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分子栄養学とメチレーション回路。DNA低メチル化と高メチル化による遺伝子発現制御の仕組みが理解できるとわかることその2『3人の博士』。自己学習5

※2022.6月14日
誤字訂正とホッファー博士の治療について、ヒスタミン、メチレーションタイプ、細胞膜モノアミン輸送体についての項目追記
2022.6月15日
ホッファー博士の治療のところ統合失調症に関する内容さらに追記
2022.6月16日
ヒスタミンの説明箇所追記

皆さんお元気ですか?
Kaoriです👶

前回の自己学習では、ウィリアム・ウォルシュ博士のウォルシュリサーチセンターのエピジェネティクスの説明の一部を解説してみました。

分子栄養学の良さがわかる内容だったので、紹介しました。

エピジェネティクスの主なメカニズムである

DNAメチル化
ヒストン修飾

による遺伝子発現と制御の仕組みがわかると

説明されている症例が理解できるようになるので

実際のクロマチン構造でのDNAメチル化とヒストン修飾の説明を元に解説してみました。

今回は、その説明文のもう1つの症例をプラスして、前回の症例についてと合わせて、

ニューロンのシナプスでの神経伝達物質の放出や再取り込み

について理解するとより意味を理解できるので、そちらの解説も合わせてしてみたいと思います。


今回の投稿は、毎度おなじみの画像も載せておきます。

本題に入るまでの前置きが長く感じたらごめんなさい!

初めて私の投稿を読んで頂く方は、下記画像をご覧頂いてからだと意味がわかりやすくなるかと思います🙂

実際クロマチン構造で行われているDNAメチル化とヒストン修飾。
DNAメチル化が行われているCpGアイランドでのシトシンメチル化
DNAメチル化とヒストン修飾について、メチレーションタイプについて文章だけでまとめたもの。ウォルシュリサーチセンターによると、健常な方は、80%(70%)はメチレーションが正常とのことなので、病気の方などだけがメチレーションの代謝に偏りがある訳ではないようです。例えば、うつ病の方でメチレーションが正常なのは15%程だそうです。分子栄養学的な観点で考えられる基質(アミノ酸、葉酸、その他)や代謝酵素の不足、代謝酵素の一塩基多型SNPsなどの遺伝子変異やその他の原因による、低メチル化と高メチル化の状態は詳しくは説明はしていませんがそちらも含みます。

今までは、一番難しいけれど、メチレーションの働きの中で重要なDNAメチル化について、自己学習の投稿を続けて来ました。

メチレーションの働きである
DNA・RNA合成
たんぱく質合成
(細胞の発生や分化にも関係する)
遺伝子発現・制御(遺伝子スイッチオン・オフ)
DNAサイレンシング(遺伝子サイレンシング、遺伝子発現制御)
にとってDNAメチル化は、重要な働きなのに

難しくてわからなかったので、自己学習を続けていました。


DNAメチル化とヒストン修飾を理解するとわかること

簡単に説明すると、
DNAの塩基文字の総数である

ヒトゲノム

その中でも、たんぱく質に関する情報部分である

遺伝子

なんでも遺伝子でできているものは、遺伝子発現と制御が起こるということになるのだと思うので

先ずはDNAメチル化とヒストン修飾のメカニズム、この理解があれば、それを様々なことに当てはめて考えることができるようになることに気が付きました。

例えば、代謝酵素は、遺伝子の酵素活性があるもので、遺伝子から作られています。
先天的に欠失しているため機能しないとか、遺伝子多型である突然変異や一塩基多型SNPsにより、活性が過剰になったり、低下することもありますが、

遺伝子多型による遺伝子変異などは無い状態で、DNA低メチル化、高メチル化の状態により遺伝子発現と制御が変わることが関係している場合もある訳です。

それが
DNAの塩基配列に変化はない状態での遺伝子発現・制御、細胞の発生や分化のメカニズム

である

エピジェネティクス

です。

どちらかに偏りすぎて、低メチル化が過剰になることで神経伝達物質が減る、高メチル化過剰により神経伝達物質が増えるなんてこともあるので今回の投稿では、その話も合わせてしてみます。

