濱崎達憲

本州の西の端で町医者してます。

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マガジン

  • 睡眠時無呼吸症候群

    睡眠時無呼吸症候群について書いてみました。興味のある方は、読んでみて下さい。

最近の記事

最終回、足の浮腫(むくみ)と痙攣(つり)

 クリニックでは、太腿から足先までカバーする「メドマー」があります。  血圧計の時に腕に巻くカフのお化けの様なマッサージ器です。足先から心臓に向かって加圧して溜まった血液を心臓に戻します。  足のむくみを「下腿浮腫」と呼ぶのですが、メドマーなどの物理療法は、利尿剤の使い過ぎなどの様な弊害がでないので、お勧めです。  また、下肢静脈瘤の治療に使う弾性ストッキングを立ち仕事の時などに履くのも有効です。  これまでに挙げた方法は、別々ではなく、どれもこれもやってみると良いと思います

    • 第8回、足の浮腫(むくみ)と痙攣(つり)

      マッサージは、どうしたらいいのでしょうか。  踵から膝に向かって腓腹筋を揉みましょう。心臓に向かって血液を返すイメージです。一寸刻みに揉みましょう。  「いち、に、さん、し、、、きゅう、じゅう」と数えながら鷲掴みして、溜まった血液を心臓に戻しましょう。入浴中にすると下半身に水圧がかかっているので、更に効果的です。

      • 第7回、足の浮腫(むくみ)と痙攣(つり)

         重力を味方につけるには、むくみのメカニズムの反対をすれば良いのです。  一日中立ちっぱなし、座りっぱなしだと、足が一番下になっていますよね。足を上にすればいいんです。仕事途中の休憩時などに床に寝っ転がって足をソファの上に載せてブラブラしましょう。夜寝る時は、畳んだ布団の上に足をのせて休みましょう。特には膝から下を高くすることが大切です。

        • 第6回、足の浮腫(むくみ)と痙攣(つり)

           歩けない人はどうしたらいいのでしょうか。ズバリ、重力を味方につける事とマッサージです。それぞれについて解説します。

        最終回、足の浮腫(むくみ)と痙攣(つり)

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        • 睡眠時無呼吸症候群
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          第5回、足の浮腫(むくみ)と痙攣(つり)

           今までの説明を聞けば、何をするべきかは明白ですね。心臓は生きてる限り働いていますが、腓腹筋はそうではない。働きが悪いですね。  歩きましょう! わかっているけど、それが出来ない。

          第5回、足の浮腫(むくみ)と痙攣(つり)

          第4回、足の浮腫(むくみ)と痙攣(つり)

           一日中動かない人、歩かない人、運動不足の人では、腓腹筋のポンプ作用が全く足りないのです。そうなると腓腹筋で滞った血液中の水分が血管外に漏れ出すのです。これが夕方に酷くなるむくみの正体です。腓腹筋に溜まった乳酸が痙攣の原因になるのです。痙攣は、腓腹筋が酸欠で栄養不足で老廃物が溜まっていることで喘いでいる証拠だと言えるでしょう。

          第4回、足の浮腫(むくみ)と痙攣(つり)

          第3回、足の浮腫(むくみ)と痙攣(つり)

           まず、脚の血行を説明します。血管には、動脈と静脈があるのはご存知ですよね。話を簡単にする為に、ここでは、血液を送り出すポンプである心臓と脚の筋肉の代表として腓腹筋をあげます。  心臓から送り出された血液は、弾力性のあるゴムの管の様な動脈で腓腹筋に到達します。この動脈血には、豊富な酸素とエネルギー源が含まれています。これらは腓腹筋が運動すると消費されて、疲労物質である乳酸を発生させます。そして静脈血になります。収縮した筋肉のポンプ作用でこの静脈血は心臓に送り返されます。筋肉の

          第3回、足の浮腫(むくみ)と痙攣(つり)

          第2回、足の浮腫(むくみ)と痙攣(つり)

           多くの場合、夕方になると足が腫れてきます。靴下のゴムがそこだけ食い込んでいます。そして夜寝ていると「こむら返り」が起きて、とも痛い思いをします。  どう言う訳か、朝になるとむくみは軽くなっていませんか。

          第2回、足の浮腫(むくみ)と痙攣(つり)

          第1回、足の浮腫(むくみ)と痙攣(つり)

           僕も、仕事柄一日中座りっぱなしの事が多い。夕方には、ふくらはぎが浮腫んで靴下のゴムが食い込む。痛みも出てくる。夜寝てると痙攣が起きることもある。  運動不足が諸悪の根源である事は分かっていても、疲れて帰って晩酌をすると、そのまま沈没することも多い。  普段、患者さんには、人間最後は自分の足で歩ける事が、何よりも大切だよと力説しても、生活習慣を改善するのはなかなか難しい。  うちに来られるご高齢の患者さんも、特に一日中テレビばかり見てて歩かない人は、夕方になると足が浮腫んで痙

