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私のスペイン900km巡礼記 in 2023春 #8 【6日目】最初の難関ピレネー越え、ロンセスバージェスへ

こんにちは、ナガイです。今日はスペイン巡礼の最初の難関といわれるピレネー越えからスタートです。
前回の記事はこちら。

天気予報
サン・ミシェル 晴れ 最高気温12℃ 最低気温2℃
ロンセスバージェス 曇り 最高気温11℃ 最低気温1℃

3時過ぎに一度目が覚め、トイレを済ませてまた眠る。6時に再度起床し、7時から朝食の時間なのでそれまでに出発の準備を整える。

昨日のディナー同様に宿泊者全員で食堂へ移動し、一緒に簡単な朝食を食べる。

早めに準備ができたので、8時頃に他の人たちへ別れを告げて一番乗りで出発する。  

風もなく穏やかないい天気で、鳥のさえずりも聞こえる。ピレネー越えには最適な天候だ。歩き始めてからすぐにものすごいスピードで追い抜いていった男性がいたが、それ以外はしばらく前後に誰もいない状況が続いた。

一人でピレネーの雄大な自然を独り占めしているようで、なんとも贅沢な気分を味わう。

周りを見渡して目に飛び込んでくる景色はまるで天国のようだ。

最初はダウンジャケットを着ていたのだが、歩いているうちに暑くなってきたため途中で脱いで歩く。ところがさらに歩いて標高が高くなってくると気温が下がり、凍てつくような風が吹きつけて寒くなってきたので再びダウンジャケットを着て歩く。服装の調節が難しいが、面倒でも暑かったり寒かったりする場合は都度脱ぎ着するのがよさそうだ。
そしていよいよフランスとスペインの国境に差し掛かる。サンティアゴ・デ・コンポステーラまで765kmであることを示す石碑やローラン(ロルダン)の泉が国境の目安らしいのだが、特に国境を示す看板や標識がある訳ではないためGoogleマップで国境の通過を確認する。

ピレネーのピークを越え、国境を渡ったことで早くも達成感に浸りながら歩いていると、後ろから男性が歩いてきた。この日は道中ですれ違ったのが歩き始めた直後に追い抜かれた男性しかいなかったこともあり、思わず振り返って声を掛けた。彼はスウェーデンから来たマルコス。今日はサン・ジャンを6時半に出て歩いているそうで、私もAuberge Bordaから出発した中では先頭をキープしていたのでかなりのハイペースで歩いていることになる。話が弾んで結局この日の目的地であるロンセスバージェス(Roncesvalles)まで一緒に歩いた。私はアルベルゲに行ってスタンプをもらい、ベッドの確保と夕食の予約をする。宿泊は14ユーロ、夕食は12ユーロ。

ベッドにリュックを置いてからマルコスと一緒に昼食を食べに行くことにした。初スペインでの最初の食事はイベリコハムのボカディージョとコーラ。10.20ユーロ。

ボカディージョは想像していたより巨大だったが、何よりめちゃくちゃおいしかったので難なく平らげてしまった。マルコスは今日中にスビリ(Zubiri)まで歩くそうで、お互いに「出会えてよかったよ」と言って別れる。

数時間しか一緒にいなかったが別れる時はとても寂しい

この日のアルベルゲはかなり大きく、ベッドは4つごとに仕切られており清潔で快適だった。

私は2段ベットの下段で、上段はフランスから来たドリアン、向かいのベッドの上段は昨日の宿でも一緒だったフィンランドのミア、下段はクロアチアのダビッド。シャワーと洗濯物を済ませ、予約していた夕食の時間までベッドで過ごす。指定されていた19時半にアルベルゲから歩いて数分のところにあるLa Posadaというレストランへ向かう。

この日の夕食はメヌー・デル・ペレグリーノ(menú del Peregrino)で、巡礼者向けのコースメニューのようなものだ。スープに始まり、メインはチキンか魚を選ぶことができ、最後はデザートのアイスクリーム。前日と同じように巡礼者同士でテーブルを囲み、少し質素だがボリュームのある食事を取る。

近くの席に座ったフランスから来たヴィルジニーと話をする。彼女もサン・ジャンで会ったナタリーと同じく家族と離れて一人になる時間を持つために来たそうで、仕事があるため何回かに分けて巡礼する予定だそう。夕食後に教会でミサが行われていたので参加してみることにした。

言語がスペイン語なので内容は分からないが、厳かな空間に身を置いているだけで身が引き締まると同時に心が安らぐような感じがする。

ミサを見終えてアルベルゲに戻り、歯磨きや干していた洗濯物の回収などをする。22時に消灯。

歩いた距離
今日16km 合計25km 残り755.4km

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