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言い合いの勃発 ~H君との4日間~

・3日目
網走の廃屋感が漂う無料ライダーハウスを出て知床に向かう。
知床峠の手前まで走り、夜はテントを並べて野宿した。

H君はかなり押しが強いというか、我が強いタイプだけれども嫌な感じではないし、一緒にいて気づまりに感じることもない。

他愛のない話をしながら食事の用意をして、夕飯の後にはティータイムまで設けていた。

・4日目

知床峠を越えて明日からは別行動という最後の夜、ライダーハウスでついに言い合いが勃発した。

「ラッキー!ガスもあんじゃん!」

昼は炉端焼きのお店もやっているライダーハウスのプロパンガスを使おうとしたH君。

「ガスくらい自分の使おうや。」

「なんでだよ!こっちは金払ってんだからいいじゃん!」

「そのガスは炉端焼きの店で使ってるやつやし、それにライダーハウスなんて善意でやってくれてて儲けにならへんのやからそういう問題じゃないやん。」

「自分だってここの水使ってんじゃん!」

「み、水くらいは、、、」

中略

らちが明かないので、「じゃあ俺のガス使っていいから。」
と言い、自転車のバッグからガスボンベを取り出してH君の座っている机の上に置く。

「わかったよ!自分の使えばいいんだろ!」
と渡したボンベをつき返される。

なにごともなかったかのように会話を続けるが、どこか気まずい空気が流れる。
焚き火を見つめているフリをして気まずさをごまかす。

、、、

するとH君が、「炭もいい感じになってきたから、自分の焼き芋の用意しろよ、、、」という素っ気ない感じを装ったような優しさを見せてくる。

「お、おう、、、」

「オレはヤキイモを焼くのが上手いんだ。」というH君の焼いてくれたヤキイモを食べて仲直りとなった。

若干めんどくさいけど、個性的でいいやつだったなぁ、、、

つづく

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