【連載小説】真・黒い慟哭第4話「トンネルに劈く悲鳴」
【金属加工株式会社 ヤガミ】その建物の前に1人の男が立ち寄った。優が社長を継いだ1年前に倒産してしまった。原因は客先のトラブルを軽視していた優の判断の甘さが重なり代々受け継いできた信頼を失ってしまった為である。何事もお金で解決できない問題もあるのだ。閉められたシャッターの張り紙が風でなびいていた。多くの社員が怒り、狂い、嘆き、途方にくれた。木口賢治もその一人だったが、今はプロゲーマーとしての人生を歩んでいた。だが、賢治はもう若くない遅咲きである彼は今は順調でもいずれ腕が衰える