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パン屋はやめとけ?需要・将来性をデータとイラストで可視化してみた【市場分析】

残り10

どもー。
分析太郎です。

今回はパン屋の
市場分析レポート
です。

仕事の将来性を把握する上で
市場分析は必要不可欠です。

起業するにせよ転職するにせよ、
将来性を把握しておかないと、
キャリア選択で痛い目を見ます。

なので分析太郎が、
データとイラストを駆使して、
将来性を分析しました。

それでは、見ていきましょう。

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パン屋の将来性


まずは需給バランスを理解する

前編では、パン屋業界の
将来性を確認していきましょう。
その前に、需給バランスについて説明します。

世の中には様々な市場があり、
その中でお金が取引されています。

そして市場の中には、
供給(事業者)需要(お客様)
存在します。

これらを釣りで例えるなら、
市場=釣り堀
供給=釣り人
需要=狙っている魚
と言えます。



そして、需要と供給にはバランスがあります。
イラストにするとこんな感じです。



本レポートでは、
八百屋市場が4つのうち
どこに分類されるかを、
行政機関と業界団体のデータを
フル活用して考察していきます。

それでは、本題に話を移しましょう。


パン屋の市場規模

それでは最初に、
パン屋業界の
市場規模を確認しましょう。

経済センサス(総務省・経済産業省)の
データによれば、2021年のパン小売業の
市場規模は2.1兆円、推移は2016年比で
減少傾向
でした。
グラフを作成しました。


パン小売業の市場規模推移(2012~2021・9年間)
出典①:H24 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典②:H28 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典③:R3 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)


12~16年で47.9%増加してましたから、
恐らくコロナの影響もあり、
業界全体の売上がガクンと
落ちたと考えられます。

それでは、
事業所数別で見てみましょう。

上のグラフを、
1事業所だけで経営しているところと、
複数の事業所を抱えて経営しているところで、
分類してみました。

グラフを作成しました。


事業所数別・売上高の推移(2012~2021・9年間)
出典①:H24 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典②:H28 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典③:R3 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)


単独事業所(青)は、
マイナスしていないようです。

複数事業所に関しては、
12~16年で70%以上成長したので、
16~21年でその跳ね返りがあったと
言えるでしょう。

あの神戸屋も小売事業を
規模縮小していますから、
影響は大きかったと言えそうです。



では、
一事業所当たりの売上高は
どのように推移しているでしょうか。
グラフを作成しました。


パン屋一事業所当たりの売上高の推移(2012~2021・9年間)
出典①:H24 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典②:H28 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典③:R3 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)


これは後で見ていきますが、
パン屋事業所数の変動が
大きく影響していると
考えられます。

ところで調べていて
こう思いました。

「パン屋って平均で年2,000万も売るんだ…」

気になったので深掘りします。
僕がイメージする個人のパン屋さんは、
自分で作って自分で売る、つまり製造小売
パン屋さんです。

経済センサスの産業分類では、
H28年まで「パン小売業(製造小売)」という
詳細分類がありましたので、この分類で、
かつ単独事務所のデータを確認しましょう。

表を作成しました。


H28年のパン屋一店舗当たりの売上高
出典:H28 経済センサス 活動調査(総務省・経済産業省)


製造小売で単独事務所、つまり
自分で作って自分で売る個人のパン屋でも、
やはり年間2,000万近く売り上げる
ようですね。
少し驚きでした。

同規模の市場には
下記が挙げられます。

  • レンタカー(6,480億円)

  • スポーツ教室(6,510億円)

  • 冷凍食品(7,130億円)

国内市場の立ち位置としてはこのあたりです。


国内市場におけるパン小売市場(単独事業所)の立ち位置
出典:市場規模マップ


この市場で、需給バランスは
どうなっているのでしょうか。



確認していきましょう。


パン屋市場の供給の推移

それでは、パン屋市場の
需給バランスを確認しましょう。
まずは供給から確認します。

パン屋の数がどのように
推移しているか見て見ましょう。

グラフを作成しました。


パン小売業の事業所数の推移(2012~2021・9年間)
出典①:H24 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典②:H28 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典③:R3 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)


総事業所数は、
2016年と比較して、
9.5%減少していました。

従業者数の推移も確認して見ましょう。
グラフを作成しました。


パン小売業の従業者数の推移(2012~2021・9年間)
出典①:H24 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典②:H28 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典③:R3 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)


