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【脱・レシピ】「4つのきほん」を知れば、どんなジャンルの料理も作れるようになる。

こんにちは、物語のある飲食店シェフのHayatoです。

このnote・マガジンを読んでいただいているということは、きっと毎日の料理を「たいへんだ」と感じているかと思います。
献立を考える・レシピを覚える・味のさじ加減がわからない。様々なことが原因で、料理に対して何かしらのマイナスな印象を持っている人は多いのではないでしょうか。

実は料理には、和洋中全てのジャンルに共通する考え方があります。

①料理のジャンルを決める「4つのきほん」
②味を決める「5つのきほん」

プロの料理人は、この2つの考え方と9つのきほんを駆使して、日々料理を作っています。

今回は、①料理のジャンルを決める「4つのきほん」をお伝えします。
この「4つのきほん」をマスターすると、一つの食材で何百通りものレシピを作ることができるようになります!

このマガジンを通して料理のきほんを学び、もっと簡単に、みんなが喜ぶ料理をつくりましょう!


アウトライン

0. 筆者 物語のある飲食店シェフ Hayatoについて
1. 料理のジャンルを決める「4つのきほん」
2. きほんその1
3. きほんその2
4. きほんその3
5. きほんその4
6. まとめ


0.【筆者 物語のある飲食店シェフ Hayatoについて】

20歳で食の世界に飛び込み、弱冠22歳で副料理長就任。
24歳でミシュラン一つ星の名店に誘いを受けるも、悩んだ末アドテクノロジーのベンチャー企業に就職。
現在はマーケティングエージェンシーでプランナーとして勤務する傍ら、月に一度の飲食店「HAYA's 物語のある飲食店」を運営。

わたしの活動や経歴については、また改めてお伝えできればと思います!

1.【料理のジャンルを決める「4つのきほん」】

料理のプロセスには焼いたり、煮たり、炒めたり、揚げたり、ご存知の通り様々な方法がありますよね。
このプロセス、たくさんあるように感じますが大別すると4つの要素しかないんです。

⑴ 火
⑵ 空気
⑶ 水分
⑷ 油

料理は、これら4つの要素が複雑に絡み合っているだけなんです。
では、ひとつひとつ解説していきますので一緒に紐解いていきましょう。


2.【きほんその1  「火」 】

まずは火について。料理において最も重要な要素で、空気・水分・油、残りの3要素はこの火を中心として料理がはじまります。

生物学では、「言葉と道具と火を使うのが人間である」と定義づけられているそうです。火を扱えるというのはすごい技術なんですね。
(余談ですが、料理人の世界に教えるという概念はありません。言葉を扱わない料理人は人間ではないのかもしれないです。)

料理人の中には「火を使わない料理はそもそも料理ではない」と過激なことを言う人もいます。ソースを基本とするフレンチは、特にこの気質が強かったりします。

実際にはフレンチにも火を使わない料理は山ほどあるので、料理において火は重要なんだよ、ということを伝えたいのでしょう。

そんな火ですが、実際には火を使うだけで出来上がる料理はありません。
勘がいい方は、ステーキとか焼肉はどうなるの?と思ったかもしれません。
確かに一見すると、火だけでひとつの料理ができるのでは?と思います。

ポイントは、火と食材の間にある空気。
火の強弱と空気の量・キョリによって、料理は変わっていきます。


3.【きほんその2  「空気」 】

具体的な例を見てみましょう。

■食材が肉の場合
空気が少ない・強火:グリル
空気が多い・中火 :ロースト
空気のみ     :干し肉
空気の質を変えると:燻製(ベーコン)

グリルとローストの違いって何?と思っていた方、結構いらっしゃるのではないでしょうか。
上記のように、空気の量と火の強さの違いなんですね。
鉄板や網などを使って直火に近く(空気が少ない)強火で焼き上げるとグリル、オーブンを使って(空気が多い)じっくり火を通すとローストになります。

というわけで、火単体では料理はできず、空気の量・キョリが料理を決めていることがわかりました。
では、空気を多く含んで加熱した肉料理は、ローストや干し肉、ベーコンだけなのでしょうか。

一般的に、食材は必ず水分を含んでいます。肉なら血液、野菜なら水という具合に。したがって、水分を逃げないようにして火を加えれば、蒸し焼きができます。水分量が増えていくと蒸し焼きから蒸し煮、蒸し煮から煮物(茹でもの)へと料理が変わっていきます。

火と空気、そして水分を扱うとさらに料理の幅が広がっていきそうですね。


4.【きほんその3  「水分」 】

さて水分ですが、食材の水分以外にも、料理をするときにはいろいろ使いますよね。そう、調味料です。

酢とか醤油とか、だし汁とか。お酒なんかもあります。
どんな水分を使うかで、料理のジャンルが決まっていきます。

赤ワインやバルサミコ酢を使って牛肉を煮込めば洋食の定番、ビーフシチューになります。生クリームで煮込めばクリームシチュー。
全く同じ食材で酢や醤油、みりんを使って煮込めば肉じゃがの出来上がりです。(肉じゃがの起源はビーフシチューなのですが、意外と知られていない?)
酒に紹興酒を使えば、中華・広東料理の牛肉の醤油煮になります。
インドでは水とスパイスで煮込みカレーを生み出しました。

スパイスのように、液体に溶ける固形物・調味料を加えてその国独自の料理に仕上げていきます。
水分は味の決め手となる要素だったんですね。


5.【きほんその4  「油」 】

同じ液体でも「水と油」ということわざがあるように、油は性質が異なります。別物と考えたほうが賢明でしょう。

油が少なく火が強ければ、煎りもの・炙りもの。
強火のまま油が増えていくと、炒めもの・揚げものになります。また、炒めものと揚げものの間にはポワレがあります。
火が弱いまま油が増えるとコンフィ。

コンフィ・ポワレのような、油を使った少し特殊な調理方法はまた別の機会に解説しますね。

ジャンルごとの油はみなさんご存知かと思います。
中華には言わずもがなごま油が使われますが、和食も基本的にはごま油を使います。日本語や漢字が中国語が起源であるように、和食の起源は中華だからです。言語とともに料理の技法も、一つの文化として継承されたようですね。
フレンチならバターを、イタリアンならオリーブオイルをメインに使用し料理していきます。


6.まとめ

これまで学んできた通り、料理とは

⑴ 火 
を中心に料理がはじまり、

⑵ 空気
⑶ 水分
⑷ 油
の3要素の量が変化していく過程を経て、様々な料理が作られいていることがわかりました。

そして、料理を下から支えるものとして、料理以前となるナマものの世界もあります。
この4つのきほんとナマものの世界は、下記のような図形で表すことができます。

火と空気が関係する料理:焼きものライン
火と水が関係する料理 :煮ものライン
火と油が関係する料理 :揚げものライン
火を必要としない料理 :ナマものの世界

それぞれのラインで、火の頂点に近づいたり遠くなったりすると料理が変わっていきます。

この図形のどこかに、いま存在する料理・これから生まれる料理がすべて含まれているんですね。

つまり、この図形のどこに食材を置くか、置く場所を変えるだけで、料理のバリエーションが無数に増えていきます。
昨日作った料理、あるいは今日作る料理はきっとどこかに位置していますよ。

以上が、料理のジャンルを決める「4つのきほん」でした!
次回は、味を決める「5つのきほん」をお伝えしようと思います!

それでは。

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