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第3回THE NEW COOLNORTER賞。「始まる世界」の始まりに出会った瞬間。

10月のカレンダーも終わりに

近づこうとしていますが。

10月ははじまりを意識するそんな

季節の中にいました。

『THE NEW COOLNORTER賞』の10月部門は

テーマ「始まる世界」でして。

テーマは部門リーダーは、これでも母さん

この賞に応募される方への

これでも母さんからのメッセージは

こちらでした⇊

これからの時代を生きる人たちへ
 やさしい世界が1ミリずつでも広がりますように

想えばこんなに温かいコンセプトから

始まる世界の扉は開いたのです!

そしてですねわたしもお手伝いさせて

頂きまして。

いくつかの作品を講評させて頂いたんですね。

本日、講評が事務局長の一奥さんのnoteで

投稿されています。


こちらの記事を紹介させて頂きました。


北欧の街角でさんは、8月期のエッセイ部門賞に

輝かれた、文章だけでなくその書き手としての

眼差しの誠実さが魅力的なNORTERさんです。

講評の原稿を書いて会議室に座って

送信ボタンぽちっとしたら

ほぼほぼ即レスのように

みこザウルスちゃんからコメントが

返ってきました。

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この作品は

 今日はラウラという一人の少女の話をさせて頂きたい。正義感に燃えすぎている少女である。

こういう冒頭から始まるのですが。

ラウラという少女がただただ友人を

救いたい、友人の友人までをも救いたい

だってみんなそうするものよね!っていう

あぶなかっしい心意気を持った彼女のことが

細やかな描写で綴られていました。

たしかに、これは評者泣かせのめちゃくちゃ

質も壁も高い作品でありまして。

壁を乗り越えた後のわたしはこう書きました。

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自分の信念にとてもまっすぐな少女のラウラさんの体験が
ここに綴られています。信念にまっすぐ。火の中の栗をみ
ずから拾ってしまうラウラさん。
時にひとはそれを正義と呼びますが。
正義へのベクトルがどっちに向いているのかでずいぶんと正義の
たどり着く場所がそれぞれに変わってゆくのが常ですが、
ラウラさんの正義はどこに向かっているのだろうと想いを馳せ
ながら読ませて頂きました。

ラウラさんには幼馴染のエルビラさんという親友がいて
エルビラさんの友達に、ディアナさんというお友達が
います。

彼女の困難をも救おうとするラウラさんについて。

なのに、彼女はエルビラさんをあきらめない。

と。

この作品の中で北欧の街角でさんはご自分の

実体験ではなく少女たちの「語り部」に

徹しているのだと書いたんです。

そこに目を留めてくれたみこザウルスちゃんの

言葉を紹介してみますね。

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なのに、彼女はエルビラさんをあきらめない。


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(みこザウルスちゃん曰く)これがなぜかなと思ってたんですよ。

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そしてじぶんをもあきらめない。

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そうか。
氷解した。
さすがゼロさん。

この時は、ん?ん?

って思いつつ。

なにか?

解決しましたか? って

わたしがきょとんとしていたら。

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北欧の街角でさんが最も伝えたかったのはそこなんだけど、これもまた、ゼロさんの言うように文体が「語り部」になっているので、一見わかりにくい。
でも、この自分を諦めないからエルビラを諦めないという心理過程は「語り部」の文体がふさわしい。
この文章が優れているのは、一行たりともひと単語たりとも「ラウラってすごーい」といっていないところにあると思う。
ほとんどこの文章は、北欧の街角でさんの美意識、美学みたいなもんだ。
ここで「ラウラってすごーい」って100人いたら99人はそう書く。
そして、正義バンザイ!清らかな心バンザイ!っていう、みこちゃんが苦手な世界(苦笑)になってしまう。
だから、それを全部見抜いて、「語り部」と表現したゼロさんをカウントして、100人中二人は「ラウラってすごーい」とは言わないということだ。

と、まるでみこちゃんが書いたかのような

妹分みこザウルスちゃん。

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これさ。
みこちゃんが批評宣言で書いた「べた褒めしてもいいけど、その子が美大に入りたいと言ったらちゃんと方向性は導いてあげるべきだ」と書いたのと同じだと思える。

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ここで、北欧の街角でさんやゼロさんが、「ラウラってすごーい」って手放しで褒めたら、ラウラはきっと美大には落ちるね。純粋なピカソの下手くそな絵のままで成長は止まる。
無限の愛を語り部の文体に感じる。
よくまあ、ここまで抑制して北欧さんも書いたもんだ。