今後、神経伝達物質合成の代謝経路でのメチル化を説明する上で、アミノ酸のフェニルアラニンとトリプトファンでの代謝の過程でのメチル化についての自己学習も投稿する予定です。

そんな細かいことまで説明はされていないことが、多いですが、紐解くとたんぱく質の情報部分の遺伝子とメチル化が関係しているので、
※たんぱく質のアミノ酸残基のメチル化についても調べ中

ウォルシュリサーチセンターの例は、その辺りの話になります。

合成された神経伝達物質がどのように代謝され、シナプスから放出と再取り込みされているのかを理解した上でだと、メチル化の働きと栄養素がどのように働くのかがイメージしやすく理解も深まります。

神経伝達物質合成の中でも、フェニルアラニンからチロシン、そしてドーパミンやノルアドレナリンが合成される代謝経路でのメチル化の理解は!

分子栄養学(分子整合栄養医学、オーソモレキュラー療法)とメチレーションを捉えていた

①エイブラム・ホッファー博士
➁ホッファー博士に影響受けた、カール・ファイファー博士
➂ファイファー博士に影響を受けた、ウィリアム・ウォルシュ博士の治療が理解できるようになります。

ウォルシュ博士の代では、エピジェネティクスの研究がさらに進んだこともあり、ウォルシュ博士の治療は、エピジェネティクスの主なメカニズム、DNAメチル化とヒストン修飾を理解していると治療の良さやわかることが増えます。

私が最初はチンプンカンプンだった🤯このメカニズムを理解して良かったと思った理由です🌟

お陰で、3人の博士の治療の意味がよくわかるようになりました!

話はそれますが、私は海外ドラマの
FBIの行動分析課が舞台のドラマ

クリミナル・マインド

を見て、FBIになるには?しかもFBIの行動分析課に行きたいと思い調べたことがあります(笑)

アメリカ国籍取得
英語力
初めてFBIで働くには37歳までの年齢制限があるようで
その他

私には難しい話ですし、元々体力ないので無理な話でした(笑)

HSPやエンパス体質なので、暴力的なものは普段あまり見ないのですが、医療やFBIもののドラマ好きなんですよ。

クリミナル・マインドでは、遺伝的な要因、環境要因、犯罪心理学、脳科学、神経学や
シリアルキラー(連続殺人犯)の脳のMRIの話など様々な話がセリフで出てきます。

ウォルシュ博士は、FBIに協力していたようで、ウォルシュリサーチセンターの研究内容がドラマのセリフに出てきていたのが最近わかりました!

ごめんなさい😅話は戻って

そして、

3人の博士の取り組んできたことがわかると、分子栄養学とメチレーションを捉えた治療の良さがわかるようになります。


私の過去の副腎疲労に伴う鬱の経験から、どうしても精神疾患や神経伝達物質の話題になりがちなだけということもお伝えしておきます。

分子栄養学は、たしかに精神疾患や発達障害、認知症などに効果を上げている治療ですが、それだけではありません。

過去に、患った婦人科疾患も、分子栄養学とメチレーションから根本原因や治療を知ることができたので

あらゆる病気の根本原因を考えて治療できるのが、エピジェネティクス・分子栄養学・メチレーションの代謝についての情報だと思います。


分子栄養学を捉えるにしても、ライナス・ポーリング博士やエイブラム・ホッファー博士だけではなく、カール・ファイファー博士、ウォルシュ博士、
その他のドクターのメチレーションについての情報が融合していけば、分子栄養学の良さは、さらにわかるようになるので

私は、最初は、溝口徹先生がきっかけでしたが

私自身の代謝が複雑だったので、

宮澤賢史先生が治療にジレンマを感じてたどり着いたメチレーションの代謝について私も知ることができて本当に良かったと思っています。

3人の博士が紹介されている宮澤先生の記事。
宮澤先生は、臨床分子栄養医学研究会を主宰しています。

エイブラム・ホッファー博士の『アドレノクロム仮説』と統合失調症の治療について詳しく説明がされている、溝口徹先生の団体の記事。

引用元「国際オーソモレキュラー医学会ニュース」URL(https://isom-japan.org/)

noteで投稿もされている神戸のクリニックの中村篤史先生が翻訳したホッファー博士の本。

まだ読んでいないので読みたい本の一冊

いつになったら本題に入るんだ!という感じですね(笑)

疲れてしまうかもしれないので、休憩して続きを読んで頂けたらと思います👶

今回の投稿は!