事業所数も従業者数も、
12~16で急成長して、
16~21年で縮小しているようです。

では、需要はどう
推移しているでしょうか。
確認していきましょう。


パン屋市場の需要の推移

それでは、
パン屋市場の
需要を確認しましょう。

ここでは
・パン購入金額の推移
・パン購入数量の推移

について、お米と比較しながら
確認して見ましょう。

まずはパン購入金額の推移についてです。
表を作成しました。


パンと米の世帯あたり年間平均購入金額の推移(2000~2022・22年間)
出典:家計調査(総務省)


日本人はお米よりも
パンに多くお金出してるんですね…。
驚きです。

2000年の値を100とした場合の、
指数の変化はこのような感じです。
グラフを作成しました。


パンと米の世帯あたり年間平均購入金額(指数)の推移(2000~2022・22年間)
※2000年を基準年とした場合

出典:家計調査(総務省)


差は開く一方ですね。
2000年からの約20年間で、
パンの年平均購入金額は20%ほど増え
お米のそれは50%ほど減少しています。
パンの需要は増えつつあると言えます。

それでは、
購入数量も確認しましょう。
表を作成しました。


パンと米の世帯あたり年間平均購入数量の推移(2000~2022・22年間)
出典:家計調査(総務省)


こちらも、差は開く一方のようです。
パン購入数量に大きな変化はありませんが、
お米はやはり減少し続けています。

2000年の値を100とした場合の、
指数の変化はこのような感じです。
グラフを作成しました。


パンと米の世帯あたり年間平均購入数量(指数)の推移(2000~2022・22年間)
出典:家計調査(総務省)


このままの推移が続けば、
さらパンと米の購入数量には
大きな差が開くでしょう。

では、コロナ禍を経て、
直近ではどう推移して
いるでしょうか。

一般社団法人 日本パン工業会と
農林水産省のデータから、
2021/1~2023/8のパン生産量の
推移を確認しましょう。
グラフを作成しました。


パンの生産動向の推移(2021/1~2023/8・2年8ヶ月間)
※「学給パン」を除く一般向け生産量をもとに作成

出典①:パン類の月別生産数量(一般社団法人 日本パン工業会)
出典②:R5.3 食品製造業の生産動向(農林水産省)
出典③:R5.4 食品製造業の生産動向(農林水産省)
出典④:R5.6 食品製造業の生産動向(農林水産省)
出典⑤:R5.7 食品製造業の生産動向(農林水産省)
出典⑥:R5.8 食品製造業の生産動向(農林水産省)


2023年に入っても、
パンの生産量は2021年水準まで
戻っていないようです。
今後どう推移していくか、
見守る必要がありますね。


分析太郎の結論

まとめると、
パン屋市場の
需給バランスはこうです。

  • 供給:事業所数も従業者数も2016年から減少傾向。

  • 需要:2000年時点と比較すると、世帯あたり年平均購入金額・数量ともに増加しているが、コロナ禍以降、パンの生産量が増えていない。

結論を出しますね。
冒頭の需給バランス四分類で言えば、
ここに当てはまりつつあるのでは
ないでしょうか。



パン屋市場の予測需給バランス



いかがでしたでしょうか。
ただ、これは日本全体の需給バランスであり、
当然ですが地域によって偏りが生まれます。

日本は他国と比較しても、
地域によって文化が消費性向が
段違いに異なります。

従って、
日本全体だけでなく、
さらにお住まいの地域についても
詳しく分析する必要があります。

そこで後編からは、
パン屋市場のレッドオーシャン・
ブルーオーシャンな都道府県

特定していきます。


都道府県別のパン屋の希少価値ランキングを作成しました
都道府県ごとのパン屋一店舗あたりの人口を求めました
お住いの地域はいかがでしょうか



47都道府県のレッドオーシャンブルーオーシャンを特定しました
お住いに地域はどこに分類されているでしょうか


パン屋のブルーオーシャン・レッドオーシャンを特定しました
お住いに地域はどこに分類されているでしょうか



青と赤で塗分けしています


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ここまで読んでくださった皆様が、
キャリア選択で後戻りできない、
取り返しのつかない状況にならないことを、
心から願っています。


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