そしてみこザウルスちゃんは北欧の街角でさんの

この賞に対する審査員への信頼を感じたと言います。

それと、北欧の街角でさんは、『THE NEW COOL NOTER』の審査委員ならその美学を分かるだろうと思ってくれたんだと思う。

そして、審査員である愛加さんも

後日、会議室に登場されました。

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不幸な度合いを競うのは、この部門のコンセプトの真逆にあるもの、だよね。

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そうそう。
それは他所行ってやってくださいの世界。

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わたしは、なぜ北欧さんは語り部さんができるんだろうって、考えてみた。
わたしが言うのもおこがましいんだけど。
北欧さんの信じ貫く一念、みたいなものが、語り部さんをさせた気がする。北欧さん語り部さんだから、ひとっことも自分の考えを主張しないけど。
誰よりも、北欧さんが、世の中を、人を諦めてないよね。
きっと、ラウラのことは、氷山の一角で、誰よりも世の中の理不尽を、肌で感じてると思うんだ、立場的に。
でも、どんなに絶望的なものを見ても、その絶望に染まらない。
「世の中腐ってら」って、吠えることをしない。
何で堕ちずにいられるんだろって、考えた時。
諦めてない、というか信じてるんじゃないかって。
絶望で心が震える時も、世の中への、人への信を貫く一念。
始まる世界に必要なのは、この信を貫くことではないか、なんて。
1人ぐるぐる考えてた。

そうこんなにアツい語りが

THE NEW COOLNORTER賞の会議室では

よなよな繰り広げられていたんです(゚д゚)!

そして北欧の街角で さんにほれこんだ

みこザウルスちゃんの冷静なひとこと!

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今回改めて再発見したのは、寡黙な雄弁さ。


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これもすごいエッセイなんだけど、こんな一節があったね。
「共感は出来なかった、また、感情移入してしまったら話は長くなる。」

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北欧の街角でさんは、共感や感情移入にとても慎重な態度をいつもとっている。またもや我田引水なんだけど「わかり易い文章を書くことへのためらい」を感じるよ。


そこでわたしもおふたりの間に入って

お話しました。

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ご自分の体験を綴られた方が多い中で北欧さんは、深く傷ついた方のお母様の話を聞くという体験を通して記事を書いていらっしゃって。
北欧さんも仰っていたけどコンテストに参加するという意味以上に、話を聞いていただきたかったというスタンスで。
とても控えめに、ラウラちゃんとお母さんの話を語るという一点を貫かれたこと。それは、「始まる世界」というややもするとつかみにくいコンセプトとして感じている方にも聞いた話を語る事、そしてその文章を提示することで読者ひとりひとりが考えてほしいという、そこから「始める世界」が始まるというふうにもわたしは捉えたんですよ。
上手く言えないけど、「始める世界」はすごい壮絶な体験したもの勝ちになっちゃうと違うんじゃないかって思っていて。そこを北欧さんは、感情で処理せずに淡々と訥々と、でも書かずにいられない思いで書いているところ。あの寡黙さを保てるのってかなり書き続けてきた人じゃないとできないなって。

わたしはみこザウルスちゃんの言った

あの人は、共感や感情移入にとても慎重な態度をいつもとっている。またもや我田引水なんだけど「わかり易い文章を書くことへのためらい」を感じるよ。

そこの共感というワードに反応しました。

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わたしもそこが信頼おける書き手だなって気がしていて。
SNSで何か書くのって共感ありきになりそうな危ういものだと感じているんですが(自戒もこめつつ)
北欧さんは書くという矜持を知っている人だと思いました。

こんなふうに会議室の夜は更けてゆくのでした。

「始まる世界」という一目見ても

どんな主旨の賞なのか一見みえにくい

10月部門賞にこの賞のコンセプトをご理解

頂きたくさんの作品をお寄せいただけたことを

嬉しく思います。

こんなふうに、ひとつの記事がそれぞれの

感じ方をもちよって、語ることのできる

カタリバがここにあること。

すばらしい数々の作品に出会えた喜びと、

愛すべき審査員の方々とご一緒できたこと

ほんとうに嬉しく思います!

改めてTHE NEW COOLNORTER賞は、作品との

出会い、読む喜びを通して人と人が縁を

つないでゆく、賞であることをひしひしと

実感している今日この頃です!


今回ご一緒させて頂いたすてきなみなさんたちです


■審査委員&スタッフ紹介


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