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高度な技術を受け継ぐ江戸友禅「引染め職人」新宿区「ふじや染工房」中村隆敏氏の手仕事

日本には、古くから伝わる高度な技術や技法を習得した「伝統工芸士」として認定された貴重な(特殊な)作り手(職人)がいます。

今回、東京都の公社のご依頼で伝統工芸士の経営支援コンサルをさせていただいたご縁がある新宿区下落合で「引染め職人」を営む「ふじや染工房」3代目中村隆敏氏のご紹介をさせていただけたらと思います。

新宿区の地場産業でもある「染め物」と高度な職人技術

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まず、工房の中にお邪魔すると新宿とは思えない昔ながらの土間と1反12mの長い反物が工房の端から端に張ってある風景も非常に特徴的でした。

床が土なのは、着物を染める際の染料がそのまま土に染み込んでいく工夫と湿度調整、温度調整など繊細な調整が必要で夏でもストーブを炊くそうです。新宿区とは思えない昔ながらの作業場です。

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(写真:ふじや染め工房3代目の中村隆敏氏)

着物には織りと染めがあり、織りに比べて染めの着物は図柄や色も多彩で、格の高いハレの着物のイメージがあります。

色々な技法もあるのですが日本の着物の染色技法の1つが友禅染め。京都の京友禅、加賀友禅、江戸友禅(東京)があり、江戸友禅の絵を描く前の〝絹の反物を刷毛を使って丁寧に染めていく〟「引染め(ひきぞめ)」という作業を行うのが中村氏ということです。

オーダーが入ってから1つ1つ0から染料を調合しオーダーメイドで作る「色作り」が一番神経を使う作業

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絹(シルク)の生地がほぼメインになりますが、預かった生地がお客様によってバラバラなので乾いたときの印象はじめ色のつき方がまず違う。また試しにテストする布地は小さい面積でテストするので12mの大きな面積になった時との見え方のギャップも生まれる。

また、本番は、前日に染めた反物と見本を比べて足りない色味を足して指定の色の95%〜98%の濃度になるよう調整する。

染めるというより色を布地に重ねて繊細な色味まで調整していくので

染めと乾燥を繰り返すこと3回?!

また乾燥させるときも布地全体が均一に乾くように工房全体の環境をストーブや土間に水を撒くなどして温度と湿度の調整が必要という気が遠くなるような工程が必要な伝統技術であります。

続く・・・。


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ブランディングデザイナー、クリエイティブディレクター 2005年に自身の動物好きが高じてオリジナルペットブランドCuddlyHeartsを設立。デザイン性・機能性・環境に優しい素材にこだわり日夜試行錯誤を重ね国内外のグッドデザイン賞受賞、特許取得などビジネスチャンスとノウハウ多数