ブリコルひらい

平井・小松川に縁のある有志メンバーが、「このまちにたゆたう声と風景」をテーマに、平井・…

ブリコルひらい

平井・小松川に縁のある有志メンバーが、「このまちにたゆたう声と風景」をテーマに、平井・小松川密着のまち誌「ブリコルひらい」の刊行や、イベント企画などさまざまな活動を行っています。 まち誌「ブリコルひらい」(書店「平井の本棚」発行)は2022年4月創刊、現在までに3号を刊行中です。

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    ブリコルひらいで企画する、イベントの情報をまとめています。

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    ブリコルひらいで編集しているエッセイ、寄稿文をまとめています。

最近の記事

ゲストスピーカーとして登壇してきました!/東京情報デザイン専門職大学

みなさま、小松川に専門職大学が開学したことをご存じでしょうか? 地域とともに発展する江戸川区初の4年制大学、東京情報デザイン専門職大学(TID)が2023年4月に小松川に開学したのです! 今回、情報デザイン学部講師の櫻井亮先生にお招きいただき、編集部メンバーがゲストスピーカーとして「エスノグラフィー」の授業に登壇させていただくことになりました。(令和6年5月30日) 講義は編集部のフリートークを中心とした形式とさせて頂き、それぞれの自己紹介、ブリコルひらいと関わることに

    • 出店させていただきました!/小松川千本桜まつり

      小松川では、荒川堤防に沿って南北2キロメートルにわたり約1,000本の桜(小松川千本桜)が植えられています。 そんな千本桜を愛でるべく、地域一体となったおまつり「小松川千本桜まつり」が毎年行われています。今回、ブリコルひらいもこのおまつりに参加させていただくことができました!時間が経ってしまいましたが、今回は出店の様子をご紹介します。(令和6年3月31日) 残念ながら桜の開花はまだでしたが、気持ちのよい春らしい陽気のもと場所をお借りして出店させていただきました。 今回は

      • 『ブリコルひらい』vol.02が刊行されました!

        『ブリコルひらい』vol.02が刊行されました! 今回は「逆襲の小松川」と「喫茶店をめぐって」特集の二本立てです。平井の本棚さん店頭もしくはHPから購入できます。vol.1も増刷しておりますので、あわせてご覧いただけると幸いです。 https://shelfhirai.thebase.in/items/73244923https://shelfhirai.thebase.in/items/73244923 荒川放水路から再開発までの小松川近現代史、 マンション下の商店街

        • 東京のかなり右側の街         

          僕が平井という街に出会ったのは意外と古いけど、実は何年も何年も無沙汰をしてました。でも今年になってウェブの仕事で平井と再会し、その後に『散歩の達人』(交通新聞社)でかなり歩き回り、「やっぱり僕はこの街が性に合ってる」と思ったんです。「好き」っていうよりは、性に合うって。 とてつもないモノに出くわす訳じゃない、ベタな下町風情がある訳じゃない、名所旧跡も観光スポットもネットでバズるとこでもない、だけど何だか歩いてると自然と頬が緩んで、鼻歌のひとつも出てきそうな塩梅。 平井って

        ゲストスピーカーとして登壇してきました!/東京情報デザイン専門職大学

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        • 開く/拓く
          4本
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          15本

        記事

          金魚は何を見つけたのか?─編集後記─

          4月から始まったnote記事もはや3ヶ月。 ここまで、13本の寄稿記事と3本のお知らせ記事をお届けしました。 「金魚」を一つのきっかけに、小松川・平井のまちの魅力を再発見してゆく。 そんな目的から更新を続けてきましたが、今回はここまでの記事を振り返りながら「金魚」がどんなものにたとえられ、何を見つけたのか、考えたいと思います。 まずは、活動のスタートにもなった、平井五丁目駅前地区再開発事業地の仮囲いの記事。1枚1枚の金魚たちには、書き手の想いが「色」や「模様」として表現さ

          金魚は何を見つけたのか?─編集後記─

          逆井の富士塚

           7月1日は富士山の山開き。平井には富士山のミニチュアが3つあることを皆さんはご存じですか。平井の富士(諏訪神社)、逆井の富士(浅間神社)、安養寺の富士(安養寺の境内)です。  富士信仰についてインターネットで調べてみると、浅間信仰、村山修験、富士講など、いろいろあって。そうとう昔から、最初は山岳信仰に始まり、仏教と習合して山林仏教として発展し、さらには霊山信仰的と・・。だんだん難しくなってきたので途中でギブ。  まっ。そんな感じで信仰が広まって、各地で民衆がミニチュアの

          逆井の富士塚

          ご近所目線、旧中川雑感

           江戸川区のお隣り、江東区に長く暮らしています。私たちってば、東京の東側の下町で、ハザードマップの常連であるゼロメートル地帯。平坦で、“さんずい”を抱える川の街。とりわけひょこっとこちら側(江東、墨田側)にはみ出ている平井にはモーレツな親近感を抱いていますが、「あっ、違う街!」と強く感じさせられるのは川の流れ。平井の川はうねっているのです。  その姿は数字の3を反転させ伸ばしたようなうねうね。平井の川である旧中川はこのうねうねで平井地区を囲んでいます。江東区は江戸期に輸送用

          ご近所目線、旧中川雑感

          金魚とガソリンスタンド

            金魚すくいをする場所の名は「ガソリンスタンド」である。そう思っていた。  平井駅南口を出て商店街をひたすら真っ直ぐ歩き、喧騒が遠のいたあたりで小松川地区に入る。さらに進むと、1軒のガソリンスタンドが現れる。駐車場とうっかり間違えてしまいそうな静かなスタンド。そこで、しばしば「金魚すくい大会」が行われていた。  もう20年以上も前のことである。今ではなぜそんなことになったのか、皆目わからない。本当に“大会”だったのかもわからない。大きな赤い長方形の水桶が3つ、本来車を

