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第2章#19 「自分ができる」ことと「教える」ことは違う~苦手意識を払拭しよう

もくじRemake『ホワイトな学校へ』

(約1800字)

誰にでも、苦手なものはある。
体育が苦手、文字を書くのが苦手、絵を描くのが苦手・・・。
社会の歴史が全然覚えられていない・・・。

小学校の教員免許は「全科」なので、小学校の教員免許を取得すれば、全ての教科を教えることができる。
逆に考えると、全ての教科を教えなければならない。

では、苦手なものがあった時、どうすればいいのだろうか。



実技系は、自分ができなければ教えられないの?

体育を例に考えてみよう。
体育の跳び箱や鉄棒の学習で、先生がやって見せなくても指導できているのではないだろうか。
もし、先生がやって見せなければ教えられないのであれば、子供たちは、先生の実力以上の力は身に付けられないことになる。
自分でやって見せることのできない、年配の先生は、体育を指導できないことになる。

しかし、実際、年配の先生は、体育を指導している。
そればかりか、若手の先生よりも、上手に指導できていることが多い。

どういうことだろうか?
先生はこつを教え、子供たちはそれを基に練習する
限られた時間の中で、先生が一人一人に声を掛けることのできる時間は、わずか。
先生からの助言だけでなく、子供たちは、友達同士で見合ったり、自分で工夫したりして、自力で身に付けていく

先生ができなければならぬ、やって見せなければならぬ必要はない
(今は、便利な動画もたくさんあります!)

 

書写も同じ

先生方の中には、「毛筆が下手だから、書写は教えられない。」という方がいる。
本当にそうだろうか。

書写の学習も、体育と同じ。

子供たちは、自分の文字の課題を自分で把握し、どのように書けばいいのか考え、自分で身に付け、日常生活に生かせるようにしていく

先日、学生相手に、書写の指導法についての授業を行った。

小学校1学級の2倍以上の人数の学生に、私が一人一人、朱墨で直して回るなんてことはできない。
もちろん、私が書いて見せることもしていない。

小学校の2時間分の授業時間ではあるが、準備、片づけ、説明も含めてなので、練習時間はわずか。
しかし、最初に書いた「試し書き」と、最後に書いた「まとめ書き」を比較すると、ほぼ全員の学生が上達していた。
(あまりの上達ぶりに、学生自身が驚いていました。)

私が教えたのは、文字の書き方の原理原則、この日は「筆順と字形」の関係についてである。
その視点で、自分の試し書きを見て、一人一人が、自分の文字の課題を把握する。課題は、赤ペンで、自分で試し書きに書き込む。

そして、効率よく練習する方法も教えた。
自分の課題を自覚し、意識して練習したことで、学生の皆さんは、わずかな時間であったにもかかわらず、自力で成長できたのである。


ここで、気を付けるべきは、評価

あくまでも比較するのは、学習前の自分と、学習後の自分。
その日のねらいが達成できたかどうか
が、評価の基準である。

そして、毛筆で学習したことを硬筆に生かすことが目的である。
毛筆の後には、必ず硬筆の学習を行う。

よく、教室に、清書だけがずらっと貼ってある光景を目にするが、試し書きとまとめ書きを、並べて掲示してほしい。
少なくとも、試し書きの上にまとめ書きを掲示して、ねらいの達成が見えるようにするとよい。

そして、硬筆も一緒に掲示できれば、ベスト。
(私の行う授業や研修会では、その方法も合わせて教示しています。)


もう一つ、気を付けること

子供から質問があった時、先生は、全てに答えられるよう、知識を身につけなければならないのだろうか。

否。

子供からの質問を受け、答えを教えてはならない
先生が答えてしまったら、子供はいつまでたっても、自分で答えにたどりつけるようにならない。

先生が、教えるべきは、答えにたどりつける方法・道筋である。
子供からの質問に対する知識がなかったら、子供と一緒に調べ、先生も子供ともに成長すればよい。

考えるのは子供、できるようになるのは子供、である。


指導法をしっかり身に付け、苦手意識を払拭しよう

自分ができるに越したことはないが、誰でも、得意、不得意があるのは当たり前。

あれができない、これができない…と、できないことで自信をなくすのではなく、指導法をしっかり身に付けることで、自信をもって子供たちの指導に当たってほしい。
原理原則や、指導事項は、指導書などに全部出ています。だから、忘れてしまっても、心配することはありません=^_^=)


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