ウォルシュリサーチセンターのエピジェネティクスの説明の最後に紹介されていた症例2つを元に解説してみたいと思います。

ウォルシュリサーチセンターのエピジェネティクスについての説明。


エピジェネティクスの説明の中の最後の方の説明文の一部を解説してみます。

『逸脱したブックマークを元に戻すための技術はまだ利用できませんが、多くのエピジェネティックな障害の治療のための効果的な治療法が今日知られています。たとえば、多くの妄想型統合失調症患者は、過剰なドーパミン活性を示します。これは、DNAをほどいてDATタンパク質の遺伝子発現を増加させるビタミンB-3によって正常化することができます。別の例では、メチオニンとSAMeは、クロマチンを圧縮してSERT輸送タンパク質の産生を減らすことにより、セロトニン再取り込み阻害薬として機能します。逸脱したマークを元に戻す方法はまだわかりませんが、エピジェネティック科学は、異常な遺伝子発現に対抗するためにDNAをほどくか圧縮する治療法の開発を導いています。栄養素やその他の天然物質は、エピジェネティックな障害に対処するために特に有望であるように思われます。』


前回は、説明の中の

『別の例では、メチオニンとSAMeは、クロマチンを圧縮してSERT輸送タンパク質の産生を減らすことにより、セロトニン再取り込み阻害薬として機能します。』

『逸脱したマークを元に戻す方法はまだわかりませんが、エピジェネティック科学は、異常な遺伝子発現に対抗するためにDNAをほどくか圧縮する治療法の開発を導いています。』

について解説しました。

前回の投稿


今回は
①『たとえば、多くの妄想型統合失調症患者は、過剰なドーパミン活性を示します。これは、DNAをほどいてDATタンパク質の遺伝子発現を増加させるビタミンB-3によって正常化することができます。』

➁『別の例では、メチオニンとSAMeは、クロマチンを圧縮してSERT輸送タンパク質の産生を減らすことにより、セロトニン再取り込み阻害薬として機能します。』

こちらの2つを解説したいと思います。
➁は前回の投稿と重複する箇所もあります。

先ずこの説明を理解するまえに理解しておきたいPOINT


(1)最初に紹介したDNA低メチル化と高メチル化のメカニズム

私の書いた手書きの図をご覧下さい
このメカニズムを理解しないと意味がわかりません😅

(2)メチレーション(メチル化)のタイプ

(3)メチオニンとSAMeは、メチレーションを促進する栄養素、葉酸とナイアシンはメチレーションを抑制する栄養素であること

(4)DATたんぱく質とSERT輸送たんぱく質

①では、DATたんぱく質を増やしたいので、制御された遺伝子を発現させる
➁では、SERT輸送たんぱく質を減らしたいので発現している遺伝子を制御する
そための栄養素がそれぞれ①ナイアシン(VB3)や➁メチオニン・SAMeということですが、

DATたんぱく質とSERT輸送たんぱく質が何か?を説明したいと思います。

このPOINTを理解していれば、ウォルシュリサーチセンターの説明がより理解できるようになります。

これらを勉強したことで理解したので、
説明してみることで、私の頭の中を整理しています。


(2)メチレーションのタイプ
(3)葉酸とナイアシンはメチレーションを抑制する栄養素、メチオニンとSAMeメチル化を抑制する栄養素であること

は一緒に説明しますね。

①は高メチレーションタイプの患者さん
➁は低メチレーションタイプの患者さんの治療の症例になります。

詳しくは、ご紹介した、宮澤先生の記事に書いてありますが

ホッファー博士に影響受けたカール・ファイファー博士は、

ヒスタミンレベルが低い患者さんには、ナイアシンが効くのに、ヒスタミンレベルが高い患者さんには効かないことを見出し
※ヒスタミンは、メチル基供与体(メチルドナー)SAMeとヒスタミンメチル基転移酵素によってメチル化されますが、低メチレーションタイプはメチル化されて処理されていかない、または、ヒスタミンを代謝するDAOなどの代謝酵素などと合わせて代謝が上手く行かないためか、ヒスタミンレベルが高い 2022.6月14日追記

