わたしというカメレオン女優
わたしは恋愛において、カメレオン女優をやらせてもらっている。
“いくつものキャラを用意して、男の好みに合わせてチューニングし、別れの時まで演じ切る”ということを無意識にやっているのだ。
全ては狙った男を落とすためである。
わたしは主に、
ゆるふわ天然ちゃん
しっかり者の不思議ちゃん
マインドお嬢様
この3つのキャラを操って恋愛をしている。
今回は、それぞれのキャラの特徴と、そのキャラで落としやすい男について解説していきたい。
①ゆるふわ天然ちゃん
一般的に、天然好きという男は多いのではないだろうか。
「とりあえず素の自分を出すまでのつなぎとして万人に好かれる天然キャラを演じ始めたつもりが、最後まで自分を出せずに終わってしまう」というのはわたしの恋愛あるあるだ。
わたしは「地図がめちゃくちゃ読める」という生まれ持った才能があるのだが、天然キャラが憑依している時はそうはいかなくなってしまう。
かと言ってデートの時に道に迷うのはしんどいので、
「たぶん…こっちじゃない?」
「勘だけど!分かんないけど〜」
とヘラヘラ笑いながら、男を正解の方向に導くことが何度あっただろうか。
「ゆるふわ天然キャラ」のまま終わってしまった男たちは、最後までわたしの化けの皮が剥がれた姿を見ることがなかった男たちだ。
わたしにはそれがたまらなく嬉しいのだ。
男の思い出の中でわたしがゆるふわっと存在していることが、何も知らずにわたしの手のひらの上で踊っていることが、たまらなく愉快なのである。
※え?
【このキャラで気に入られた男】
②しっかり者の不思議ちゃん
このキャラは一番素の自分に近いように感じている。
わたしは知り合ってから長い友人にも「変わってる」「不思議ちゃん」と言われることがよくある。
一方で、昔から勉強は熱心にしてきた方で、紆余曲折を経て大学院まで卒業しているので、キャリアの話をするとしっかり者っぽい印象を与えることもあるのかもしれない。
世の中にはこの「不思議ちゃんなのにしっかりしている」というギャップに抱く違和感を「恋心」と錯覚する男が一定数いるらしい。
このキャラを気に入ってくれるのは、やはり自身も学生時代から熱心に勉強に取り組んできたというキャリア志向の男が多い。
【このキャラで気に入られた男】
③マインドお嬢様
わたしは実際には決して裕福ではない家庭に生まれたのだが、父親の職業のせいだろうか。
おっとりした母親に育てられたからだろうか。
昔っからお嬢様っぽいと言われることがあり、悪い気はしていなかった。
父親はわたしをいつも「お前は庶民の子やぞ〜」とバカにしていたが、わたしはマインドがお嬢様だったので全く気にしていなかった。
大人になった今、世の中にはこの「お嬢様感」に惹かれる男が一定数いることを実感している。
単にもの珍しいからだろうか。
自分と釣り合うと思うからだろうか。
逆に釣り合わないからほしくなるのだろうか。
男からお嬢様認定を引き出すには、控えめでおしとやかな行動と口調を守りながら、「小さい頃ピアノとバレエを習っていた」「留学に行った」「車を買ってもらった」などというエピソードを投げつけるだけで十分である。
極端に貧乏だったり裕福だったりして、自分の育ちにコンプレックスorプライドがある男ほど、女の育ちにも興味を持つ傾向にあると感じている。
【このキャラで気に入られた男】
今後の展望
「ありのままの自分を愛してくれることが大事!」
という恋愛の価値観もあるかもしれない。
しかし、わたしは自分の全てを一人の男に曝け出す予定はない。
それは悲しいことではなく、自分が心地よくいるための手段だと考えている。
恋愛リアリティショーの出演者が、アンチから身を守るために自分にキャラ付けをするように。
わたしは何者かから身を守るために、心地いい夢を見るために、今日も元気にキャラを操っているのだ。
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