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【30枚小説】ザッツオールライト、ママ
玄関のベルがピンポン鳴った。鳴るまえからなんだか外がざわざわしている気がしていた。台所の窓は開けたままだ。いるんじゃないですか、そう言っていた気がする。もういちど、ピンポン鳴った、私は、はあ、と答えた。だいぶ掠れていた。そういえば昨日から誰とも話していない。声の出し方もいっしゅんわからなくなった気がした。
「小野寺さん、」男の声がした。キツネみたいな声だった。キツネ?キツネの声なんて聞いたことが
玄関のベルがピンポン鳴った。鳴るまえからなんだか外がざわざわしている気がしていた。台所の窓は開けたままだ。いるんじゃないですか、そう言っていた気がする。もういちど、ピンポン鳴った、私は、はあ、と答えた。だいぶ掠れていた。そういえば昨日から誰とも話していない。声の出し方もいっしゅんわからなくなった気がした。
「小野寺さん、」男の声がした。キツネみたいな声だった。キツネ?キツネの声なんて聞いたことが