※高メチレーションタイプはメチル基過剰でヒスタミンが処理されるため、ヒスタミンが低い
2022.6月16日追記

統合失調症患者を

「ヒスタペニア(ヒスタミンの低下)」後に高メチレーションタイプ

「ヒスタデリア(ヒスタミンの増加)」後に低メチレーションタイプ

というタイプに分けました。

妄想型統合失調症
ヒスタペニア(ヒスタミン低下、高メチレーションタイプ)

幻覚を伴う妄想型統合失調の原因と考え、この状態を葉酸、ビタミンB12,ナイアシン、亜鉛などの栄養素を用いて治療

対照的に

ヒスタデリア(ヒスタミン増加、低メチレーションタイプ)のタイプの統合失調症は、

被害妄想と緊張症を伴う事が多いとし、メチオニン、カルシウム、時に抗ヒスタミン薬で治療

タイプの違いにより、統合失調症の患者さんを治療していたそうです。

カール・ファイファー博士の研究所で一緒に仕事をされていたこともあるウィリアム・ウォルシュ博士は、うつ病を5つの生化学タイプに分類して治療をされていますが、低メチレーションと高メチレーションはその5つのうちの2つです。

さらに、ウォルシュ博士は、メチレーションを回すはずの葉酸でコンディションを崩す人がいることから、

『「なぜ、メチレーション回路を回すはずの葉酸で、患者が悪化するのか?」
彼は、何年も悩み続け、最終的に1994年、精神疾患においてはメチル化を促進するのはメチオニン、メチル化を抑制するのは葉酸だと結論した論文を発表したそうです。

この仮説が証明されたのは2009年です。NIHなど複数の研究機関が、「神経伝達物質のトランスポーターの遺伝子発現において、葉酸はメチレーションを抑制する方向に働く」という事を発表しました』
……ナイアシンもエピジェネティック的に、メチレーションを抑制することが報告されています。

宮澤先生の記事より

アミノ酸のメチオニンが不足すると、メチオニンとATPから合成されるSAMeが不足します。

SAMeはメチル基供与体(メチルドナー)としてメチル基(−CH3)を供給してメチル化を促進する上で大切になります。生体内の数百種類もの代謝に関わっているそうです。

葉酸やナイアシンが不足すると今度は、メチレーション(メチル化)が過剰になる可能性が高まります。

ナイアシンはメチル基受容体です。
メチル基過剰な高メチレーションタイプに、ナイアシンを投与すると、メチル基を受け止めて、抑制してくれるということなんだと思います。

私達の身体は、メチル化が低下したり、過剰になりすぎないようにバランスが大切になります。

ファイファー博士やウォルシュ博士は、生化学検査やメチレーションのタイプにより、投与する栄養素を変えて治療しているのです。

メチレーションタイプの簡易チェックの計算方法は、最初に紹介しました私の図の説明の中にあります。

低メチレーションタイプ
メチル基が少なく代謝がスロー
高メチレーションタイプはメチル基過剰で代謝しすぎ

ホッファー博士の研究のお陰で、統合失調症の治療に光が見出され
この頃は、ナイアシンがメチル化抑制するなどとは証明されていなかったのに。
ノルアドレナリンからアドレナリンでのメチル化を抑制し、ナイアシンは、メチル基受容体なので、メチル基供与体のSAMeがやってきても、ナイアシンと結合して、アドレナリンの変換を遅くし、抗酸化作用のビタミンCで、酸化を防ぎアドレノクロムへの代謝を少なくするという活気的な治療を見出した。

※アドレナリンが酸化され(電子を奪われても)酸化アドレナリンの時点で十分量のNAD(NADH)があると還元されて、アドレナリンに戻ることができる。
NAD(NADH)が不足していると酸化アドレナリンは、さらに酸化され(電子を奪われ)アドレノクロムになる。
ナイアシン(VB3)は、NAD(NADH)の原料なので、メチル化抑制だけでなく、酸化還元反応が正常化するようになるということもあるようです。分子栄養学は捉えていても、メチレーションを捉えていない方の説明にあったので、両方の結果なのだと思います。

