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第1章#10 教務事務の整理~本当は削減したかった…

もくじRemake『ホワイトな学校へ』

(約2200字)

これまで、保留になっていた教務事務のことについて。

教務事務の整理

#7で述べたように、校務分掌の整理をした際、教務事務についても整理した。

見直しの観点は、
〇 一人が一つ受け持てば済むように、教員の人数に合わせて、仕事を整理すること。
〇 一つの仕事を複数名で担当し、引継ぎの時間が少なくて済むようにすること。

そのように見直した結果が、以下の表。

いずれの学校においても、先生方が仕事をしやすくなるよう、何年かに1回は見直すことをお勧めする。

教務事務の仕事内容

教務事務の仕事の内容については、だいたい以下のとおり。

(再掲)教務事務の列を、見てください。

①月行事・教育課程
教務主任が中心となって、次年度の計画を前年の2月ごろに決め、教育委員会に届け出る。
その後は、毎月、予定の変更等に合わせて調整していく。
多くの学校で、教務主任が担当している。

②指導要録・学籍
指導要録(子供一人一人の記録の公簿)の管理、内容の点検。(記載するのは、各担任)
転出入の管理、書類の作成。

③出席簿
毎日の出席、欠席の管理。
担任が、教室で確認したものを全体で管理する。

④時間割・チャイム
専科の調整などをして、学校全体の時間割の元を作成する。
基本、年度初めだけだが、途中で事情がかわると、その都度作成し直す。
パズル好きの方にお勧め。
チャイムについては基本設定をしておけば、あとは自動。イレギュラーな対応のみ。

⑤教科書・補助教材
教科書は無償配布なので、子供の数に合わせて申請、受け取り、配布する。
転出、転入があった場合は、その都度書類を作成、不足分を注文する。
補助教材は、ドリルとか市販のテストとかを注文したものを取りまとめ、教育委員会に届け出る(書類の作成は、各学年)。

⑥机・椅子
年度末に次の学年の人数に合わせて、机の移動計画をする。
(実際に動かすのは、全員または子供)
次年度の不足分を見越して、前年度に注文しておく。

⑦諸案内・通知
学校全体に関わる行事などの手紙を作成する。
この係がない学校もある。

⑧立て看板・掲示
行事の時の立て看板の作成。以前は手書きをしていたが、最近は拡大コピーで作成。
校内の掲示板の計画。(掲示するのは、各学年)

⑨補教
お休みした先生の代わりに、誰がその学級の授業を担当するのか、分担を決める。

これでも、相当仕事がしやすくなって、先生方には好評だったのですが・・・。
皆さん、どのように思われましたか?
そもそもこれって、先生方が全部やる必要ありますか?

この中で、先生方がやった方がよいのは、①月行事、教育課程、④時間割、⑨補教 ぐらいでしょうか。
学級の児童の出席についての確認や、指導要録の作成は、もちろん先生である必要がありますが、それらを整理して管理するのは先生でなくても大丈夫だと思います。


では、どうすればいいのか?

実際に私たちの自治体の高等学校では、「経営企画室」という名称で、事務職員が複数名、配置されています。
学校によって違いはありますが、以上のような仕事を請け負っています。

区市町村立の小・中学校には、現在、事務職員が1名しかいません。
ですから、これらの仕事を請け負える正規の事務職員を複数名配置してほしいのです。
区市町村立の小・中学校には、事務補助という会計年度任用職員がいる場合も多いですが、名称どおり、事務職員の補助になっています。
管轄する区市町村では、その辺りの仕事の任せ方も明確にしてほしいです。

先生方の負担軽減のための、人的配置の方向性

先生方の負担軽減のために、「スクールサポートスタッフ」という名称の会計年度職員が配置されることになった。
先生方の日々の仕事(教室掲示、掲示物の作成など)のお手伝いが主な業務である。

この制度が導入されるとなった時、私は、先生方の教務事務を任せてもいいのではないかということが、頭をよぎった。
しかし、会計年度職員であるということで、どれだけのことを任せてよいか、迷いがあった。
教育委員会からも、教務事務を任せるという発想のモデルケースは示されなかった。
教務事務を任せるなら、この先ずっと任せることを考えないと、その年によって内容が変わるのは、かえって煩雑である。

このようなことがあって、教務事務はそのままになってしまった。

分担の仕方で、先生方の仕事をやりやすくすることはできたが、やらなくて済むのなら、その方がさらによい。
それに踏み切れなかったのが悔やまれる。

しかしながら、そもそも論として、管轄する区市町村は、会計年度職員の配置でお茶を濁すのではなく、正規の事務職員の複数配置があって然るべきであると考える。

これから、学校改革に取り組もうという自治体は、ぜひ、根本的な学校の人的配置の在り方を見直してください。

それらが改善されるまでは、各学校で工夫して、やりやすい方法を模索してください。

おまけに、私費会計!

私費会計とは、保護者から教材費などを集金して、支払いをするという仕事である。

現金で集金している学校はもうないとは思うが、それでも引き落としされずお金を支払わない家庭に、支払いを促さねばならない。
まるで、取り立て屋…

これこそ、先生がやることなのだろうか?

私の地区の高等学校では、経営企画室が担当していると思う。
また、最近では、管轄する区市町村で請け負うことも増えてきているようだ。

先生方の本来の仕事、学習指導に専念できる環境を整えたいものです。

次回は、「#11 負担を減らす行事の在り方~やめてしまわない選択」です=^_^=


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