見出し画像

逆井の富士塚

 7月1日は富士山の山開き。平井には富士山のミニチュアが3つあることを皆さんはご存じですか。平井の富士(諏訪神社)、逆井の富士(浅間神社)、安養寺の富士(安養寺の境内)です。

 富士信仰についてインターネットで調べてみると、浅間信仰、村山修験、富士講など、いろいろあって。そうとう昔から、最初は山岳信仰に始まり、仏教と習合して山林仏教として発展し、さらには霊山信仰的と・・。だんだん難しくなってきたので途中でギブ。

 まっ。そんな感じで信仰が広まって、各地で民衆がミニチュアの富士山を建設してしまうぐらいに流行った、ということらしいのです。富士塚の一覧表を見つけたので数えてみると東京都内だけで120カ所ぐらい、そのうち江戸川区には18カ所ほどと最多、それだけ人気だったみたいです。ゼロメートル地帯だから高いものを崇拝したのでしょうか。

 さて、あたくし、平井生まれの平井育ち。縁あって逆井村の白髭神社の世話人会の末席を汚しています。逆井の富士塚の消息についてはある程度分かるので、そのことを書いてみたいと思います。
 
 平井三大富士塚の1つである逆井の富士塚は、平井の白髭神社の境外末社という位置付けで、旧中川沿いに聳えています。地上から山頂までの高低差は約6m。最近は登山禁止の富士塚が多いらしいのですが、ここなら誰でもいつでも登ることができます。本物を登りに行くのが面倒な人は是非。ただ、見晴らしについては微妙かな。

山開きの様子
 。

それと、旧中川の河川敷は春の桜、梅雨の紫陽花などインスタ映えするので、最近は女子が彼氏にカメラを持たせて参集し撮影大会になっていますが、富士塚については全く眼中にないようです。それは、周囲をコンクリートの駐車場に囲まれて風情のかけらもないからでしょうね

 でもね。この駐車場があるから神社の経営は成り立っているのです。白髭神社、稲荷神社、浅間神社の運営は、旧逆井村地元の6町会が担っています。輪番制で年番町会がその年の神社の運営、祭礼を仕切り、各町会から町会長、神社総代、世話人5人の都合7人。7×6=42人の神社世話人で維持管理をしています。神社の維持管理にお金はそれなりにかかります。収支決算の収入の部は駐車場使用料に負うことが大きいのです。ということが、コロナの前のお祭りで会計を手伝ってみて分かりました。

 まちの中には見えない仕組みがあるのですね。それが現在の神のようなものなのかもしれません。

文と写真:露木尚文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?