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No.49所感=^_^= 人の尊厳と介護

*介護職に就いていらっしゃる方に、最初にお詫びいたします。
これから述べることは、一つの施設で個人が感じた、ごく一面的なものです。
不快になる方がいたら、申し訳ございません。



娘のアルバイト

他県で一人暮らしをして大学に通っている娘が、介護施設でアルバイトを始めた。
今まで、バイトするゆとりがないと言っていたのに、どういう心境の変化なのか聞いてみたら、「消費するばかりの自分に嫌気がさした」のだそうだ。
おー、素晴らしい!
しっかり働いてくれ!

バイトを始めて数週間、慣れたかどうか尋ねたら、
「なんか違うんだよね…」
という。
もう挫折したのかと思ったら、そうではないらしい。
長く勤めているベテランの方が、新人である娘の教育係として仕事を教えてくれているのだそうだが、
「忙しいし、仕事が大変だということはわかるんだけど…」
納得できないことがあるらしい。


家族の意向とリスクの間で

娘と会話をしたまさしくその日の夜、うりもさんの以下の記事を読んだ。
↓↓↓

私も母を介護してきた。

母の介護に関する記事は、以下のとおり。
(それぞれの記事が長いので、お時間のある時に読んでください( ̄▽ ̄;)

グループホームへ
退院までに一つのグループホームから、入居可の返事が来た。建物としてはこちらの方が古かったが、所長さんの感じがとてもよかったのでこちらに決めた。

「ホワイトな学校へ#46 その22 介護と働き方①~母のこと」から

二つのグループホームを見学し、片方(仮にAとする)を選んだことについて、ここではこのようにさらっと書いているが、もう一つのグループホーム(Bとする)を選ばなかったのには、大きな理由がある。

Bの方は、建物もきれいで保育園が隣接していて、園児と触れ合えることが売りだった。母は子どもが好きだし、Bの方が魅力的ではあった。
見学に行ったとき、所長さんも人当たりのいい、いい感じの方だったのだが、所長さんの発した一言にひっかかった。

「車いすは、購入されますか?」

は?母は、歩けますが? 毎日、散歩をお願いしたいんですが。

「歩けるうちは、もちろんお散歩をしますが、すぐに歩けなくなってしまうのでね。」

確かに、いずれ歩けなくなってしまうんだろうけど、今、言う?

一緒に行った妹も、むっとしたらしい。

それに比べて、入所を決めたAの方は建物こそ古かったが、所長さんは、できる限り歩かせたいという私たちの希望に「わかりました。」と言って、杖と靴の話をしてくれた。

私も妹も、Aにお願いしたいと思ったのだった。


娘の談

で、娘のバイトの話に戻るが、教育係さんが娘に教えてくれる際、説明が長いんだそうだ。
娘の言い分はこうだ。

「だって、入所者さん待たせて、ずっと説明してるんだよ。
着替えのさせ方を説明するのに、裸にしてから話すから、おじいちゃん、プルプル震えてるんだよ。
寒そうだから、着せながら説明するとか、私が何をすればいいか指示してから一緒にやりながら教えるとかできると思うんだよね。
だから、つい、説明を遮って、こうやるんですか?とか言っちゃうから、生意気と思われてるかもしれないし、それも困る。

入所者さんたちは、恥ずかしいとか、わかってると思うんだよね。
だから、できるだけ早く着せてあげたい。

それに、手がかからない人ほど放っておかれちゃうんだよ。
車椅子にずっと座ってて、寂しいと思うんだよね。
だから、できるだけ話しかけてる。」


母の意思

「No.6 所感=^_^= 介護にかかわる病院のシステム、ありがたい」の記事に書いたように、母は、グループホームから入院を経て、現在は介護医療院に入っている。

感染症の流行が収まってきたとはいえ、介護施設での感染は命とりである。
院内で感染症が発生すると、すぐに面会中止になってしまう。
面会ができたとしても、いまだに一家族につき月2回まで、一回3人まで、10分、という制約がある。
予約制で、予約数も限られており、なかなか取れない。

先日、ふた月ぶりに面会ができた。
毎回感じるのだが、認知症がすすみ、言葉を発することもできない、自分で動くこともできない母であるが、私のことはわかっているようなのだ。

話しかけると、目が合う。
私のことを目で追う。
「あー」と、声を出す。

もしかしたら、私のことを分かってほしいという気持ちから、私がそのように思い込んでいるだけなのかもしれないが、どのような状況になっても、本人の意思はあると思うのだ。
私たちに伝わるように発信できないだけで、母は意思をもっていると思うのだ。


娘の談 続き

「入所者さんたちは、いろいろとわかってると思うんだよね。
介護は大変な仕事だってことはわかるけど、入所者さんを人として尊重することを忘れちゃだめだと思うんだよね。」

娘の言うとおりだと思う。
娘もまた、大好きな祖母の認知症が進むのを目の当たりにし、心を痛めてきたのだ。

人としての尊厳を大切にしたいというその思いを忘れることなく、これからももち続けてほしいと願う=^_^=


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