他のカテコールアミンでもアミノクロムは生じる=ドーパクロム、ノルアドレノクロム、アドレノクロム

代謝経路での補酵素にビタミンCと銅が必要ですが、銅は、代謝物によっては抗酸化作用のあるものにもなりますが、銅が過剰になると逆に活性酸素種が増えるようです。銅過剰になる理由の1つに亜鉛不足があります。
ただし、ウォルシュ博士の研究だと銅過剰は、ドーパミンが減るみたいなのでわかりませんが、酸化ストレスがとにかく増えてはいるのだと思います。

ペラグラ(ナイアシン不足)の説明に、ナイアシンが不足している時点で亜鉛、鉄、VB6、VB2(リボフラビン)不足も総じてあるとのことなので、代謝経路での補酵素不足なども関係しているのかもしれません。


高ホモシステイン血症により、メチオニン回路の硫黄転移反応、解毒抗酸化物質合成代謝経路にて合成されるグルタチオンやその他が合成されず、酸化還元反応や解毒代謝が上手く行かないなどもあるのではないかと思いました。

神経伝達物質合成の過程での代謝酵素や補酵素になる栄養素の過不足、代謝酵素の一塩基多型SNPsなども含めて、様々な要因があるのだと思います。

🌟関連がありそうなものを追記してみましたが、フェニルアラニン→チロシン→ドーパミン→ノルアドレナリン→アドレナリン→アドレノクロム→アドレノチンこの代謝経路に関連するものだけ追記しました。
2022.6月14日追記


※統合失調症その他キーワード

  • トリプトファン代謝経路のキヌレニン経路への代謝(感染、炎症、ストレス)

  • ドーパミン受容体

  • グルタミン→グルタミン酸→GABA

  • NAMD型グルタミン酸受容体

  • グリシン

  • アセチルコリン

  • COMT(カテコール-O-メチル基転移酵素)の一塩基多型SNPs V158/H62H/61

  • MAOA、MAOB(モノアミン酸化酵素A、B)の一塩基多型SNPs

  • VDR(ビタミンD受容体)

  • 必須脂肪酸オメガ3と6のバランス、オメガ6過剰による炎症、トランス脂肪酸

  • 知り合いの息子さんや近所のお友達の例ですが社会人になり、実家を出て、仕事が忙しく、それまでは、お母様の作る食事をしていたのに不摂生になり、仕事によるストレスが引き金になったのか発病している。コンビニなどの加工食品が増えていたよう。ビタミン、ミネラル、抗酸化物質不足

  • ストレスHPA軸(視床下部→下垂体→副腎)、SAM軸(交感神経−副腎髄質カテコールアミン放出)

  • 腸内環境

  • 酸化ストレス

その他にもあるのかもしれませんが、キーワードだけ上げてみました

2022.6月15日追記


オーソモレキュラー学会の説明の中に、統合失調症患者さんの75%は、ナイアシンとビタミンC投与が効く可能性が高いようなことが書かれていましたが、

それは、高メチレーションタイプの患者さんで、残りは低メチレーションタイプの方やその他の生化学検査に問題がある方などなのではないかと思いました。

ファイファー博士により、さらにタイプ別の治療方法が見出され

ウォルシュ博士の代では、エピジェネティクス研究が進み、
メチレーション促進と抑制に関わる栄養素が見出されたので

ホッファー博士やファイファー博士が治療に使った栄養素による治療がなぜ良いのか、説得力が増したように思います。

ファイファー博士とウォルシュ博士の膨大な生化学検査のデータによりさらに治療法が確立し、

3人の博士の治療がなぜ良いのか、証明されてきたことになるのだと思いました。

宮澤先生が紹介していたことを参考に似たようなことを書いてみました。

(4)DATたんぱく質とSERT輸送たんぱく質

次はこちらです。
難しい細かい詳しい話は抜きに説明しています。

神経伝達物質は、合成後

シナプス小胞の中で充填され

小胞体モノアミン輸送体

により、活動電位発生に伴って、神経伝達物質を放出

※モノアミン神経伝達物質
ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニン、ヒスタミンなど
※カテコールアミン
ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン


