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多くの人に小さく頼っていたいし、低空でいいから飛んでいたい

レイワな時代に、なかなかショウワな暮らしをしている
平成10年生まれといえば、この私である。

***

あちゃ〜、ま、そうだよね。

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1月6日。
ママから休業の連絡が来たが、この「あちゃ〜」を感じるためだけに店に足を運んで、ママの字はやっぱり達筆だな〜と感心するなど論点のすり替えをして、ヤバさから目を背けていた。
正直にいうと、私の収入は90%くらいスナック営業によるので、例の宣言の影響をバッチリと受ける。

この1ヶ月は、財布の中を頭に浮かべながら、スーパーのセール品に「飛びついて買ってませんよ、たまたまそこにセール品が」風にカゴにいれるスキルが上がった。せめてものプライドだ

困窮してはいないし、お腹もちゃんと満たしている。
お酒も家でちょいちょいと、飲んでいた(重要)
ただ、一週間で「足りない」と感じる。
我ながら本当に贅沢な悩みだ。その時思った。

ある日、居住空間を一緒にしているモンゴル人のカップルから、こんな連絡が入っていた。

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!?!?!?!?

言われた通り、れいとうこの中にハマグリがたんまりあるのである。

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彼らによると、知り合いから超たんまりもらって、食べきれなかったらしい。お返しにれいぞうこにソーセージを入れた。

一度だけ、ママと閉めている店内で話す機会があった。

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いつも賑やかなお店の中はがらんとしていたが、
ママからの、「もう本当に出不精になっちゃって〜」という声(そして聞いたことのある話)が、前の日常を思い出させる。
帰り際、青森出身のママが「これ、蜜が入っているから」と言って
私に真っ赤なりんごを二つ、渡してくれた。

りんごの入った紙袋を下げて帰路に着きながらこう思った。
「心の底では、やっぱりちょっと不安だったのかな」
それは誰かに吐き出さないといけないくらい切迫した不安感ではなく、
財布を気にしている瞬間、口座残金が減っていくのを確認する瞬間の
小さな「このまま大丈夫かな」が積もったものだと思う。

お腹がすいたんじゃなくて、きっと「なんとかなるよ、私なんかさ〜」
一緒に笑い飛ばしてくれる存在が必要だった。
それは、同世代のYoutuberが頼んでいるUber Eatsじゃ届かなくて、
半径3km圏内にいる愛おしい隣人たちが、私にとってのそれである。

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自分を低空でも飛ばし続けるのに、本当に隣人様たち助けられている。
自分もそんな誰かの隣人であればと、切に思うのだ

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