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遠距離介護記録

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#認知症

夜中の転倒と母の希望「デイサービス」ー遠距離介護記録8

夜中の転倒と母の希望「デイサービス」ー遠距離介護記録8

 夜中、ガシャンという音で飛び起きた。半分開いてるふすまの向こう、父母の寝室に行くと父が母のベッド横に倒れていた。

 呼びかけに返事はしてるから、ただの転倒だろう。手伝って起こすと「トイレ、トイレ」と言っている。腕にズル剥けの出血があるが、パジャマが吸っている。支えてやれば歩けてトイレに行けた。

 その後ケガの手当てをして寝かせた。何ヶ所か打ち身もあるだろうが、骨折はなさそう?もう明日でいい。

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1か月後の再診ー遠距離介護記録4

1か月後の再診ー遠距離介護記録4

 父は良くなってきているように見える。硬膜下血腫は吸収されているのだろうか?

 「老衰宣告」医師の予約日。

 着替えなど手伝い、朝食もそこそこに、妹とふたり、なんとか予約時間より30分前に連れて行った。
 前回は前日にお願いしたけれど、今回は1か月前からの予約だから、そんなに待たされないだろうと思っていたのは勘違い。

 先にM R I検査。恐ろしく混んでいる。40分待っても呼ばれない。通りが

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習慣を変え始めた1か月ー遠距離介護記録3

習慣を変え始めた1か月ー遠距離介護記録3

 次の受診まで服薬だけで1か月。

 妹とスケジュールをやりくりして 交代で泊まることにした。母がひとりで父の世話をしながら家事をこなすのは無理だ。転んだ父を起こそうとして一緒に倒れるか、精神的に追い詰められるか、どちらかが目に見えていた。

 父は鎮痛剤を切らさず飲んで頭痛を抑えていれば、寝たきりというわけではなく、身の回りのことはゆっくりと、小さな失敗はしながらもだいたい出来た。言葉を交わし意

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誰が入院させてと言った!?ー遠距離介護記録2

誰が入院させてと言った!?ー遠距離介護記録2

 救急当番医は、大学病院ではこの年齢の慢性硬膜下血腫の手術をしてくれない、地域基幹病院の名をあげ、そちらの方がいいからと紹介状を書いてくれた。鎮痛剤ももらい、迎えの妹の車で帰った。

 夜間も自分の状況を分かっていない父は、よろよろと布団から起き上がりトイレへ行く。転倒リスクは高い。前立腺癌は緩解しているが、ずっと頻尿だ。

 そのたびに横で寝ている母、あるいは隣室で扉を開けて寝ている私が、付き添

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救急車を呼んでいいの?ー遠距離介護記録1

救急車を呼んでいいの?ー遠距離介護記録1

 数年前から父の物忘れはゆっくりと進んでいた。
 物忘れを診てもらおうという誘いには全く乗らず、自分はどこも悪くない、と頑固に言い張っていた。

 アルツハイマーだろうから受診したところで、物忘れが良くなることはない。無理にあるいは騙すように言いくるめて受診しても、無理強いされたことはまだ覚えていそうな段階だ。

 家長気質の強い父と、ずっと離れて暮らしていた長女の私。関係を悪くして言うことを聞か

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