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言葉って、いつか見た想い出せない夢に似ている。

 
透明なガラスのコップのふちにそって、詩が刻まれてる。

内側に液体が注がれてゆくときのように。

右側からも左側からもフィンランドの言葉で紡がれた

いたずら書きみたいな詩とコップの写真をみていた。


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<夏はどこもかしこも光にあふれ、白夜の夜は遠くの
気配すら聞こえてきます。水面には静寂が宿り、涼しげで>

誰の作品なのかよくわからないけれど、

訳された言葉を追いながら、まだ訪れたことのない

フィンランドの光を想い描いてみたりする。

一連の写真のいちばんはじまりには、

白い大きなドアに、重なり合う樹々が風に揺れている

影が映っていて。

そのひかりのいろは黄金色をしている。

こういう写真を眺めているだけで、ちょっと憧れを感じる。

写真というよりは、この詩に。

この詩の書き手のなかにはちゃんと詩が、じぶんの身体の

中から生まれたことに、すこし嫉妬する。

ことばってどこから生まれるんだろう。

みんな、どこからか生まれるからことばを紡ぐんだろう

けど。

書きたいことが、さっきまでちゃんと輪郭をもって

あったはずなのに、もうこうやってパソコンの前に

座ってしまうと、見失ってしまう。

隣の部屋からここに来るまではほんの何秒なのに、

忘れてしまう。

ことばって。

生まれなかったとしても、誰も困らないことは

知っている。

困ったと思っているのは、いつもじぶんひとり

だけなのだけれど。

今までそこにあったはずの言葉をつかみそこねて

それは風にまぎれてしまった遠くへ去ってしまった

あの人の香りと何も変わらないのに。

ひどく惜しいと思ったりする。

だから言葉って、わたしにとってはいつかみた

思い出せない夢のよう。

なのに、この間わたしはわたしの夢の中を

覗かれていたのかもしれないっていうような

そんな素敵な絵と言葉に出会った。

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これは、わたしの大好きな如月桃子さんがどうしても今年中に

つくってみたかった絵本。

如月さんがもとひろさんの詩に触れた時、ぜひ絵にしたいと、

そんな熱い想いから生まれた。

生まれるってこういうことだ。

もとひろさんは、この絵本の中の詩が生まれた瞬間を

綴っていらっしゃった。

溢れ出る湧き水のように

ことばが生まれたという。

この絵本に目でふれたとき、やはりこころがふるえた。

11月はわたしの心のセンサーが壊れてしまっているのでは

ないかと思うほどあんなに泣いてふるえていたのに。

この絵本に触れてふたたび、静かに心が微動した。

揺れた、夢の兆しを覚えて揺れた。

そして、この絵本をスクロールしながら眺めては

なんどもエンディングを迎え。

そして。

エンディングを迎えた後はまたはじまりに、

もどる。

それをなんども繰り返しているうちに、

わたしの中にも言葉が生まれてくれるような予感が

していた。

ことばって。

いつもわたしの中にはないのに。

誰かが、すてきな輪郭でもって形にしてくれたときに

てのひらにのっけてみたくなることばに出会えた時に

じぶんのなかにやっとことばが生まれる

そんなものなのかもしれない。

今年1年すてきなnoteの記事に出会ってきて。

わたしが推したいnoteはもとひろさんと桃子さんの

noteです。

わたしになにができるんだろう。

感動しましたじゃなくて、なにができるんだろうって

考えながら。

わたしもnoteにやってきて、やっと700人を少し超える

ぐらいのフォロワーさんに恵まれました。

そのみんながみてくれるわけじゃないけれど。

微力だけれど、もとひろさんと桃子さんの絵本を

見て頂きたくて。

こんなことしかできなくて。

noteのコンセプト。

つくる、つながる、とどける。

これってお2人がお互いの作品に出会って

共鳴してそしてひとつずつのものが

ふたつになってとけあってまたひとつになる。

作品をつくる互いを信じあいリスペクトすることを

形でみせてくれた

もとひろさん、桃子さん、ありがとう!

そして、桃子さん。

すこしだけあなたが夢のためにnoteを離れるって

聞いた時は、すこしどころかかなり寂しかった。

好きな人には、わたし過剰反応してしまうね。

でも、こんなに早く夢を形にできるあなたがとても

眩しいです。

でも。

眩しいって、だれかに心の底からいえるじぶんのことが

すこし、いやかなりうれしい。

桃子さんが身体のメンテナンスのために、すこしだけ

noteをお休みされるそうだけど。

また元気で無事にかえってきてくれることお祈りしてます!

そして。待ってます!

信じられないけれど来年は桃子さんと絵本をつくれる

夢がわたしも、叶いそうなので、そのことが

なによりのわたしにとってのこの

『いるかのうた』の絵本の次の

クリスマスプレゼントになりました。

またね!来年もどうぞよろしく!


青いペン 走らせている 言葉の中に
ひっそりと あなたがいて わたしもいたよ


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