マガジンのカバー画像

文学と古書

48
文学と古書の記事を中心に。
運営しているクリエイター

#藝術

この世の果てまで後をつけるといふと、その人を殺してしまふしかないんだからね。川端…

川端康成の小説に、『みづうみ』という小説があって、これは所謂川端康成の「魔界」を描いた小…

雪雪
10か月前
20

塚本邦雄の暗黒小説 『父さん鵞鳥嬉遊曲集』

塚本邦雄といえば、絢爛たる短歌の大家であるが、そんなツカモンは小説もいっぱい書いていて、…

雪雪
9か月前
19

書店の文学コーナー、エンカウント率低すぎ問題

私は本屋さんを愛している。本屋さんか映画館さんが落ち着くのである。 本屋に行くと、まずは…

雪雪
1年前
31

小説家の誕生と死亡 久坂葉子

小説家志望の方は巷に溢れている。 恐らくは、日々したくない仕事で糊口をしのぎ、空いた時間…

雪雪
1年前
27

蝙蝠か燕か 没後弟子の矜持/西村賢太

西村賢太氏の『蝙蝠か燕か』を購入して読む。 方方の書店を巡ってようやくゲットしたが、発売…

雪雪
1年前
17

貧乏で書くか、金持ちで書くか。

川崎長太郎は私小説家であり、住んでいる家に激烈なインパクトを齎す作家である。実家の物置、…

雪雪
1年前
19

虐待文学『にんじん』 を食べて強くなるということ 

虐待文学、という類の小説群が存在する。 或いは、絵画、漫画、映画、アニメーション、汎ゆる文化に、虐待を主とした作品が存在する。 少し前に、『親ガチャ』という言葉が流行していたが、まぁ、人間は不公平に産まれてくるため、最初の環境の時点で幸運な人、不運な人というのはいる。 幸運な人の言い分は、「その人には、その人なりの苦労がある」、というものがあり、幸不幸は主観だといえばそれまでだが、然し、幼い頃に虐待を受けている、乃至は毒親に支配されている人の辛さは、幸運な人の生き辛さなど

読者と作者

小説の書き方に関して、様々な人の意見があり、その中には、読者を想定して書くこと、読者に伝…

雪雪
1年前
14

耽美派 マンディアルグとツェリードニヒ

『HUNTERXHUNTER』が絶賛休載中(掲載媒体が変わるので、もうジャンプでは読めないようだが)…

雪雪
1年前
17

小説を書くという難事業

映画は総合芸術と言われる。様々な要素が内包された複数の次元を有した藝術である。そして、複…

雪雪
1年前
27

『少年の日の思い出』という、国民がほぼ読んでいる傑作

以前もnoteで書いたが、私はヘルマン・ヘッセの『少年の日の思い出』が大好きで、今作は中学校…

雪雪
1年前
13

エンターテインメント駆逐

エンターテイメント小説、所謂エンタメ小説は儲かる分野だ。 それは、エンタメが慰安の為に存…

雪雪
1年前
21

文学における美神とは

私の好きな小説家の作品は、同性愛に関しての記述が多い。 それは、同性愛というマイノリティ…

雪雪
1年前
19

ラヴレター

『文壇バー風紋青春期 何歳からでも読める太宰治』を読了した。 つい2日ほどまでに購入した本だが、一気に読ませて頂いた(遅読なのだ……)。 私は作者の南田偵一さんをnoteで識っていたので購入した。 今作は大きく3部に分かれている。 第1部は表題のごとく、年代別に相応しいと思われる太宰作品を南田さんが紹介。 第2部は本作のメイン、南田さんが文壇バー風紋という異界へと太宰治に誘われて、異界の住人になる回顧録。 第3部は風紋の主人林聖子さんの御母様の富子さんの短歌75首。 と