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誰かと比べて落ち込みそうなとき、思い出す言葉。

比べるってなんだろう。

人生はレースだからね、とか。

人生は弱肉強食だからね、とか。

そう言われたり聞かされたりして

小さい頃から過ごしてきたけれど。

今わたしのなかで、最強な人は

誰とも比べない人かもしれない。

比べない人で身近な人と言えば母だ。

あの人はほんとうに比べない。

好き嫌いは異常に激しいのに。

わたしの育て方において比べるという

ものさしを持たなかった人かも
しれないって最近思う。

わたしは彼女にとって最初の子供だから、

子育てだっていろいろあっただろうに。

幼稚園でかけっこが遅かった時も

みんなとおなじ椅子取りゲームに参加
出来なかった時も。

小学校で勉強ができなかった時も、

水泳で25メートル泳げなかった時も。

矯正しようとはしなかった。

あなたはあなたって感じだったのか。

絵本を読んでも興味がなさそうなので

興味出るまでそっとしておいたって

言われたことがある。

みためは教育ママに見えていたけど
内実はちがっていたことを今頃に
なって知る。

もっともっとさかのぼるけど。

よく聞かされるのは、赤ちゃんだった時、

わたしの首が座らなかった頃の話だ。

わたしは、今もそうだけど首が長い。

幼稚園生の時もキリンって言われて

からかわれた。

あ、首が長いからね。って自問自答して、

それだめなの?
わたしだめですか?

ドラマのセリフみたいだけれど。

それだめだっていう意味で言ってんの?
って

思いつつもそういう意味で言ってんだね。
ってわかってからは、そういうこと言う
生き物が子供なんだなって思って学習した。

そして後々なぜかキリンのことが好きに
なった。

わたしはそんなこんなで首が座らない時期が、ほかの赤ちゃんより長かったらしく。

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ほかの赤ちゃんっていってもデータソースは近所の赤ちゃんたちだから、信憑性も何も
ないけれど。

義父がやって来た時にそれを指摘されたらしい。

わたしの首が座っていない、と。

病院に行きなさいと。

隣の○○ちゃんはもう首が座ってると。

それを聞いた母は、カッとして。

うちの子にはうちの子のリズムが
ありますから、これでいいんです
って

ぴしゃりと跳ねのけたらしい。

これを聞いた時、初めての母親業で
心配事もたんまりとあっただろうに。

うちの子にはうちの子のリズムあるって
言ってくれたことを今も感謝している。

わたしは人ときっとリズムが違ったん
だろう。

それは大人になった今もことあるごとに
感じるから。

生きづらいことも多いけど。

生きづらいでしょう? 
みたいに言われることもよくあるけど。

ある日、子育てってどうだった? って

母に聞いてみたことがある。

もう、とにかくひたすら待ったねって
笑っていた。

とくにわたしのキーワードは待つだった
らしい。

なんで聞いたのかというと、ある日対談を
聞いていた。

好きな作家と詩人のお二方が子育てに
ついて喋っていた。

子供ができた時、世界から取り残された2人のように感じた。
部屋のすみとすみに私たちがいて、なんかとても寂しかった。

そんなふうに答えていたので。

子育てを経験しなかったわたしは感覚的に
わからなくて聞いてみたのだ。

世界にふたりぼっちで、泣きそうになるとか、そういうことあった?

そう尋ねたら、母は

なんで?

って不可思議な顔をした。

世界とか考えたことないし。

そんなに物事をわたしは深く考えない。

生まれたから育てるしかないし。

勘だけで生きて来たから、行き当たり

ばったりでただ必死だっただけって

笑った。

そして、その人達の考えだからよく

わかんないけどって前置きしながら

寂しいって? だって赤ちゃんのあなたが
いるじゃないって。
ひとりじゃないじゃない ふたりでしょって。

別に? ようわからんわ?

みたいな表情をしたので。

なんだかわたしはすごく安堵した。

わたしは塾にも一度も通ったことなかったし

クラスでテストの点数で競ったことも

なかったから、人と比べて暮らしたことは

なかったけど。

そうは言っても大人になってからは競争せざるを得ないし。

オンラインが日常に食い込まざる得ない暮らしをしていると、こんなぼんやりしたわたしでも誰かと比べたりしたくなる。

そんな心に襲われた時は、わたしが赤ちゃんだった頃の母が義父に対して返したあの言葉を思い出すようにしている。

よう言うてくれたわって。

そして自分の中で呟くのだ。

わたしはわたしのリズムで生きてゆければ
いいのだと。

君のリズム ちゃれてるところ そこが好き
わたしのリズム ずれるんだけど いてもいい?







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