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好きに学ばせて欲しい

以前在籍していた会社で「社外の勉強会には積極的に参加しなさい」とよく言われていた。
IT系の仕事をしていたので、新しく変わっていく技術を追いかける為にも、積極的に情報を取りにいくべきだという考えだ。
勉強会は交流会も兼ねている事が多く、会社の名刺を配って宣伝してこいという意味もある。
特に当時在籍していた会社では、勉強会への参加を積極的に促しており、毎週会議で自分が参加した勉強会について報告などを求められていた。
私もWEB関係の仕事を始めてからは、勉強会に参加した。
コロナ禍になってからは行かなくなったので、今はどうなのか分からないが、当時は頻繁に色々な勉強会が開催されていた。
土日に行われる事もあれば、平日仕事が終わってから行くこともあった。
当時は面倒だとか、仕事時間外に行くなんてなどは全く思わなかった。
SNSを見ていても、IT系の仕事をしている人はみんな行くものだと思っていたので、そういう文化なんだと思っていた。
行くと、色々な人と交流も出来たし、新しい事を知れるのは純粋に楽しく、面白かった。

初めてIT系の勉強会に参加した時に驚いた事がある。
テーマに添ってプレゼンテーション形式で技術について紹介してくれる勉強会だった。
始まって周りを見渡すと、みんなスマホを片手にTwitterを開いて「実況ツイート」をしていた。
今なら実況ツイートなんて、あたりまえの事かもしれないが、当時はそんな文化を私は知らなかったので衝撃を受けた。
プレゼン内容を素早く短く要約して、ハッシュタグと一緒にツイートを流す。
イベント中の実況ツイートは盛り上がりを示す指標にもなるので、主催者側から見ても有り難い事らしい。
来てない人にも内容が伝わり、次回開催時の集客にも繋がる。
手元のノートに内容をメモって、情報を持って帰る時代じゃないんだと感じた事を、今でも明確に覚えている。

勉強会に参加した後は会社で報告会が待っている。
「~事を知れました」「~な内容が面白かったです」と本当に思ったことを言えれば良かったが、やはり学んだ内容を仕事に繋げる必要はあった。
「で、それは行って、その情報を聞いて、今の仕事の何に活かせるのか?」という雰囲気を出される会社ではあったので、しどろもどろな報告会になる。
私も確実に仕事に活かせるから、この勉強会に参加したというよりは、自分が関わっている仕事に少しだけ関係があるから、興味本位で行ってみました…みたいな軽いノリで参加していた。
会社の利益に繋がるかどうかなんて、一切考えていない。
会社の利益を出すためにも勉強して、技術を身につけて、インプットした事をアウトプットしろという事だとは思う。
なんでもかんでも会社に得た知識を共有しないといけない文化はとても嫌だったし、勉強会自体がが苦手にもなっていた。
周りの社員さん達がインプットとアウトプットのバランスが良い人達だったので、比べてしまって、余計に自分がダメに思えたのだと思う。
本音を言えば、学びなんて自由にやらせて欲しい。
興味があれば、勉強するし、興味がなければ触れもしないだろう。
なんでもかんでも仕事に繋げないといけない学びは、しんどいなぁと思ってしまった勉強会の思い出だった。

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