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「数学の人」と「マナー講師」が嫌われる共通の理由

「応援」のための記事であること

この記事は「数学の人」と「マナー講師」が世間から(どちらかと言うと)嫌われている、ということを前提に展開するものです。そんなことはない、興味がない、という方はぜひ読まないでいただければと思います。一方、そうかもなぁ、ちょっと気になる、という方は最後までお付き合いいただければ。

誤解がないように先にお伝えしておきますが、この記事は決して「数学の人」や「マナー講師」の価値を下げるために書かれているものではありません。

もっとこんな「数学の人」や「マナー講師」が増えたらいいよね。そうすれば数学やマナーを学ぼうとする人が増えたり、その魅力がもっと世の中に伝わるからさ。

という気持ちで綴っています。

ここで表現した「数学の人」とは数学をしっかり勉強してきた人、数学の魅力や価値を伝えようとしている人、などを指します。おそらく「数学の人」はもっと多くの人が数学を好きになって欲しいし、難解な学問を学び続けることができたその能力をもっと認めてもらいたいと思っているはずです。

他方、おそらく「マナー講師」とはホテルや航空会社などでマナーの大切さを叩き込まれ、そのおかげでたくさん素敵な経験をしてきた方ではないかと想像します。マナーを知っておくことが、大切な人の前や人生の重要な局面においてどれほど助けになるか、ひとりでも多くの人に知ってもらいたいはずです。

ではそのためには何が必要でしょうか…? そんな視点での記事です。繰り返しですがご興味ある方だけ、最後までお付き合いください。


「数学の人」が嫌われる理由

例えば「数学の人」は、誰かが次のような発言(表現)をすると心がモヤモヤします。

『そんなこと、200%ありません!』

『そんなことは絶対にありえないです!』みたいなことを言いたいための表現であることは誰でもわかります。しかし「数学の人」の思考回路はこうです。

ちょっと待て。なぜ200%なのか。そもそも200%という数字の意味がわからない。絶対にないとは「ある」の可能性はゼロであることを意味する。だから本来は「100%ありません」で良いし、厳密にはそうでなければおかしい。わずかながら「ある」の可能性が残る局面ならば「90%ありません」と言えば良い。それならわかる。でも200%ないとはいったいどういう状態のことなのか。論理的に理解できる説明がないとこれは表現として成立しない。おそらくこの人物はそのような言葉の定義や厳密な意味など考えたこともない、割合というもが正しく理解できていない、言葉をちゃんと、正しく使うことができない、バカなやつなのだろう…  まったくもって嘆かわしい…

思わず笑ってしまう方も多いことでしょう(汗)。あなたのこの人物に対する印象を教えてください。実際に私の周囲に聞いてみたところ、このような言葉が返ってきました。とてもリアルです。

「ただのめんどくさい人」
「絶対に友達になりたくないタイプ」
「モテない人の典型」
「こういう人とディスカッションとかしたくない(怖)」
・・・・・

散々です(笑)
かくいう私も、世間的には「数学の人」と認識されています。学生時代には数学に没頭し、いまはその数学で得たものを使って人材育成の専門家として活動しています。上述の人物の思考回路は私にもあります。あのように言いたくなる気持ちも(実は)よくわかります。

しかし実際に言ってしまうのと、大人の余裕(?)を発揮し笑顔で流すのとでは大きな違いがあるように思います。もし私があの内容を相手にそのまま伝えてしまったら、おそらくその相手から嫌われるだけでしょう。
言っていることは(ある文脈においては)正しいとしても、人間が交わるこの世界においてそんな正しさなどまったく重要ではありません。そんな本質的でない細かいことにこだわる必要などなく、相手を許せば(赦せば)いいのです。

正しさを正義にした姿勢は人から嫌われます。そしてそれは長期的には、自分が損するだけです。「数学の人」はそのことがわかっているのかわかっていないのかは定かではありませんが、どうしても大人の余裕を発揮し笑顔で流すことが難しい人種のようです。結果、めんどくさい人だと思われ、人々から嫌われてしまうのです。

私も「数学の人」ですが、現実の人間と交わる際はあのような数学の厳密モードはスイッチをオフにしています。あんなことはどうでもいいのです。伝われば、感じ取れれば、なんでもいいのです。

私は「数学の人」がもうちょっとチャーミングになるといいのにと思っています。もちろん私もそのひとりです。あの内容は数学的には正しいかもしれないけれど、人間的には可愛げがありません。もっとチャーミングに、愛敬と余裕のある、常に相手を許せる(赦せる)人に。


「マナー講師」が嫌われる理由


ここからは話題が「マナー講師」に変わります。唐突ですよね(笑)  私は人材育成の業界にいるため、いわゆる「マナー講師」と呼ばれる職業をしている知人がいます。(ここでの知人とは仲が良い・悪いは一切関係ありません)

聞くところによると、世の中はマナー講師あるいはマナー研修が大嫌いな人がとても多いそうです。私としてはマナーは大事だと思いますし、同じ人材育成や研修業界の仲間として、マナー講師やマナー研修がもっと魅力的なものとして世の中に伝わって欲しいと心から思っています。

しかし、なぜかマナー講師は嫌われている。いったいなぜ?

