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朝ドラ『エール』で見た吉岡秀隆さんの凄み。【追記あり】

ついに、朝ドラに永井隆博士(ドラマでは永田武)が登場した。演じるのは吉岡秀隆さんだ。

思い返せば吉岡さんは、『男はつらいよ』の満男、『北の国から』の純(一番好きなのはやっぱり『’87初恋』……。れいちゃんが可愛くて&尾崎豊の歌が沁みて&泥のついた一万円札&古尾谷さんのセリフ! まさかその15年後、れいちゃんが真珠夫人になるなんて思わなかったけど)と、その成長を昭和生まれの多くの国民が見守っていた存在だ。

どちらかといえば張りのないボソボソと発する声。彼独特で、優しいような不器用そうな雰囲気をまとっているけれど、役柄によってはその声と目力が凄みになるからすごい。すでに白血病で床に臥せっている博士の発することばひとつひとつに重みを持たせ、目には怒りや悲しみが表れていた。

【午後追記 10.23】
今日の『エール』を視聴。「人々の希望」について語る博士は、慈愛に満ちた顔だった(涙)。はあぁ、良き。

※原爆が投下された直後から治療にあたる博士の傍には、和田さんと彩佳さんも居そうだったね……と、ちょっとだけ思ったりもした(Dr.コトーファン目線です。お許しを)。

***

10年前、映画『ゴールデンスランバー』で主人公・青柳を演じた堺雅人さんのインタビュー、あるいは番宣のトーク番組だったと思う。青柳の友人・森田を演じた吉岡さんとはドラマ『Dr.コトー診療所』の第2シーズンで共演。堺さんはコトー先生の号泣シーンが印象的だったため、「どうやったらそんなに号泣する演技ができるんですか?」と質問したことがあったという。

それに対する吉岡さんの答えが「役の状況をすごく客観的に考えるよね」だったことから、堺さんは「僕はこの人に一生敵わないなと思った」という話。堺さんとしては「ちょっと演技をズルしようと思って聞いた」のに、答えがあまりにも真っ当で実直なものだったからだ。質問された本人は、数年後にそのことを言われてもまったく覚えていなかったらしいが。

私はこのエピソードがけっこう好きで、今でも頭の片隅に残っている。

吉岡さんの出演作で個人的なお気に入りは(コトー先生など有名なもの以外で)、映画『小さいおうち』(板倉役)、NHK BSプレミアムの山口発地域ドラマ『朗読屋』(主人公・西園寺役)あたりだろうか。特に後者は、録画しておいたものを眠れない夜に何度も観てしまう。どこかで観る機会があればぜひ。

先述の『ゴールデンスランバー』は、主人公が仙台の街を逃げて逃げて逃げまくる中、今まで積み重ねてきた人との信頼関係を確信するところとか、生きていればどうにかなると思わせてくれるところとかが好きで、円盤を買ってしまった映画。劇中の父親役・伊東四朗さんと母親役・木内みどりさんがこれまたいいので、ひっぱり出してきて週末また鑑賞しようと思っている。

163ゴールデンスランバー



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