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1月期ドラマ『不適切にもほどがある!』/クドカンがTBSの金曜日に帰ってくる

あの日から待ち望んでいた、地上波でのクドカン脚本連続ドラマ。“あの日”とは、長瀬くん最後のドラマとなった『俺の家の話』が最終回を迎えた日のことだ。

仕事の件でまだ鬱々としている月末、来年1月期にクドカンの連ドラが始まるというニュースを読み、小躍りした。ああ、よかった。またこれを糧に来年まで生きていける。

主演は阿部サダヲさん。役どころは、1986年からタイムスリップしてきた中学校の体育教師だという。昭和のイメージそのままの教師ということは、モラル的に令和では完全にアウトってやつ。そんな主人公が、厳しいコンプライアンスの中でどう生き抜くのか。

私はバブルがはじけた後から始まるいわゆる就職氷河期組で、普通の安定をあまり知らずに生きてきた。大学時代から仲の良い数人の友達は、みんな公務員と団体職員になった。

堅実な友達に囲まれ、私だけ潰れそうな会社に就職したり(実際2つは潰れました)実家に引っ込んだり、旅に出ちゃったり、個人事業主になったりバイト生活したり、何十年もフラフラしているのである。性格がひん曲がるのも仕方ない。と、一応自分を肯定。友達からは、たまに生存確認の連絡が来る。生き方を否定せず、わがままや愚痴を言っても相手をしてくれ、ゆるく応援してくれる彼女らには感謝しかない。まあ半分面白がっている様子ではあるけど。

クドカンは、そんな自分と同世代。まるで生きた証のように、昭和や平成時代をおもしろ可笑しく作品に取り込むセンスには、これまでも救われてきた。彼の作品を観るたびに、この人と同じ時代に生きられて本当によかったと思う。クドカンがいなくなったらどうしよう……。

さて、ドラマの概要をもう少し。阿部さん演じる昭和の体育教師・小川市郎が、2024年にタイムスリップ。そこで、テレビ局に勤めるシングルマザーの犬島渚(大島じゃなくて、犬島なのね)と出会い、物語が展開していくらしい。犬島渚を演じるのは仲里依紗さん。ああ、『離婚しようよ』を観ていない。ネトフリを契約するとたぶん仕事そっちのけになるので、怖くて契約できなくて。わたし的には、せいぜいアマプラまでなのだった。

他の共演者は、今期ジルベールで忙しい磯村勇斗さんと、もしも小説『雲を紡ぐ』をドラマ化したら……という、妄想キャスティングで主人公の母親・真紀に抜擢した(!)吉田羊さん。磯村さんは、あるアイドルに憧れながら昭和を生きるムッチ先輩、吉田さんはフェミニストの社会学者で、昭和にタイムスリップしてしまう向坂サカエを演じる。

クドカンが寄せたコメントの中で、いちばん頷いたのはこちら。

市川森一先生がご存命だったら、こんなタイトルを付けたんじゃないでしょうか。
『正しいのはお前だけじゃない』
自分と違う価値観を認めてこその多様性。

ドラマ『不適切にもほどがある!』公式サイト/コメントより一部を抜粋

なんだか胸がスカッとしている。クドカンが、令和を生きる私たちに伝えたい”多様性”とは。

なお、公式サイトにはクドカンや出演者のコメントと共に、プロデューサーである磯山晶さんのことばもある。

昭和の意識低い系主人公・小川市郎を阿部サダヲさんに演じてもらえることになり、心の底から楽しみです。阿部さんだったら、今は言っちゃダメだけど、本当はちょっと言ってほしいことを言っても許されるキャラクターにしてくれるはずです。
阿部サダヲさんという役者を一番光らせるのは、宮藤官九郎脚本だと心から思うし、そんな阿部さんと宮藤さんの信頼関係のフルスイングを間近で見られるなんて幸せです。

ドラマ『不適切にもほどがある!』公式サイト/コメントより一部を抜粋

  
これはますます楽しみ。

キービジュアルが明星風なのもおもしろい。こうして見ると、磯村くんはレッツゴーヤングに出ていても違和感なさそう。はぁー、1月の放送って何日から? 早く観たい。このドラマを観るまでは、がんばる。がんばるんだ。


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