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サノレックスは本当に痩せるのか?

一時期、ダイエットによる食事制限が行き過ぎてほとんど拒食症に片足を突っ込んでいました。
毎日カロリー計算と体重測定を繰り返し、気がつけばBMI13.9にまで。
日常生活を送るのも辛かった記憶があります。

今思えば病的ですが、さらなる高み(あるいは低み)を目指して、ダイエットに効果的だというサプリや医薬品を試していました。
そんな中手にしたのがサノレックス。
日本で唯一の食欲抑制剤です。

サノレックスで本当に痩せられるのか、効果や服用感はどんな具合だったのか、思い出していきます。

サノレックスとは

食欲抑制剤

一般名:マジンドール(英:Mazindol)
商品名:サノレックス
剤形:0.5mg錠

Tmax:約2時間
作用時間:約2〜9時間
T1/2:約9時間

適応:高度肥満症(0.5〜1.5mg、食前に分服)

副作用:口渇(7.1%)、便秘(6.4%)、悪心・嘔吐(4.2%)、睡眠障害(2.1%)、胃部不快感(2%)

日本唯一の肥満治療薬

サノレックスは中枢神経刺激作用を持つ食欲抑制剤です。
1992年にノバルティス社より発売され、現在でも国内唯一の認可を受けた肥満治療薬になります。
しかし、保険適応されるのはBMI35以上、かつ食事療法と運動療法が効果不十分の場合、3カ月を限度とした補助療法に限られます。
保険適応範囲に入るのは大変ですが、自費診療で取り扱っているクリニックが多いため入手難度はそれほど高くありません。
350〜1000円/錠とかなり価格に開きがあり、私が受診したクリニックでは400円/錠でした。
首都圏や大阪など、大都市の美容クリニックでは取り扱っているところが簡単に見つけられるし、自費診療ならうるさく言われることもありません。
問題は、価格相応の効果があるかどうかです。

サノレックスで痩せる仕組み

サノレックスの主成分マジンドールはアンフェタミン類似物質、つまり覚醒剤の親戚です。
マジンドールの他、有名なアンフェタミン類似物質にはエフェドリンやシブトラミンが挙げられます。
以前はこれらの成分を含んだダイエットサプリも個人輸入できましたが、死亡事例などの健康被害が相次ぎ規制されてしまいました。
これらアンフェタミン類似物質は、脳の中枢神経を刺激しつつ食欲中枢を抑制します。
精神が興奮して食欲が無くなり、呼吸量が増え体が発熱して脂肪が燃焼しやすくなります。
カフェインを摂り過ぎると動悸がしたり眠れなくなることがありますが、あれも中枢神経が刺激されて興奮するためです。

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ちなみに、エフェドリンは喘息治療薬として現役のお薬です。
効果を抑えたdl-塩酸メチルエフェドリンは市販の風邪薬にもよく使われており、知らず知らずのうちに口にしているかもしれません。
しかし、市販の風邪薬等には肝毒性の強いアセトアミノフェンを始め、他の成分がたくさん含まれているためダイエットサプリには到底不向きです。

サノレックスはダイエットの救世主となるか

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結論から言ってしまうと、費用対効果の面であまりにも効率の悪いお薬でした。
食欲抑制効果はなんとなく感じられましたが、劇的というほどではありません。
当時すでに拒食症のような状態で、ただでさえ食欲が無かったことも関係があると思います。代謝促進の作用も大きく体感できるほどではなく、漢方の麻黄湯やカフェインでも代替できそうな程度でした。

アンフェタミンがそうであるように、サノレックスも耐性がつきやすく依存のリスクがあるお薬です。
もとより添付文書には長期連用は避けるようにと記載されていますが、そうでなくともどんどん効果が感じられなくなるため自然と止めてしまいます。
サノレックスでも身体依存は起こるようですが、この点はあまり心配しなくても良さそうです。

