INTO THE DEEP 檜枝岐から奥只見、越後へ【前編】
ども、ゆさっちです。
台風14号が西日本に迫り、その影響で福島県にも雨が時折降る中、ゆさっちの乗った列車(磐越西線普通4両編成)は会津若松駅に到着しました。
会津若松は有数の観光都市、この様な状況、そして天候でも乗客は吐き出されるように列車から降り立ち、各々の目的地へと散っていきます。
ほとんどの乗客が改札から出場し、駅に静寂が戻ります。
その頃合いで跨線橋を渡り、会津鉄道が発着するホームを目指します。
ホームにはピンクのラッピングを施された1両編成の列車が出発を待っています。
まずはこの列車で会津田島を目指します。
定刻に会津若松駅を出発しました。
西若松駅でJRの路線と別れ、会津鉄道に乗り入れると郊外の田園風景が広がります。
そして、「ネコ駅長」で有名な芦ノ牧温泉駅に到着、駅長はまだお目覚め前のようでした。
芦ノ牧温泉駅をでると、列車は山あいに分け入っていきます。
列車のエンジン音があがくように響き、スピードも少し落ちたように感じます。
会津鉄道については、これまでも数回旅行記として取り上げてきました。
今回は目的地までの到達手段ですので、会津鉄道の旅については下のバナーからご覧いただくとして、移動がてら今回の目的地についてお話しましょう。
さて、今回の旅行の目的地は「檜枝岐」
福島県南会津郡檜枝岐村です。
この名前を御存知ない方も、あの国立公園の「尾瀬」を有する村といえば判る方もいるでしょう。
この地をイメージして頂くため、少し説明させてください。
檜枝岐の位置するのは南会津郡、奥会津とも呼ばれる辺境の地です。
その中でも檜枝岐は栃木、群馬、新潟と県境を接する最深部にあります。
(地図のオレンジのところです。)
檜枝岐村の人口密度は日本最小です。(1.2人/km^2)
その面積は名古屋市や福岡市よりも広く、そこに住む住民の数は、551人です。(令和元年11月現在)
意図した訳ではないですが、福島県一「密」とは無縁なところです。
(´∀`)
まあ、あまり堅く説明しても授業みたいになっちゃうので、小分けで面白そうな所をご紹介していきましょう。
さて視線を車窓に戻しましょう。
列車は山峡を抜けて下郷町、南会津町の田島地区に差し掛かります。
ここは盆地というほどではないのですが、平地が開けていて大きな集落があります。
そして水田の他にソバ畑も目立ちます。
遠目にカスミソウの様に見える白い花がソバの花です。
これはまた夕食のときにでもご説明しましょう。(´∀`)
そしてこの列車の終点である会津田島駅に到着しました。
隣にかっちょいい列車が停まってますね。
この駅で乗りつぐ「特急リバティ」浅草行ですが、まだ準備中のようです。
一旦、改札を出ましょう。
田島地区は南会津の中心地、幕府直轄領だったころには代官所も置かれていました。
駅舎も会津鉄道の中では格段に立派です。
傍らにはこの路線が国鉄会津線だったころ使われていたSL、C11が静態保全されています。
さて、構内でお弁当、そしてこの駅から終点の会津高原尾瀬口駅まではフリー切符(週末パス)のエリア外なので乗車券も買っておきましょう。
「自動改札利用不可」ってこの区間のどこに自動改札が?(´∀`; )
さて改札が始まったようです。
乗車しましょう。
ん?スペルは正しくは「Liberty」では?
と思う方もいらっしゃるでしょう。
これはLibertyとRiverをかけた造語のようです。
中に入りましょう。
さすが、特急だけあってゴージャスです。
でもこの列車、この区間(会津田島ー下今市)は特急券不要なのです。
✧*。٩(ˊᗜˋ*)و✧*。
空いている席に自由に座り、指定券を持つ乗客が来たら席を譲ればいいシステムなのです。
そして、会津高原尾瀬口まではノンストップと乗り得列車なのです。
さあ乗換駅までは17分、ちゃちゃっとお弁当を食べましょう。
ここの駅弁の松茸ごはんは・・・・ん?
えーと・・・・
ゆさっちが今までこの駅で買っていたのはこれなんですけど・・・
あ、違うお弁当屋さんだ。
緑屋さん、どうしたのかな?たまたま?