          第1回、足の浮腫(むくみ)と痙攣(つり)

          SASうつ伏せ寝の実際(第13回補足)

           どうも文章では、うまく伝わらないので、出演しました。サスペンス劇場じゃありません。笑笑。  例えば左側を向いてうつ伏せ寝する時は、この様にします。左側の肘と膝で身体を少し浮かすのです。この時、右腕右脚は、下に伸ばします。こうする事で、胸とお腹を圧迫せずに息がしやすくなります。また首などの痛みも出にくくなります。  右側に向く時は、左右対称に、右肘、右膝で支えます。ちょうど水泳のクロールで息継ぎをするイメージです。  それにしても、我ながら立派な腹だなぁ。爆笑。

          SASうつ伏せ寝の実際(第13回補足)

          高血圧(最終回)コントロール不良

           ここまでやってもコントロール出来ない患者さんがいます。時に早朝高血圧が残る方がおられます。更に不整脈を伴っている方も。  その時は、処方を変える前に、あるいは処方薬の内服方法を複雑にする前に、睡眠時無呼吸症候群の有無を確かめて下さい。高血圧の原因が2つあって薬物治療だけに拘るのは、片手落ちと言わざるを得ません。  無呼吸で、つまり首を絞められて酸欠になって血圧が上がっている人に薬を盛って、見せかけの血圧を下げても意味がないからです。  睡眠時無呼吸症候群の治療を追加する事で

          高血圧(最終回)コントロール不良

          高血圧(第11回)実際の処方

           ノルバスク2.5mgないし5mgから始めます。ノルバスク5mg処方2週間で下がらなければ、ミカルディス20mgを追加します。更に2週間でコントロール出来なければ、40mgに上げます。それでもダメなら、ナトリックス1mgを追加、下がり過ぎたらなトリックスを0.5mgに減らすか中止します。  あまりに治療開始前の血圧が高い患者さんはノルバスクの代わりにアダラートCRから始める事もあります。  ノルバスク、ミカルディス共に血中半減期が36時間程度だったと思います。  生活習慣病の

          高血圧(第11回)実際の処方

          高血圧(第10回)何を使うか

           主にカルシウム拮抗剤、ARB、利尿剤の3種類を処方しています。大抵の場合、単剤、2種類併用、3種類併用でコントロール出来る様に思います。順番は1カルシウム拮抗剤、2ARB、3利尿剤です。それぞれ少ない量から始めます。  高血圧の患者さんは、身体が血圧の高い状態に慣れているので、急激な降圧は良くないと思われます。  例えば、高齢者などで急激に下げると脳の血流が低下して、ふらつきが出たりします。  年間を通して季節の移り変わりによる血圧変動は、利尿剤の加減で上手くコントロール出

          高血圧(第10回)何を使うか

          高血圧(第9回)治療薬(塩抜きと緊張緩和)

           残りの2種類は、心臓の興奮を抑えるβ遮断薬と塩抜きの利尿剤です。  塩を摂り過ぎると血管の中の塩水のボリュームが増えるので、血圧が上がると説明しました。そして美味しい物には、塩があると。  ついつい食べ過ぎたり、薄味に馴染めなかったり、濃厚な味の外食が多かったりする場合は、明らかに塩分の摂り過ぎです。尿中に出し切れないと血圧が上がります。  そんな患者さんには、少量の利尿剤を処方すると上手くいく事があります。

          高血圧(第9回)治療薬(塩抜きと緊張緩和)

          高血圧(第8回)治療薬(血管を拡げる)

           沢山の薬がありますが、6種類です。そのうちここで挙げた4種類は、効き方の違いはありますが、血管を拡げて血圧を下げる薬です。  器の中に液体が入っているとします。器を拡げると中の圧力が下がりますね。  なかでもカルシウム拮抗剤とARBを頻用しています。

          高血圧(第8回)治療薬(血管を拡げる)

          高血圧(第7回)血圧測定の補足

           よく患者さんに尋ねられます。血圧はいつ測ったらいいですかと。そんな時は、こう答えています。  生きている限り血圧はある。然もその時々で変動する。これが事実です。本来なら24時間自由行動下血圧を測りたいぐらいです。  でも忙しい現代人には到底無理なので、兎に角測定したら何も考えずに血圧手帳に記録して下さいとお願いしています。そして何か気になることがあれば、手帳の余白に書いてねと。  やってはいけないことがひとつだけあります。例えば、1回目が180/100だったとします。誰もが

          高血圧(第7回)血圧測定の補足