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第1章#7 校務分掌の整理~校務分掌とは?

もくじRemake『ホワイトな学校へ』

(約2400字)

校務分掌とは、学校の先生方の業務のこと

学校には様々な業務があり、先生方は授業をするだけでなく、これらの業務を分担しています。
先生方の役割分担の負担を減らすためには、校務分掌の見直しが必要です。

「これまであったから」、「なくなると不便なような気がするから」など、なんとなくそのままになっていて、分担することによって業務が煩雑になっていたり、負担が増えたりしているものが多々あります。


教育の質を落とさず、負担を減らす

先生方の負担を減らすときに、気を付けるべきは、子供たちの教育の質を落とさないということ。
行事などを何でもかんでもやめてしまったら、先生方の負担は減るかもしれないけれど、教育の質は下がります。
それぞれの教育活動には意味があり、教育的ねらいがあります。
子供たちのための学校です。教育の質は落とせません。
教育の質を落とさず、先生方の負担を減らす、その間隙を縫って改革していくのです。


校務分掌の内容は、例えばこんなこと

学校によっていろいろだが、私の勤務していた学校の改革後の校務分掌は、以下のとおり。

1 常置部会=①研究推進 ②特別活動 ③生活指導 ④体育
2 四委員会=Ⅰ学力向上 Ⅱ情報教育 Ⅲ特別支援 Ⅳ健康
3 特別委員会=入学・卒業、文化的行事・体育的行事
それに、
4 教務事務
5 各教科・教科外を分担する。

以下、勤務校でのそれぞれの内容を簡単に説明します。

1 常置部会

毎年、あまり大きく仕事の内容が変わらない。

① 研究推進(長:研究主任)
校内研究を推進する。
校内研究は、先生方の授業力をアップさせるのに、最も重要。
それを、計画して、進行管理、指導案のチェックを行う。

② 特別活動(長:特別活動主任)
委員会活動、クラブ活動など特別活動の運営。
縦割り班活動、「1年生を迎える会」「6年生を送る会」など、各種イベント系の学校行事の企画立案をする。

③ 生活指導(長:生活指導主任)
子供たちの、学校内外の生活のきまりなどを見直す。
避難訓練や、清掃指導など、学校生活に関わること全般を請け負う。
QUテストなどの実施、結果に基づく研修会なども担当。

④ 体育(長:体育主任)
縄跳び、持久走など体力向上に関する各種イベントの企画立案をする。
水泳指導、体力テストなど、体育関係の指導について方法・分担等を提案する。


2 四委員会

変化していく教育課題の解決に向け、対応していく。

Ⅰ 学力向上
児童の学力向上への取り組み、朝学習や放課後補習などを企画立案。
通知表の見直し、保護者アンケートなどを担当する。

Ⅱ 情報教育(長:情報教育推進リーダー)
児童への情報教育の企画立案。
校内のICT全般について、新たなシステムの導入に合わせて、その都度ルールなどを作成する。

Ⅲ 特別支援(長:特別支援教育コーディネーター)
特別支援、不登校、いじめ、虐待の各種校内委員会を取り仕切る。
特別支援の必要な児童の情報収集や、各種支援員等との連絡調整を行う。

Ⅳ 健康(長:保健主任)
食育を含め、児童の健康に関する取り組みの企画立案。
体力テストの分析結果に基づく、体力向上の取り組みなども提案する。


3 特別委員会

入学(長:現1年学年主任が次年度の入学式まで担当)主に3学期
新1年生保護者説明会の運営、入学式及び入学関連の企画立案。

卒業(長:5年生学年主任)主に3学期
卒業式及び卒業関連の企画立案。

体育的行事(長:体育主任)主に1学期
運動会の企画立案。

学芸的行事 主に2学期
学芸会、展覧会、音楽会などの企画立案。
勤務校の場合は、芸術祭(※別回で改めて解説します)として行っていた。

4 教務事務

#10で詳しく説明します

5 各教科・教科外

各教科と教科外については、以下の表のとおり。
各教科と教科外は、主に備品や消耗品を管理・点検して、予算を請求する窓口。主に4月。(自分の専門とは関係ない場合もある。)
各教科と教科外の後ろに、例えば「道徳(公開講座)」などとついているものは、カッコ内のイベント(年1回)も担当するという意味。

誰が何を分担しているか、こんな感じの樹形図のような表にしている学校が多いと思う。
(縦のバージョンもある。)

これのいいところは、起案のルートがわかりやすいところ。
右から左へ回していけばOK。

起案とは?

ここで、何回か登場している「起案」について補足します。
起案とは、いわゆる企画書のことです。
担当者が作成し、回覧用のゴム印を押し、主任、主幹、教頭と回覧して最後に校長が決裁します。前回も書きましたが、この文書の精度が高ければ、職員が動きやすいのです。
不十分なところが多いと、途中で担当者に戻されてしまうこともあります。先生方の中には、
「スタンプラリー」と言って(楽しんで?)いる人もいました。
省庁などでは、電子起案、電子決裁を取り入れていることも多いと思います。
勤務校では文書起案について以下のように取り決めていました。

急ぐときにはとばします!主幹Ⅰ・Ⅱがいる場合は、部会、内容によってどちらかに回します。

先生って、授業以外にこんなにいろんなことやってるの!
これを分担したって、山ほど仕事があるじゃないか!

と思われたかもしれませんが、これらの仕事は1年中同じ熱量で続くわけではなく、ほどんどが時期的なものです。
但し、その長となっている人は、メンバーの仕事の進行管理をきちんとして、みんなが困らないように、担当者の文書を一緒に見てあげて、早めに起案をさせる必要があります。

で、今回は「改革後」の分掌を例に、仕事の内容を説明しましたが、では、改革するに当たり、何をどのように見直せばいいのでしょうか?

次回、「 #8  校務分掌の整理~何をどう改革したの?」につづく=^_^=


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