情報求むです。
でも買ったお弁当も松茸の香り高く美味しかったですよ。(*´∀`*)
お弁当とビールでお腹も満ちた頃、会津高原尾瀬口駅に到着です。
特急は終着の浅草めざして去っていきます。
会津鉄道はこの駅までそして浅草まで繋がるこの路線の福島県分もここまで、隣の駅は野岩鉄道男鹿高原駅、栃木県です。
昔は会津滝ノ原という、行き止まりの終着駅だったのですが、首都圏と路線が繋がった今では尾瀬をはじめとする奥会津観光の拠点で、シーズンには浅草から私鉄唯一の夜行列車、「尾瀬夜行2355」や「スノーパル」がここまで入線します。
さあ、ここから路線バスの旅です。
入ってくるまで40分ほどありますね。
それまでまたちょっと檜枝岐のご紹介をしましょうか。
檜枝岐は落人の里とも呼ばれます。
この地に人が住み始めたのは1200年前、権力争いに敗れた平安貴族が外界と隔絶されたこの地で隠遁生活を始めます。
この人達が星という姓を名乗ります。
そして源平の闘いで敗れた平家方の落武者がこの地に流れてきて平野姓を名乗ります。
そして、南北朝時代、争いに敗れた楠木正成の末裔が流れ着き、橘姓となります。
基本的に檜枝岐では今でも現代になっての移住者や赴任している公務員・教師等を除いて苗字はこの3つだけなのです。
そして近代まで外界との接触を断ち、それぞれ同じ境遇にあった者どおしが支え合って成り立つ社会で独自の文化が生まれます。
ここで今回の旅の中ではご紹介できないこの地の文化として檜枝岐歌舞伎をちょっとだけご紹介します。
いにしえより住民の中で伝承される歌舞伎、おそらく皆さんがそう聞いて想像されるものより数段レベルが高いと思います。
公演は年3回、ゆさっちも動画でしか見たことがなく、いつか生で見たいと思ってるんです。(画像は観光協会さんからお借りしました)
さて檜枝岐へ向かうバスがやってきました。
このバスは、檜枝岐が終点ではなくその先、尾瀬の拠点となる御池まで行きます。
さらにその先沼山峠行きのバスへの連絡もあり、車内は尾瀬のラストシーズンを楽しもうとするハイカーで結構混んでいました。
典型的な田舎道ではありますが、アクセスルートとなる国道352号線は檜枝岐までは比較的整備された道路です。
さてお宿到着です。
ここまで遠かった、最寄駅を出たのが8:00ごろ、今はもうすぐ16:00です。
この間全て、福島県内の移動です。
改めて、福島県は広いっすね。(´∀`; )
この提灯の下がっているお宿に裏切られたことはありません。
さて早速ひとっぷろです。
檜枝岐の温泉の歴史は浅いのですが、これまで日帰りで入浴し泉質のすばらしさを実感しています。
さて入湯。
あ゛あ゛あぁ・・・・溶ける(´∀`; )
(画像は旅館の公式Webからお借りしました)
外はそぼ降る雨、それが山の霊気をいっそう引き立てているようです。
そんな中で入る秘湯、たまりませんなぁ。
さあ、お風呂からあがれば、お楽しみの晩ごはん。
この地域の食文化をアレンジした山人料理、楽しみにしていました。
この地の標高は約1000m、周りの山は2000m級なのです。
昔はお米を作ることができませんでした。
そこで独自の食文化が生まれます。
と、その前に喉を潤さないと、あ、これは普通のビールです(´∀`; )
乾杯です!
まずはキノコや山菜の先付けと
ソバで作った「はっとう」です。
そう南会津、特にこの檜枝岐では米より冷涼な地域でも収穫できるソバの生産が盛んで、昔から「ソバが打てないと、お嫁に行けない」と言われていたそうです。
いまならジェンダー上問題ありな発言ですかね(´∀`;
餡のようなものは「じゅうねん」といいエゴマで作った甘いタレ?です。
南会津の地域ではよく食べられます。
「はっとう」の語源はあまりに美味しいので、普段は食べてはいけないとの御法度があったことに由来しているそうです。
鴨と地のきのこの鍋も滋味深く、いい味が素材から出ています。
これもソバの実がかけられています。
イワナです。
この地のイワナはとても冷たい水に暮らしていて、育ちが遅い分身が締まって、味もいいそうです。
そのとおりでした。
田楽です。
さあ、一番右の魚の天ぷらのようなものは何でしょうか?
これですよ。
正解はサンショウウオです。
タンパク源が限られていたこの地では貴重な食材だったそうです。
特に嫌な食感はなく、おいしくいただきました(。•̀ω-)b
裁ちソバです。
普通のソバと違い、布を裁断するような切り方をするのでこの名があります。
檜枝岐のソバ、何度食べても最高です。
もちろん、今では流通によりお米も問題なく入手できます。
最後は、地の舞茸で作った舞茸ごはん、めちゃめちゃ濃厚な味でぺろりでした。
お部屋でくつろいでいると、宿の方がお布団を敷きにきてくれます。
布団を敷いてもらうって、なんだか贅沢ですね。(。-∀-)
さあ、寝る前にひとっぷろ。
明日は公共交通機関のみで奥只見を縦断します。
TVは明日の快晴を告げています。
うん、きっといい旅。
おやすみなさい。
(続きます)
Camera:LEICA SL2 with SUPER-VARIO-ELMAR-SL F3.5-4.5 16-35mm ASPH
VARIO-ELMARIT-SL F2.8 24-70mm ASPH
LEITZ PHONE 1
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