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第2章#13「負担感」という曲者

もくじRemake『ホワイトな学校へ』

(約2000字)

ここまで、先生方の負担を減らす方法についてお伝えしてきました。
会議の回数や時間など、目に見える形で減らすことができたのではないかと思います。
先生方の自由裁量の時間を増やすことで、受動的から能動的な働き方への転換も可能になると考えます。

さて、負担が減ったのなら負担感も減るだろうと思いたいですが、そうはいかないのがこの「負担感」のやっかいなところです。


「負担感」は、人それぞれ

例えば、校内研究授業の準備をするとします。
先輩の先生は、いつもの授業の+αと受け止め淡々と用意する、か、今度はどこを重点にして授業をつくろうかと、意欲をもって準備するかもしれません。
ところが、新米の先生にとっては、「どうしよう…」と何日も悩むことになるかもしれません。
これが「負担感」は人それぞれということです。

では、負担感を減らすために、校内研究授業を避けてとおったとします。
一時は負担感が減るかもしれませんが、何年経っても指導案すらつくれない、授業力がなかなか身に付かないということになりかねません。
今度は、そのことが負担感につながっていきそうです。

先生という仕事を続けていくのであれば、授業に関わることは避けて通ることはできません。
(そもそも、校内研究はいつもの授業の延長上にあるべきもので、特別なことではない。指導案は、その授業の在り方を研究主題という切り口で分析しただけのもの。私としては、指導案を作るのなんか何てことない!研究授業、いつでも来い!というくらいになってもらいたい。詳しくは、次回に。)

仕事をして対価を受け取る、公務員であれば身分は保証され、給料は税金から支払われ、さらに教育公務員(先生)という専門職となれば、基本給からして違う…
つまり、それだけ教職としての専門性が期待されているのです。
どんな仕事でも、給料をもらう以上、ある程度のストレスはつきものです。

うまく折り合いをつけ、「負担感」から「やりがい」へ変換していけるといいと思うのです。


負担感を減らすには?

まずは、一人で抱え込まないこと。
先程の研究授業の例であれば(そもそも研究授業は、チームで取り組むものなのですが)、わからなければどんどん先輩に聞いて、とりあえず、自分で指導案の形にしてみる。一歩踏み出せば、さらにアドバイスがもらえて前に進めます。

そして、授業力、生活指導力、対応力を高めることです。
行事に関わる指導なども同様、どんどんチャレンジして、力をつけることです。

人それぞれ苦手なことはあると思います。それを、誰かが代わりにやってあげていたら、いつまでたってもその先生に力はつきません。
逆に、力が身に付かないことが、その先生の負担感になっていくと思います。
保護者対応でもなんでも、管理職や先輩の先生に方法を相談し、まずは自分でチャレンジすること。

失敗したら、管理職や先輩の先生がフォローします。
大失敗したら、それは校長の責任なので、最後は校長が何とかします。
うまくいったら、その先生のお手柄。
そして、その先生の力、自信になります。

校長先生の中には、なかなか任せられないよ、という方もいらっしゃると思います。
もちろん、最初はそうかもしれませんが、そこを頑張って任せ、そのうち先生方に力が付いてくれば、今度は校長先生が楽になります。
先生方に力が身に付き、自信が付いてくれば、本人だけでなく、校長の負担軽減にもつながるのです。
これって、先生に限らず、他の職業でも同じではないでしょうか。
経験が浅いうちに、どんどんチャレンジして場数を踏み、力を付けること。これが、負担感を減らす近道です。


毎年、先生方に伝えていたこと

私は毎年、年度初に「所信表明」として、先生方に20分程話をしていました。
第1章に書いたような、先生方の負担を減らすための私の方策について説明するとともに、先生方が負担感を減らせるヒントについて述べます。
⇊⇊⇊表紙は、こんな感じ

「今年度をスタートするにあたって、皆さんに、私の仕事に対する考え方をお話しておきます。いつも話していることをまとめただけで、年間を通して、連絡会等でも、繰り返し同じようなことを話します。毎年、同じような内容です。折に触れて、繰り返し読んでください。」
という、前置きから始め、読み原稿を学校LANの掲示板に載せて、繰り返し読んでもらえるようにしていました。

嬉しかったこと

何人かの先生が、読み原稿をプリントアウトして、週ごとの指導計画(週案)にはさんでくれていたのです。
ある先生は、要所要所にマーカーが付けてあって、よく読みこんでいることがわかりました。
そして、実際にきちんと実践していました。
嬉しかったです。


次回からは、「授業力向上のための方策」、次回は「授業力up①校内研究は誰のため?」です。


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