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復讐ディナー

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復讐ディナーそれは最後の晩餐。 ある男のたった1度の過ちが絶望の淵に追い込まれる。その女性のセリフが『全ての男は悪よ!』そう吐き捨てる壊れた妻の残酷な仕返しにあなたは吐き気を催す…
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〈連載グロ小説〉復讐ディナー エピローグ「常闇の鴉」

〈連載グロ小説〉復讐ディナー エピローグ「常闇の鴉」

復讐ディナーエピローグ

 沙耶香が電車内で起きた事件の一報を聞きつけ、そちらの捜査に切り替えようとバスに乗車した。右側のイスに座った瞬間! 異様な空気を感じた。《刑事の直感だ!》左側前方に座っている女性に目が止まった! じっくり観察していた。黒髪のロングヘアに違和感を感じた! 沙耶香も気付かれないように窓に目を見やる。顔を背けて目の端で再度確認する。
ダウンのポケットからメモ帳を出して聞き込み情

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〈連載グロ小説〉復讐ディナー 第15話「火喰鳥」

〈連載グロ小説〉復讐ディナー 第15話「火喰鳥」

復讐ディナー第15話

 美奈代〈親鳥〉は美香〈雛鳥〉に餌を与えてくれた。吉江夫婦も同様で飛べない雛鳥に餌を与え、羽ばたけるようにしてくれたに過ぎなかった。
美香はそんなふうにしか考えられなかった。

 3つの鳥籠を経て、今……電車に乗っている。そして……お腹を空かした雛達が待つ4つ目の鳥籠へと向かっている途中だった。
横並びで座る座席で右目に白い眼帯を付け、黒髪のロングヘアで黒のロングコートを着

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〈連載グロ小説〉復讐ディナー 第14話「血の言葉」

〈連載グロ小説〉復讐ディナー 第14話「血の言葉」

復讐ディナー第14話

 小林がノートを閉じた。
柴田奈々の証言はこうだ! 朝早くに起きて朝食の準備を済ませてから、長男が部活の朝練に行く時間が迫っていたので、なかなか起きてこない長男に苛立ちながら、2階の長男が寝る奥の寝室に入ると無惨にも目を閉じた首だけが枕元に残っていたというものだった……
奈々が慌てて隣で主人と次男が寝ている寝室に入るとそこは現実の世界ではないグロテスクな光景だったと……それ

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〈連載グロ小説〉復讐ディナー 第13話「侵入」

〈連載グロ小説〉復讐ディナー 第13話「侵入」

復讐ディナー第13話

 美香の犯行は常識離れした異常な行動だった。それが、あまりにも凄まじい現場だったので、ニュースでは事件の内容は事細かく報道するのが常であるが、今回は過去に前例がないほど凄惨な事件であることから最低限の内容で抑えられた。
赤ちゃんの母親は、その報道を観て怒りを露わにした。

(何故……私達の子供を理不尽に殺されなければいけないのか?)

 母親が余りにも報道された内容が簡素な

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〈連載グロ小説〉復讐ディナー 第12話「理不尽な理由」

〈連載グロ小説〉復讐ディナー 第12話「理不尽な理由」

復讐ディナー第12話

 3時間後……
犯人は全身に血を浴びており、駅前で確保された。犯人は幼児を引き摺り、素足で血の足跡を地面に擦り付けて、鳩のように首を前後に動かしながら、駅前を歩いていた。
それを見た通行人はあまりにも滑稽な動きに笑う者もいたが大半は返り血を見るなり真顔になり、そそくさと離れていく者や怯える者やスマホで動画を撮る者など様々だが、その中で鬼の形相で発狂している母親らしき人物が膝

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〈連載グロ小説〉復讐ディナー 第11話「寡黙な殺人鬼」

〈連載グロ小説〉復讐ディナー 第11話「寡黙な殺人鬼」

復讐ディナー第11話  

 嵐のような……雷鳴が鳴り響く夜……
自室に籠もり頭を抱え、うずくまっている、一人の女性。10年間苛まれ続けた母の言葉が突如として、消えた。震えが止まりゆっくりと立ち上がる、すると、耳鳴りが聞こえた。それは、ノイズの音だった。
 まるで、テレビの砂嵐のようにだんだんと音が大きくなりやがて……止まった!
 美香は悟った。(母の言葉が消え、ノイズが聞こえた母はもう、この世か

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〈連載グロ小説〉復讐ディナー 第10話「公園」

〈連載グロ小説〉復讐ディナー 第10話「公園」

復讐ディナー第10話

 美香はバスを使って沙耶香と明美が待つ公園まで向かった。いつもなら公園まで歩いて行ける距離だったが、この家から公園まではとても歩いて行ける距離ではなかった。
学校に行くときも、このバスを利用しているため、吉江おばさんに通学用の定期券を購入してもらっているので、今回はこれを使っている。