          金魚とガソリンスタンド

          Hirai_kingyo_layer

          「平井は、どこにでもある郊外の街ですよ。」 古本屋の店番をしている時、このセリフをお客さんに対して何弁言ってきたか分からない。北西にそびえ立つスカイツリーを視界から外すと、街の色が透明になっていく感覚をよく覚える。再開発の真っ只中というが、果たしてこの街には何があるのか。街の魅力ってどう伝えればいいのか。 初めからぼやきで始まってしまい恐縮ながら、この手の自虐は平井住民の特権と思ってご容赦頂きたい。とにかくボヤボヤ街を歩いていると、日常のあらゆるものが右から左にただただ流

          Hirai_kingyo_layer

          猫と金魚

           金魚といえば落語とは浅からぬ縁がある。そのものズバリのネタがあるのだ。「猫と金魚」と呼ばれているものがそれである。実は落語には珍しく作者がはっきりしていて、漫画家の田河水泡氏が作ったものと言われている。「のらくろ」を描く前の落語作家の頃の作品だが、これは時代を超えて今でもやり手が多いネタである。内容としては実に漫画的。 …ある商家。隣の家の猫に金魚を食べられないように、旦那が番頭に「金魚鉢を湯殿の棚に上げておくように」と頼む。物の分からない番頭は「金魚鉢」を棚に上げて旦那

          縁と金魚と平井

          平井駅北口の再開発が行われ、2025年初春には新たな商業施設やマンションが生まれるとのこと。 地元の人が再開発に関心を持つきっかけづくりとして、平井に縁のある約200名の方々が金魚の絵を描き、それらは無機質な工事現場の壁を見事に彩る。 詳細はこちらから↓ 東京から離れて半年以上が経つけれど、私もその企画にお声がけいただき、久々に色鉛筆を手に取る。 どんな金魚にしようかあれこれ悩んだ結果、このような金魚が生まれた。 コンパスでいくつもの円形を描き、七宝柄をつくる。 「初春

          縁と金魚と平井

          路上水族館

          街の一角を活用して個人が営む園芸活動を「路上園芸」と称し、好き勝手に見守っている。 玄関先、建物と道の境界や、室外機の上。建物が密集している街中では、ちょっとしたスペースに鉢植えが溢れ出し、即席の「庭」が生み出される。 庭がないから。なんとなく置いてみた。様々な理由があるだろう。車の衝突防止やゴミの不法投棄防止といった、実用的な意図を伴う場合もあるようだ。 路上園芸は、家と公共空間との境目に存在するもの。それゆえ、半分はそのおうちの方のものでありながら、半分は街にも開かれて

          金魚すくい(金魚の思い出①)

          ※「金魚の思い出」では、編集メンバーそれぞれの思い出をリレー方式で綴ってゆきます。 金魚にはロクな思い出がない。 そんな出だしから始めたら、趣旨と異なると怒られるだろうか。しかし、金魚もきっと秘密を抱えた人には掬われてくれない。そう思って、沈んだ思い出にポイを入れてみる。 まずは小学生の頃。私は再開発地域である小松川の団地のようなマンションに育った。むろん、金魚が江戸川区の名産であることなど知らなかったし、そもそも近隣に金魚掬いの屋台が出るようなお祭りも神社もなかった。

          金魚すくい(金魚の思い出①)

          金魚の記憶~1970年代の平井随想

          私の頭の中にはフィルムが入っている。静止画と映像、これを巻き戻し再生しながら記憶をたどる癖がある。Googleマップのストリートビューのポンコツ版。「金魚の記憶」と脳内検索すると、縁日、夜店の金魚すくいの映像が出てきた。 1970~76年頃の数年間だけ、平井4丁目にある道了寺の縁日では路地に夜店が出ていた。お寺さんに確認したら、徐々に画像のピントがあってきた。橙色の照明、射的、綿菓子、スーパーボールにヨーヨー釣り、発電機の音、人のざわめき。父に連れられ、そぞろ歩くのが楽しか

          金魚の記憶~1970年代の平井随想

          平井でデジタル金魚が泳ぐ日

          1.プライドオブ平井平井に住み始めて12年が経った。平井の近く、小岩~亀戸の総武線沿線ということでいえば20年になる。「平井に住んでます」と言ってもすぐに分かってくれる人はなかなかいない。だから「錦糸町・亀戸の隣にそんな場所があるんです」と言ったり、「ざっくりスカイツリーの方です」と言ったり、「江戸川区です」と言ったりすることもある。でも私は、そんな「知る人ぞ知る」場所であり、川と川に挟まれたゆったりのんびりとした住宅地であるということをけっこう気に入っている。 私は、好き

          平井でデジタル金魚が泳ぐ日

          たゆたうまちの思い出

          地形をこよなく愛する人たちは「スリバチ地形」という言葉を使う。 高台と高台の間に挟まれた窪地で、まるで食器の「スリバチ」形状になっている地形を指す。 平井は、旧中川と荒川に挟まれ、海抜0メートル地帯。 平井という地名の由来は諸説あるが、「平たい・江」で、「江(え)」がなまって、「井(い)」に転じたという説がある。 「川に囲まれ、平井の人は平井から出ない」と住民の間では合言葉のように言われるが、 川と川の間のまちの中が平らな江(入り江のこと)だとすれば、 「平井」というまち

          たゆたうまちの思い出