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笠智衆さんへとつながる不思議/俳優・緒形拳さん

11月27日(金)の『徹子の部屋』に、俳優・緒形拳さんの長男・緒形幹太さんが出演することをその前日に偶然知り、慌てて録画予約した。同じ27日の昼、たまたま流れていたNHKの番組で高橋克典さんが緒形拳さんとのエピソードを話し始め、「何だ、この偶然は。今日は緒形拳デーか!?」と驚いてしまった。

だが、まさかの続きがあった。その夜『A-Studio+』が佐藤浩市さん出演回だったので視聴していたら、またもや緒形拳さんとのエピソードと写真が登場。なんて日だ!  ブラックフライデーどころじゃないよ!! と大興奮の一日になった。

緒形拳さんはとても好きな役者さん。今年13回忌とは、時が経つのははやいものだ。

『徹子の部屋』では過去に拳さんが出演した回が一部放送され、家での素顔を幹太さんが語った。


緒形拳さんには、私が不思議な縁を感じている俳優・笠智衆さんとの逸話がある。

その話は笠さんに関する著書で知ったと思っていたのだが、手元にある本をちょっと読み返しても出てこなかった。あれ? どこで知ったのだろう。何かの雑誌だっただろうか。

まあとにかく。

拳さんは自然体で存在することそのものが演技となるのを理想としていて、ずっと笠さんに憧れていたそうだ。そんな彼は笠さんを「ライバル」と言ったことがあり、それを謝りたいと、あるとき本人の自宅を訪ねる。笠さんが書を嗜むのを知っていた拳さん。色紙に「何か書いてほしい」とお願いすると、笠さんは“山川草木”と書いてくれた。そこに「印も押してほしい」と拳さんが頼むと、銀行印をポンと押してくれたというもの。

逸話を知ったとき「笠さんに憧れていたなんて」とうれしくなり、ますます緒形拳さんを好きになった。

今、改めて調べたら、それに関する情報が少しだけここに書いてあった。ほぼ日は10年ぐらい読んでなくて、気づかなかった。


晩年の緒形拳さんに笠さんのたたずまいを思わせるものがあったのは、そのためなのだろう。ちなみに笠さんが書いた“山川草木”は、写真集「おじいさん」の冒頭にも書かれている。


そんないきさつから、緒形拳さんを思い出すと笠智衆さんも思い出すわけで。

過去のVTRとはいえ、拳さんを拝見できて本当によかった。

実はここ数日、これから先のことで少々気分が落ち気味だったのだ。「どこかで見られているのか!?」と思うぐらいのこのタイミング。運命としか言いようがない(と思わせてくれ  笑)。

笠さんの著書と写真集は手元にあるが、残念なことに拳さんの書籍はない。これを機に探してみようかな。

現在、緒形拳さんの企画展が「横浜市歴史博物館」で開催されている。12月6日(日)まで。

ついでに、東海大学内に「緒形拳研究会」なるものがあることを知った。これはなかなかの収穫。早稲田大学に「さだまさし研究会」があることを知ったとき以上の驚きだ。

話は少しずれるけれど、笠さんの著書を少し読み返していたら、中井貴一さんのお父上・佐田啓二さんが笠さんたちと蓼科でゴルフをした翌日に事故で亡くなった話も読み返すことに。

中井さんが結婚会見で、「自分は父親の年齢まで生きられないんじゃないかと思っていたところがあり、なかなか結婚する気にはなれなかった。でも父の年齢を越えて考えが変わった」と話していたのが、痛烈に印象に残っている。

私の母はいつも手厳しいが、「佐田啓二はほんとに美男子で男前で、演技も好きだった」と事あるごとに何十年も言い続けている。母にとって記憶に残る俳優なのだろう。

先述の佐藤浩市さんも、番組の中で「俳優は記録に残っても仕方ない。記憶に残らなければ」と話していて、それが役者冥利というものなのだろうなと思った。


私と笠智衆さんの不思議な縁についてはこちら。

11月27日(金)放送の『徹子の部屋』は、TVerでも12月4日(金)12時30まで視聴可能。

★このnoteのヘッダー画像は、嘉穂劇場が2003年の水害で浸水した際、芸能人らが集って募金を呼びかけた募金箱に書かれた緒形拳さんのサイン。以前劇場を見学したときに発見し、うおおおおーーーーっと興奮して撮影したものです(笑)。

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