らない仲になったのです。部活を一緒に頑張った仲だったのに。修学旅行も同じ班で行動したのに。私の心は20歳にして、女の友情のはかなさの片鱗に触れたような気がしたのでした。

 今は絶縁。しかし、私の中で部活中に一生忘れられない事件が起きたことは今でも覚えています。Eちゃんと二人一組で背筋をしていて足を押さえていたときに、彼女が急に起き上がったのです。私は別の方向を見ながらなぜか人差し指を一本彼女の方に向けていた。それは偶然の一致だったのです。彼女の肛門にジャージ越しに指を突っ込んでしまったのです。お互い一瞬のことで素知らぬフリをせざるおえず。肛門の穴に指を突っ込んだのは後にも先にも1度きりです。 

 目立ちたがり屋に変化したKちゃんはイベント会社の司会、バンド活動、水商売のバイトをはじめました。

 Kちゃんは中学時代地味でおとなしい人でした。しかし、大学生になって20歳過ぎたころには、自分のバンドのライブのチケットを買わないとキレるようになってしまい、車で迎えに来いなど、飲酒運転すら強要するようなモンスターに変わってしまいました。残念でしたが、彼女との縁は切れたのです。

 人間は変わっていく。私は友達を大事にしたいけれど、永遠に続くものなんてないのだろう。友情なんて友達なんて法律に基づく契約でも何でもないし、形に見えないものだと思うのです。


(勘違い女子)

 思い込みが激しい中学の同級生Tさん。彼女は勉強はできるタイプだが一癖ある。テレビは見ない主義らしい。ラジオすらもこっそり聞いているくらい親が厳しいらしいのです。Tさんの意思も強いのかもしれない。中学生にしてみるテレビは大河ドラマとニュース。まさに絵にかいたような優等生だった。しかし、性格が悪く思い込みが激しい。自分は細く美しくもてると思っている。正直、そうではないと思うのだが、本人は他人と比べて私の腕が細い、足首が細いなどとことあるごとに自慢をしていました。そして、なぜか複数の男子に追いかけられたとか、男子がこっちを見ているからかくまってほしいと本気で言ってきていたのです。痛い女子。男子がTさんを意識している様子もなく、完全に勘違いの思い込みだったと思います。

 彼女はノートをきれいにまとめるのが好きで勉強法などを語ることも多い生徒でした。先生にも媚びるタイプなので、教師うけはいい。嫌われ者だったにもかかわらず、顧問のひとことで部長に選抜されたという人間でした。人を見下すことも多く、威張ることも多い彼女は一時期いじめの標的になったこともあったが、優しい部員がTさんを救ったのです。しかし、その優しい部員というのがお酒を飲むと絡んでくるEちゃんだったので、人は、変わってしまうのでしょう。女心と秋の空みたいなものかもしれない。

(ストーカーな女子)

 積極的な女子Fちゃんがいた。この人は、中学時代には、好きになると家に押しかけたり、プレゼントやラブレターを渡したり、帰り道に待ち伏せをするストーカー予備軍のような人でした。いつも積極的というわけではなく、恋愛に対して積極的という点が人より秀でた人間だったと思います。小学生の時は、担任に授業の時に先生に聞かれたことを答えることを意外だと褒められるような人でした。クラスの人間にも積極的に話さないし、静かな人物だからこそ、なおさら、恋愛にだけ積極的なのは印象深い。

 中学になると、少し不良な先輩やイケメンの同級生、顔が好みの後輩、など好きになった人数はわりといたと思います。しかし、どれも両思いにはならなかったということは残念でした。高校に入ると、先生に自分の好きな曲を入れて渡したという手紙が来ました。なかなか告白というものはできそうでできない。でも、世の中には授業中に発言はできないけれど男子に告白をするという女子もいるということです。

 その後18歳以降になると合コンに誘うと必ずその中で気に入った人がいるというストライクゾーンが広い女子となるのですが、1対1じゃないと他の女子に目を奪われてしまったりチャンスが少ないと感じたのか、だんだん合コンには参加しなくなったように思います。そんな彼女は20歳くらいのときに初彼氏ができたり、彼氏が死んだり、いくつかの恋愛を経て結婚を実行したのです。

 このFさんは、幼少時からの知り合いであり友達だと思っていたのですが、自分よりも早く結婚した人を祝福しないという性格が悪い女性だということをのちに知って悲しい気持ちになりました。それは、私に対しても同じであり、おめでとうではなく、収入が安定しているなら安心だね、昔を知っている人ならばいいかもね、といった言葉。その後も化粧品や生命保険を売りつけられそうになったので、疎遠になりました。女の友情ははかなくもろい。そして、人間は裏表があって、人の幸せを必ずしも幸せだと感じられる人間のほうが少ないのだと思うのです。

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