結局私は1ヶ月だけ服用して、それからは一度も使っていません。
1ヶ月分30錠に12,000円の価値があったかというとなんとも言えないところです。
400円/錠ですら安い方に入るので、それ以上の価格なら再び試す気にはなれません。

あくまで高度肥満症の治療薬

サノレックスは、普通体重前後の人がダイエット効果を求めて使うようなものではないのでしょう。
食事や運動に気をつけても改善されない肥満症に、少しでも杭を打ち込むための苦肉の策的なお薬なのかもしれません。
保険適応の条件が極端に厳しくされていることにも納得がいきます。

やはりダイエットの基本は食事と運動。
栄養バランスに気をつけた食事をしっかり摂って、体を動かすのが一番です。

ひどい貧血と栄養失調を経て、極端な食事制限をすることはなくなりました。
身体的な不調がある種ショック療法のようになって、少しだけ体型への認知の歪みが矯正できたように思います。
今でも痩せ願望はありますが、自由に動く身体にはかえられません。

コスパで選ぶダイエットサプリ

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個人差はありますが、私にとってサノレックスはコスパの悪いダイエットピルでした。
他にもいろいろなダイエットサプリ、ダイエットピルを試しましたが、その中でもコスパが良く、値段相応の効果がある(と思う)ものを挙げていきます。
もちろん、肥満の原因やダイエットの目的に応じて必要な栄養素などは違ってくるため、私に効果的だったものが万人にも効くとは限りません
ご参考程度に。

・カフェイン

カフェインは前述の通り、中枢神経を刺激して代謝を促進させ、脂肪の燃焼を助けます。
ダイエットサプリの代名詞であるリポドリンを始め、脂肪燃焼を謳ったサプリメントのほとんどにカフェインが含有されています。
コスパや調整のしやすさで考えるなら、カフェイン単剤のサプリに勝るものはありません。
リポドリンは1錠あたり100mgのカフェインを含有し、100錠1ボトル6000円くらい。
ALLMAXのカフェイン錠は、1錠あたり200mg、100錠で1000円前後です。
iHerbなら同じものが1ボトル658円でもっとお得。


・L-カルニチン

ダイエット点滴の主成分の一つである、L-カルニチン。
美容クリニックのダイエット点滴は、ほとんどがL-カルニチンとαリポ酸を主成分にしています。
L-カルニチンは、脂肪をミトコンドリアへ運搬するアミノ酸の一種です。
カフェインとは違い、L-カルニチン自体に脂肪を燃焼する作用があるわけではありません。
脂肪の燃焼を効率的に行うよう働きかけるため、有酸素運動と組み合わせるのが最も効果的です。
私は通院や買い出しなど歩く前や、運動の前に500mgくらい摂るようにしています。
これもiHerbだと1カプセルあたり500mg、120カプセルで1600円くらいと安価。


・L-チロシン

L-チロシンは神経伝達物質の原料となる非必須アミノ酸の一つ。
代謝を促進する甲状腺ホルモンの材料でもあり、これもダイエットサプリによく使われている成分です。
ノルアドレナリンやドーパミンを増加させ、精神賦活作用や認知機能の改善、ADHD症状の改善といった効果も報告されています。
そのため、ダイエットサプリというよりスマドラ方面でより認知度が高いかもしれません。
「バナナは鬱に良い」などと言われるのも、バナナやチーズといった食品にはチロシンが豊富に含まれているから。
代謝の促進を始め、ADHD症状や認知機能の改善、やる気や集中力増加にも期待して服用しています。
iHerbでは多分Jarrowの500mg100カプセル865円が最安値。


サプリメントは安全だと思われがちですが、主成分以外の添加剤でアレルギー反応が起こることもあれば、お薬との飲み合わせに注意が必要な場合もあります。
気になることがあれば、まずはお医者さんか薬剤師さんへ。
体に気をつけて良いダイエットライフを送りましょう。

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