世界の若者にプロレスを伝えた記録
全日本プロレスのTAJIRIです。
プロレスを始めてかれこれ27年目、齢は50歳になりました。
いまやプロレスでベルトが欲しいだとか、さらなる高みを目指すだとか、若い頃に志した道の延長線上のことには、もはや興味が持てなくなってしまったというかなんというか。
同年代か歳上でも、まだまだそういう道中真っ只中な選手も存在しますが、それはもしかすると人間の『タイプ』によるところも実は大きいような気がしています。私はそういうタイプではないんですね、きっと。
WWEを退団し日本に帰ってきた16年前から、所属するほとんどの団体でプロレス興行の『創り手』としても関わってきました。なので自分をプロデュースすることよりも、他人をプロデュースすることに興味がスライドしていったのかもしれません。かつては自ら舞台に上がっていた歌手が、齢とともに歌を作る側にスライドしていった……そんな感じかもしれません。
そんな私が、他人の人生についての本を出しました。
プロレスに人生をかけようにもかける環境すら整備されていない国々で、現地の彼らが何を考え、何をし、どのように生きているのか?
そして私自身がそんな彼らにどのような指導をしてきたのか?
世界各国でそんな彼らと触れ合い、その生き様を見て、聞き、尋ね、感じて、撮りまくったここ数年の記録をまとめた一冊。
『プロレス深夜特急 プロレスラーは世界をめぐる旅芸人』(徳間書店刊)
数奇なプロレス人生を送ってきたTAJIRIが、その経験や知識を世界の若者に伝えていくドキュメンタリー的な一冊です。少しも堅苦しくありません。マンガのように気楽に読めます。
是非ご一読くださいませ。
※写真はフィリピンのプロレス団体が所有する屋外道場での練習風景。本著でめぐる国は……イタリア、マルタ、ポルトガル、オランダ、フィリピン、マレーシア、シンガポール、香港、アメリカの9カ国です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?