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留学先で北欧人と
出会い
大学2年生の頃、わたしは念願だったヨーロッパの某国に半年間の留学に行けることになった。
歴史のある大学を中心に栄えている留学先の街で、わたしは北欧人の彼と恋に落ちたのだ。
日本に興味があるという彼は、現地の日本人同士の交流パーティーのようなものに顔を出していて、わたしは何の気なしに彼との初めての会話を始めていた。
ひょろっとした長身に、明るいオリーブ色の髪の毛とグレーの瞳が素敵な人だった。
付き合ったきっかけ
連絡先を交換すると、彼から頻繁にメッセージが来るようになった。
街で見つけたかわいい猫やあかね色の夕焼け空、美味しいご飯の写真を撮っては送り合う。
日常で心を動かされた瞬間を切り取って共有したいという気持ちに、言語や文化の壁はないのである。
わたしたちはお互いに惹かれ合い、何度かご飯に出かけた後に、街全体を見渡せる小高い丘のようなところで告白され、付き合うことになった。
そしてわたしは日本にいた彼氏に別れを告げたのだ。(↓この人)
元カノ疑惑
彼はどちらかというと内向的で、秘密主義っぽい不思議な性格をしていた。
ある時、わたしの1年前に留学していた日本人の女の子のSNSを見る機会があり、そこに彼が写っているのを発見してしまった。
その子は彼と親しくしていたらしく、“匂わせ”のような投稿をいくつかしていた。
元カノなのかなあ…。
不思議に思っていると、寮のわたしの部屋のクローゼットの内側に「○○(彼の名前)」と書かれた付箋が貼られていることに気がついたのだ。
元カノと思われるその女の子は、わたしが住んでいた寮に1年前に住んでいた可能性は確かにあるが、こんな偶然ってあるのか…?
彼はわたしの部屋で元カノと何かをしていたのか…?
本人に聞くこともできず、とうとう真相に触れることができないままであったが、この事件はわたしのSNS探偵能力を開花させるきっかけとなってくれた。
終焉
この恋は最初から期限付きだった。
わたしは半年間で帰国することが決まっていたし、彼が日本に来る予定はない。
だからこそ、2人で過ごす時間はいっそう尊いものに感じられていたのかもしれない。
パブでお酒を飲んだこと。
夜中に白い息を吐きながらケバブを買いに出かけたこと。
彼の住んでいる素敵なアパートメントで、ワインを飲みながらクリスマスツリーを飾ったこと。
今日が本当に最後だね、という日にわたしたちは写真を撮って、見えなくなるまで手を振り合って、バイバイしたのである。
P.S. 彼はそのあと日本の某機関に就職して東京に来て、わたしも就職で上京して、また少し距離が近くなったのね。ある日、目黒で友達と飲んでたら彼を見かけて、お互い3秒くらい時が止まったけど、何も起きなかった。思い出のままにした方が綺麗な人っているよね。
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