 バスに揺られながら、美香は自身の身体の異変が何なのか気になっていた。それは、定期的にや

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〈連載グロ小説〉復讐ディナー 第9話「母の言葉」

〈連載グロ小説〉復讐ディナー 第9話「母の言葉」

復讐ディナー第9話

 美香の通う小学校では、ホームルームで担任の斎藤千晶が、重たい口を開いた。

「平崎美香ちゃんは、体調不良で2週間休んでいましたが、今日から登校することになりました」

もうすぐ、教室に入ってくる旨を伝えた。
すでに、ニュースでも取り上げられているのだが、敢えて登校を遅らせて混乱を防ぐためか子供達に刺激を与えまいとする千晶の配慮だった。
すると、ニュースを知っているのか、知ら

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〈連載グロ小説〉復讐ディナー 第8話「新しい人生」

〈連載グロ小説〉復讐ディナー 第8話「新しい人生」

復讐ディナー第8話

 10年前の2月23日……事件の3日後

1台の車が自宅に到着した。移動中の車内は終始無言で重苦しい空気から、開放されたように、ドアが開き少女が出てきた。

「ようこそ、ようこそ」吉江が玄関先で明るく出迎えてくれた。
「美香ちゃん、大変だったね!」
「荷物はそれだけ?」吉江が心配そうに声を掛ける。

 その少女は、グレーのパーカーにジーンズ姿で、薄汚れたリュックを背負い両手で

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〈連載グロ小説〉復讐ディナー 第7話「雷鳴の夜」

〈連載グロ小説〉復讐ディナー 第7話「雷鳴の夜」

復讐ディナー第7話

 2月23日……ついに、その日が来たわ。

「彼は見事に食卓で絶命したわ」
「貴方が浮気なんてしなかったら、美味しい夕食を食べる事ができたのに……」
「彼は残った左目で全てを見て、全てを理解して、後悔しながら死んで逝ったのよ」
「そう……すべてが上手くいったのよ」

 何の計画もなく、ただ成り行き任せの犯行で、あっさりと1人の人間がこの世から、抹消されたのだ。
 美奈代は、隣

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〈連載グロ小説〉復讐ディナー 第6話「白昼の惨劇」

〈連載グロ小説〉復讐ディナー 第6話「白昼の惨劇」

復讐ディナー第6話

 ハイツ大野と書かれた外壁を目にすると、女が部屋に入るまで車内で待った。それを確認してから、車を路上に停車してトランクから──を取り出してあの女の部屋に向かった。
 誰ともすれ違わず部屋の前で立ち止まり。ドアノブを握り回してみる。
(チッ! 当然よね……)美奈代は鍵が掛かっている事に舌打ちをした。
インターホンを鳴らすと、マイク越しに雌の声がしたわ。すかさず私はマイクに話しか

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〈連載グロ小説〉復讐ディナー 第5話「狂気の食卓」

〈連載グロ小説〉復讐ディナー 第5話「狂気の食卓」

復習ディナー第5話

 ふと……目が覚めた。
薄れた意識がはっきりとしてきた。薄闇の中で首を振り辺りを確認する。ここは?
見慣れた部屋の間取りに……どうやら、自分の家のリビングのようだ。
 立ち上がろうとした時、『ガタ』と椅子が持ち上がった。バランスを崩しそうになった男は怪訝そうに一瞥し眉根を寄せた、椅子から離れる事が出来なかった!

 両手を椅子の後ろで、縛られている事に気付いた。身じろぎながら

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〈連載グロ小説〉復讐ディナー 第4話「睡魔」

〈連載グロ小説〉復讐ディナー 第4話「睡魔」

復讐ディナー第4話

 すっかり日は落ち辺りは暗闇に包まれていた、学校から帰ってきた美香が玄関のドアを開けながら(今日は話が盛り上がり帰りが遅くなってしまったから、いつもより暗いな)
空を見上げながら少し怖くなった。
その時! 突然ドアの隙間から黒い影が足元を横切った。一瞬ギョッと普段はあまり表情に出さない美香が思わずビックリした。
後ろを振り返ると黒猫のラムがこちらを見ていた。帰路についた安心感

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〈連載グロ小説〉復讐ディナー 第3話「友達」 

〈連載グロ小説〉復讐ディナー 第3話「友達」 

復讐ディナー第3話

 昼休みを告げるチャイムが鳴った。
クラスの男子が我先にと嬉しそうに、外へと走って行く子、お弁当を食べながらおかずの話で盛り上がってる子、お弁当も食べずにスマホの画面に夢中になっている子を横目に、おにぎりを片手に怪訝そうに見ている一人の少女。

平崎美香は数年前からハマっているのが、鳥である。何故……鳥なのかというと子供とやらは犬や猫や小型の動物ならハムスターなど何かしらのペ

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