放出後は、

細胞膜モノアミン輸送体によって

再取り込みされる


その後は、
MAOA(モノアミン酸化酵素A)MAOB(モノアミン酸化酵素B)COMT(カテコールOメチル基転移酵素、ドーパミンやノルアドレナリン、カテコールエストロゲンなど)により分解され、その代謝物が尿中排泄される。

この代謝でも、代謝酵素と一緒にメチル基供与体のSAMe
を使いメチル化しています。

分解されなかったモノアミン神経伝達物質は、再び小胞へ充填され再利用される。


細胞膜モノアミン輸送体(輸送蛋白)

シナプスで放出された神経伝達物質をすばやく再取り込みし、活性を終了させ次の放出に備えている

SERTセロトニン輸送体(セロトニントランスポーター)

DATドーパミン輸送体(ドーパミントランスポーター)

NETノルアドレナリン輸送体(ノルアドレナリントランスポーター)

※現在、NETはノルアドレナリンだけでなく、ドーパミンも再取り込みすることがわかっている
アドレナリントランスポーターは無いようで、NETで再取り込みする。
以下に説明している高メチレーションタイプの人は、SNRIセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤は、ドーパミンまで過剰になるかもしれませんね。

高メチレーションタイプ

このシナプスへの再取り込みのための輸送たんぱく質が少ないと脳の神経伝達物質が増える

低メチレーションタイプ

シナプスへの再取り込みのための輸送たんぱく質が多いと脳の神経伝達物質は減る←こちらはSSRIやSNRIが効きやすいタイプになります。

※SSRI選択的セロトニン再取り込み阻害剤
SNRIセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤

輸送たんぱく質の量は、メチレーションで決まり、人は生まれながらに、親から受け継いだ遺伝子により、ある程度メチレーション状態が決まっているそうです。

ですが、エピジェネティクスや分子栄養学の観点やメチレーション状態を把握して、栄養素で状態を変化させることができるということになります。

ウォルシュ博士のエピジェネティクスの説明は、そのようなことが説明されているのだと思います。

こちらの説明をまとめてみた図です。

シナプスでの神経伝達物質放出と再取り込みについて図にしてみたもの。
  • メチレーションのタイプがあること

  • 葉酸とナイアシンがメチレーション(メチル化)を抑制、メチオニンとSAMeがメチレーション(メチル化)を促進すること

  • DATたんぱく質とSERTたんぱく質について
    を理解したところで、

①、➁の解説をしていきます。

先ずはこちらの説明から

①『たとえば、多くの妄想型統合失調症患者は、過剰なドーパミン活性を示します。これは、DNAをほどいてDATタンパク質の遺伝子発現を増加させるビタミンB-3によって正常化することができます。』

(1)妄想型統合失調症=先程のファイファー博士の治療の説明から高メチレーションタイプということがわかります。

(2)DNAをほどいて=高メチレーション(メチル化で)でクロマチンが圧縮(私の図では凝集)し、DATたんぱく質の遺伝子が制御されているから、それをほどいて(私の図では緩める)遺伝子発現するようにする

そうすると細胞膜モノアミン輸送たんぱく質(再取り込みの)であるDATたんぱく質(ドーパミン輸送たんぱく質)が増える

ドーパミンのシナプスへの再取り込みが促進されるので、脳内のドーパミンレベルが低下して、過剰活性を抑制することになります。

ナイアシン(VB3)がその働きをしてくれる
ナイアシンにより、高メチル化=遺伝子制御がが過剰になったものを抑制することで、今度は遺伝子発現させることになります。


その結果、抑制とはいうもののその内容は、

ナイアシンにより、クロマチン構造のキツくなったDNAをほどくことで、遺伝子が発現するようになり、
DATたんぱく質の遺伝子が発現し増えた

ということになります。

ややこしいですよね🤯

こればかりは、DNA低メチル化と高メチル化のそのメカニズムを理解するしかないなと思います。


その意味は

ややこしいですがこれさえ抑えておけば理解できます。

DNA高メチル化

=遺伝子発現制御、それが過剰になったメチレーション(メチル化)を抑制=遺伝子を発現する方向へ栄養素で調整する

こちらは、高メチル化が過剰になり、遺伝子制御も過剰になったものを抑制するため、メチル化抑制して遺伝子発現させる

DNA低メチル化(脱メチル化、メチル化減少状態)

