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大河ドラマ『光る君へ』全国巡回展と、清少納言の父ゆかりの地・熊本

ドラマの世界を垣間見る全国巡回展

先週、大河ドラマ『光る君へ』の巡回展へ足を運んだ。正直、7月の後半から続く猛暑で行くのを悩んだ。毎日37度前後の気温はさすがにこたえる。極力外を歩かないために、NHK熊本放送局に最も近い桜町バスターミナルまでバスで行き、そこからエアコンの効いた複合施設の中を歩いて花畑広場を横切る。その間、通町筋や熊本城方面へ行くのか、戻っているのか、多くのインバウンドとすれ違った。みんな元気だよなあ。今は安く遊べるから、というのもあるだろうけど。

館内にはまひろがドドーン。

ドラマがまだ放送中、しかもゆかりの地にはドラマ館があるということで展示は少なめ。それでも、撮影現場をVRで楽しむことができるVR体験コーナーには長蛇の列ができていた。まひろを演じる吉高由里子さんのVTRを流すコーナーには人が群がり、人気ぶりをうかがわせた。

サインや動画など以外は撮影OKだった。

時代背景や物語のパネル展示、ドラマで使われた衣装のレプリカ、出演者のサインやアクスタ、照明へのこだわりを説明するジオラマなどもあった。印象的だったのは、まひろと道長の交わした恋文。やわらかなかな文字の道長の文と、まひろが返した漢詩。燃え上がる道長の気持ちと、この世を変えてほしい、それができるのはあなただけだというまひろの気持ちが交差するやりとりを見返しながら、「ここから、ずいぶん二人とも大人になったよなあ」としみじみ。

アクリルに反射するので撮影がなかなか難しい(笑)。
まひろが道長に送った漢詩。

VR体験に使われていたのは、序盤の見せ場のひとつ「五節の舞」の撮影現場。私は三半規管が少々弱いので、これまでVRは敬遠してきたが、5分程度なので挑戦してみた。やはり少しふわっとしたけれど、目の前で撮影を見ているような臨場感を楽しめた。

清少納言の父・清原元輔は肥後守として熊本へ

展示の入口付近には、地元放送局独自のパネルも2つ用意されていた。1つは、竜星涼さんが演じる藤原隆家と菊池一族との関わりについて。そしてもう1つは、清少納言の父・清原元輔きよはらのもとすけが、晩年を熊本で過ごしたことなどを視聴者のお便りで知った局が、取材したものだ。そうだ、いつだったか藤崎八旛宮の参道沿いにある老舗「くさは餅本舗」が、元輔にちなんだ最中もなかを製造しているということで地元の新聞に取り上げられていた。私はその記事を読んで初めて、清少納言の父がここに住んでいたことを知ったのだった。

歌人でもある清原元輔は、986年(寛和2年)に肥後守に着任。ある正月に、藤崎八旛宮で長寿を祝う「子の日の松ねのひのまつひき」という行事を催し、その際に詠んだ歌がこちら。境内には歌碑も建てられている。

藤崎ふじさきのきいわおふるまつ いま幾千代いくちよ日過ひすぐさむ

※読み方は、熊本日日新聞の記事より抜粋

この歌にちなんで、日頃の健康と長寿の願いを込めてつくられているのが、最中「子日松こいまつ」である。

これは巡回展の帰りに寄るべきではないかと不思議な縁を感じたが、なにしろ暑い! 最寄りのバス停からどれぐらい歩くのか調べると、徒歩5分かからない。5分以上だったら諦めて、違う季節に来るつもりだった(笑)。そんなわけで、バスターミナルに一旦戻って目的地に行くバスの乗り場へ。昔から方向音痴の私は、空港もバスも列車も、ターミナルの中で迷子になる。乗り場が分からなくて、人に尋ねることなんてしょっちゅうだった。それが、今やGoogle Mapのおかげでスイスイじゃないか。なんて便利な世の中なのだろう。新しい発見は少ないけれど。

「くさは餅本舗」は、屋号のとおり「くさは餅」が有名な店。餅がやわらかく、きなことの相性もいい(きなこがついていないものもあります)。

個人的にはきなこ付きが断然おすすめ。

店頭販売のほか、店内では飲食のメニューもある。季節限定ものを含めると、ぜんざいや雑煮、かき氷、おこわ膳などが食べられる。広くはないが緑を眺める落ち着いた店内は、この辺りではなかなかない風情。藤崎宮に参拝するならもちろん、上乃裏あたりからも徒歩6、7分なので、立ち寄るのをおすすめしたい。店頭販売はけっこう売り切れるので、早い時間の方がいいと思う。

ついつい買ってしまった……。
包装紙(袋)も、ちょっとレトロで好き。

店を訪れると、奥の飲食コーナーはほぼ満席。みんな氷やおこわ膳を食べていた。私はくさは餅と子日松最中だけ買うつもりだったが、えだ豆コーンおこわに目を奪われて購入して帰った。くさは餅と雑煮は何度も食べたことがあるが、最中とおこわは食べたことがなかったので興味津々。帰宅してひと風呂浴び、ようやく遅めの昼ごはんだ。

つやつやのおこわに、季節のえだ豆とコーン。

鮮やかなえだ豆とコーンの組み合わせが、宝石箱(彦摩呂さん、元気かしら)のようだった。そうめんと一緒に味わい、デザートに最中とくさは餅。よう食べられるなあ。

子日松最中には、北海道産大納言小豆を
じっくり練り上げた餡がぎゅぎゅっと。

これで健康、ご長寿間違いなし。ちなみに、元輔はこの地で83歳で亡くなったというから、当時としてはかなりのご長寿だったのではないだろうか。

NHK熊本放送局が取材したものは、こちらで読むことができます。


来場者にはクリアファイルが配布され、アンケート回答などでどーもくんグッズがもらえました。

いただいたクリアファイルと、
どーもくんのマスキングテープ&メモ帳など。


ドラマの方は、週末いよいよ『源氏物語』爆誕か!?  2週間待たされたので、じっくりとドラマを楽しみたい。今日も37度とか38度とか言っているけど、ツクツクボウシが鳴いているので、夏も後半に入っていると思いたい(笑)。


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