実は「マナー講師」たちの普段の発言などから、先ほどご紹介した「数学の人」が嫌われる理由と同じ構造が存在するのではと思っています。あくまで私個人の考察と整理です。

マナー講師たちの普段の発言を見聞きしていると、実に「人のアラをつつくもの」が多いのです。

「〜をさせていただきます」「〜でよろしかったでしょうか」といった表現に彼らは敏感です。正しい日本語を使いましょう。間違った言い方だと声高に(ドヤ顔で)語っています。
あるいはプライベートで飲食店や公共の場で接客を受けたとき、正しい(?)作法で接客をされなかったとしたら、プロであるそのマナー講師はおそらく心がモヤモヤするでしょう。そのモヤモヤを晴らすかのように、友人や見ず知らずの誰かを前に、「なっていない」「ちゃんとしてない」「まったく失礼だわ」と声高に(ドヤ顔で)語っています。その言葉からは、次のように思っている様が透けて見えます。

言葉をちゃんと、正しく使うことができない、バカなやつなのだろう…  まったくもって嘆かわしい…

別に(ドヤ顔で)語るのは構わないと思います。ただ、不特定多数の人が見ているSNSやブログや影響力あるWEBメディアなどでそのような類の語りをしてしまうと何が起こるか。それを見聞きするたくさんの方がこう思ってしまうのです。

「こういう人ってめんどくさいよな」
「息苦しいよねこういう人」
「型にはめようとする時代遅れの価値観」
「こういう人と食事とか絶対にしたくない(怖)」
・・・・・

もちろんマナーは大切です。彼らの言っていることは(ある文脈においては)正しいかもしれません。しかし人間が交わるこの世界においてその正しさはまったく重要ではありません。そんな本質的でない細かいことにこだわる必要などなく、知らない人を、できない人を、ただ許せば(赦せば)いいのです。正しいかどうかなどどうでもいいのです。伝われば、分かれば、なんでもいいのです。

正しさを正義にした姿勢は人から嫌われます。そしてそれは長期的には、自分が損するだけです。「マナー講師」たちがそのことをわかっているのかわかっていないのかは定かではありませんが、どうしても大人の余裕を発揮し笑顔で流すことが難しい人種のようです。結果、人々から嫌われてしまうのです。

お気づきでしょうか。私は「数学の人」と「マナー講師」の2つの話において、同じ構造の存在を示しています。仮に両者が世間から嫌われているとするなら、その理由は実に似ているのです。

数学は人間にとってとても大切です。でも「数学の人」の印象が悪い。
マナーは人間にとってとても大切です。でも「マナー講師」の印象が悪い。

問題の構造が同じなら解決策も同じであることは論理的に自明です。もっとチャーミングに、愛敬と余裕のある、常に相手を許せる(赦せる)人になればいいのです。そうすれば数学という学問はもっと人々にとって魅力的に映り、ちゃんと学ぼうと思う人も増えるでしょう。マナーという作法はもっと人々にとって注目されるものになり、ちゃんと身につけようと思う人も増えるでしょう。


センスとチャーミングさを

まとめます。
私個人としては、日常生活のちょっとしたところで数学の厳密さ(マナーの正しさ)などを持ち出す方が“空気が読めていない”と思うものです。テキトーでいい場面とそうでない場面の分別がつかない。あえて厳しい言い方をするならセンスがないと思います。

正しさよりも、チャーミングさを。もっとテキトーに。もっと楽しく。もっとカジュアルに。「数学の人」も「マナー講師」も、みんな素晴らしい能力を持った人です。本質的でないところで嫌われているのは、とてもとてもとても損です。

冒頭で申し上げたように、私は決して「数学の人」や「マナー講師」の価値を下げようとしたわけではありません。

もっとこんな「数学の人」や「マナー講師」が増えたらいいよね。そうすれば数学やマナーを学ぼうとする人が増えたり、その魅力がもっと世の中に伝わるからさ。

という気持ちで言葉を綴りました。そのことだけは伝わっていると嬉しいです。

そういえばひとつ言い忘れていました。

「数学の人」と「マナー講師」には共通点があると申し上げましたが、「数学」と「マナー」にも共通点があります。いずれも、うまく付き合うことで人生を豊かにすることができるものだということです。やはり、嫌われるよりは好かれている方がいいように思います。


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