=遺伝子発現なので、それが過剰になったメチレーション(メチル化)を抑制=メチル化促進=遺伝子は制御される方向へ栄養素で調整する

こちらはメチル化されておらず、遺伝子発現が過剰になったものを抑制するためには、メチル化促進するということになります。

という感じで

遺伝子の発現制御や代謝酵素の働きを栄養素やサプリメントなどでも調整できるのです。

DNA高メチル化(メチル化)=遺伝子制御に偏っている人=高メチレーションタイプ
DNA低メチル化(脱メチル化、メチル化減少)=遺伝子発現に偏っている人=低メチレーションタイプ

ヒトゲノムの70〜80%は、シトシンがメチル化され遺伝子制御されることにより、ウィルスなどの外来遺伝子から見を守ったり、無駄な遺伝子発現をしないことで身体を守っていて、病気の遺伝子があったとしても発病しないとか、新たな病気の予防に繋がるようですが、
そのメチレーションが高メチル化、低メチル化に偏ってしまうこともあるということです。

ウォルシュリサーチセンターによると、健常な人のうち、メチレーションタイプが正常なのは、80%(70%)だそうなので、メチレーションが偏るのは、病気の方に限られたことでもなく、例えばうつ病でも、メチレーションが正常な方が15%はいるそうです。

➁『別の例では、メチオニンとSAMeは、クロマチンを圧縮してSERT輸送タンパク質の産生を減らすことにより、セロトニン再取り込み阻害薬として機能します』

(1)メチオニンとSAMeを投与するということ、クロマチンを圧縮すること、セロトニン再取り込み阻害薬として機能するという説明
などから
低メチレーションタイプであることがわかります。

高メチレーションタイプでも、メチオニンやSAMeは、メチル化のためには必要ではあっても、メチル基過剰なタイプなので悪化する場合があります。メチル基過剰で、典型的なセロトニンやドーパミンが低いうつではないため、SSRIで悪化することがあります。

私も体験しました。

低メチレーションタイプは、逆にメチル基が少ないので、メチオニンもSAMeも必要です。
メチレーション抑制に働く、葉酸やナイアシンでコンディションを崩す場合もあります。

かと言って低メチレーションタイプの中にも葉酸不足や葉酸の代謝が上手く行かない方もいるので、個体差がありますから、キッチリ2つに分かれる訳ではないのだとも思います。

※双極性障害の方の研究で遺伝子転写領域(プロモーター領域)は全体的に低メチル化で、神経機能に重要な遺伝子の高メチル化が認められたり、SERTたんぱく質の多型(遺伝子変異)のメチル化と扁桃体の形態変化が認められたり、その方によって状態は違うようです。

(2)クロマチンを圧縮して(私の図では凝集)=低メチレーションであるため、SERT輸送たんぱく質の遺伝子のクロマチン構造が緩んでいて遺伝子発現状態なので、SERT輸送たんぱく質量が多い。

SERT輸送たんぱく質の遺伝子発現により、無駄なたんぱく質も増えることで、シナプスへの再取り込みが増えていたので、脳内の神経伝達物質が減っていた。

メチオニンとSAMeにより、メチル化を促進して、SERT輸送たんぱく質の遺伝子制御(クロマチン圧縮)して、SERTたんぱく質を減らし、SERTたんぱく質によるセロトニンの再取り込みを阻害する


だから『セロトニン再取り込み阻害薬として機能します』という説明になるのだと思います。


前回の投稿は、細胞膜モノアミン輸送体についての神経伝達物質の再取り込みまで、私がきちんと理解していなかったので、


ここまでの説明ができませんでした!


分子栄養学やメチレーションを知らない方や初めて私の投稿を読まれる場合、難しい内容かも知れませんが


ずっと読んでくださっている皆さんには、伝わったでしょうか?


次は、アミノ酸のフェニルアラニンやトリプトファンの代謝経路でのメチル化についてお話をしてみたいと思っています。


今回の投稿にも関連しています。


長文でしたが読んで頂いてありがとうございました👶


Brilliant Beauty Message Kaori



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