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【第3話】網膜剥離闘病記 ~網膜剥離になりやすい人の特徴。手術は滅茶苦茶痛い!?~



入院の準備は心の準備も忘れずに。

職場への報告と心の準備

 1月19日、出社してまず会社に網膜剥離であることを報告し、その手術、入院のため3日間の休暇を申し出た。術後の経過次第で退院が延びる可能性もあるとのことなので、その旨も伝えた。
 入院までの4日間で視野の欠損範囲は少し広がり、右目の視野は左側3分の1ほどが見えなくなっていた。それでも手術に関してはあまり前向きにはなれていなくて、入院までの数日間は憂鬱な時間が流れていた。これまでは手術や治療開始までの期間にあまり悲観的に考えることがなかったが、今回は別だった。視力を下げに病院へ行くことがほぼ確定しているからだ。どうしても網膜剥離を治す希望よりも視力が大幅に落ちる絶望が勝ってしまう。
 担当医のS先生からは手術までに急激に視力が落ちたり、視野欠損が広がった場合はすぐに病院に連絡するように言われていたが、それはおそらく黄斑部まで剥離が進んでしまうということを指していて、そこまで症状が進んでしまうと手術が成功しても視力が矯正できなくなってしまう。
 なるべく剥離の進行を抑えようと、関係があるかどうかは別としてコンタクトレンズの使用をやめ、排便の際もあまり力まないようにした。毎日の習慣になっていた飲酒もとりあえずやめてみた。

入院準備で買い物へ

 1月22日、入院前日の日曜日は仕事が休みだったので、正午になる少し前に入院準備のため買い物に出掛けた。病院での入院説明の際にもらった“入院のご案内”という冊子の中の“入院に必要なもの”というページを見ながら最寄りの商店街へ向かった。入院とはいえ2泊3日で、3日目は経過が良好なら午前中には退院が出来るそうなので、それほどの量にはならなそうだ。
 パジャマや洗顔用のタオルやバスタオルは、持参とレンタル(有料)が選べるが、普段寝巻として使っているスウェットの上下を持っていくことにして、タオル関係は濡れたものを持ち帰るのが億劫だと思いフェイスタオル1枚だけ用意し、あとはレンタルをすることにした。次に、“ガウンまたはカーディガンなどの上着”と書かれていて、これは病棟を出る場合(別の階の売店など)や入院中の病棟が寒かった場合に羽織ったりするものとのことで、とりあえずこれも普段着ているユニクロのジッパーのついたフリースを用意した(入院中に感じたのは、入院前の外来の待合スペースなどはスウェット一枚でも寒くはないが、病棟内はそれだと少し寒くて、布団を掛けて寝るとき以外は大体持参したフリースを羽織って過ごした)。下着は日数分自宅にあるものを用意した。歯ブラシやコップ、ティッシュペーパーは100円ショップで買い、ボディソープやシャンプーは以前試供品でもらった小さな使い切りのものがちょうど使えそうだった。髭剃りはシェーバーと充電コードを準備したが、2泊3日なら最悪髭くらい剃らなくてもいいかなと思っていた。室内履きは、着脱が容易で転倒防止のため滑りにくくかかとの覆われたタイプという指定があり、“かかとが覆われている”という条件に合っているか微妙だったがクロックスの偽物のような普段コンビニへ出掛けるときなどにつっかけているものを選んだ。持ち物は大体こんな感じで、あとはテレビを見る際のイヤホンだが、音楽を聴くときは専らBluetoothイヤホンを使っていて、有線の3.5mmイヤホンジャックを持っていないことに気づいた。唯一有線で持っているヘッドホンがあるが、荷物としてかさばるので、これも100円ショップで300円のものを購入した。
 入院時に必要なものは一通り100円ショップと自宅にあるもので揃ってしまい、僕は遅めの昼食を摂って自宅へ戻った。

ペットの世話も忘れずに

 現在僕は都内の賃貸マンションに保護猫1匹と一緒に暮らしている、他に同居する家族はいない。近しい親族は信州の実家に母が一人で住んでいて、2つ上の姉は四国に嫁いで暮らしている。一番近いのは東京にほど近い埼玉に叔父がいる。生死を分けるような病気や手術ではないけれど、今回の入院と手術について一応家族にも伝えておこうと思ったが、2年前に父が膵臓がんで亡くなって以来一人暮らしとなった母にはあまり心配を掛けたくないと思い、ひとまず姉に連絡をして今回の入院について説明をし、姉とも合意の上でしばらく母には何も告げないことにして、入院当日に提出する手術の同意書等、保証人や緊急連絡先が必要な箇所には姉の情報を記入した。
 あとは、入院中の飼い猫の世話の手配だ。普段の帰省など、外泊の際に世話をお願いしているペットシッターさんに連絡を取り、1月24日のシッターを依頼した。我が家の猫は保護猫ということもあり、僕以外に人慣れしていないので誰かに遊んでもらう必要はない。1泊ならWi-Fiでスマホから操作できる自動給餌器と部屋の温度管理に加え、循環型の給水機に水をたっぷり補給し、トイレを3つ設置すればいい子で留守番ができるが、2泊となると餌と水の心配はないがトイレは自動にしていないので、2日目に誰かにトイレの掃除をしてもらう必要がある。それをシッターさんにお願いしている。
 親族への連絡と飼い猫の世話の手配を終え、入院の準備は整った。

第4話へつづく

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