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ブランドの強みを最大化する方法 [コンセプト編]

自分のことをかえりみて、世界をみる。
自社を分析して、競合、市場やトレンドを分析する。
では、今日はこのつぎに取り組むお話。「コンセプト作り」です。

みなさんはブランドという家を建てるとき、支柱を立てずにいきなり壁や窓はつくりません。コンセプトというのは、何かを作る前に必要な支柱です。ブランド事業を行うとき、必要になるブランディングツールや、広告施策を考える前に決めておくものです。


ブランドコンセプト = ブランドの骨格


ブランドの「強み」をもとに骨格を構築する。
その後は次回説明することになりますがブランドの強みをデザインで「見える化」していきます。ヴィジュアルアイデンティティ(VI)とよばれるものをつくるわけですが、それには核となるコンセプトがないとブランドメッセージは弱くなります。
ということで、今回は以下の前回記事の続きです。


今日は以下の視点でコンセプトの立て方を紹介していきます。

[3つの視点]
強みに「独自性とニーズ」はあるか
強みが反映された「ブランドアイデンティティ」か
強みは簡単に「イメージ喚起」できるか


独自性とニーズ



独自性があり、ニーズのないものは自己満足で終わります。そして
ニーズがあっても、独自性がないものはコモディティ化します。
もとめられるものは、「独自性とニーズ」です。

独自性というのは、他社との比較の中でなりたつ相対的価値です。同業他社の多い都市部では、隣の店との違いを明確に打ち出す必要があります。顧客から「選ばれる理由」が何かの部分です。
同業が多すぎて自社の特徴はない、あるいはよくわからないという企業が意外に多いのかもしれません。そこで、こうした自社のサービスの強みに独自性を見いだすヒントとなる考え方があります。
それは、既存サービスの掛け合わせ、あるいは別の視点での言語化です。

[既存サービスの掛け合わせ]

自社の「強みA」 = 同業他社の「強みA」

自社の「強みA + 強みB」 ≠ 同業他社の「強みA」

どんな会社やブランドも強みが一つだけとは限らない場合が多いと思います。そこでセットで組み合わせて競合優位性を得るわけです。

[別の視点での言語化]

東京都内の商圏で強みがベスト10に

世田谷区の商圏で強みがベスト1に

上記の言語化の違いに関しては、別に商圏の広さやランクづけに限りません。たとえばプロダクトの特徴を伝えるものであるのなら、魅力の伝え方を変えてみたりとやり方は様々です。私はどんなものにもかならず特徴があると考えます。必ずです。特徴がないものはないです。その特徴を探して、発見し、伝える努力をしてみてください。

大きな予算でゼロからサービス開発せずとも、既存のものの組み合わせや、別の視点からの発想で新しいものは作り出せます。上記の考え方で、一度事業のポートフォリオを見直してみることをおすすめします。

独自性とニーズは、大きければ大きいほど市場でのインパクトは絶大です。あとは売れる仕組みと広報の問題となりますが、仮にこの独自性とニーズが弱い場合、どんなに大々的なPRをしても、どんなにバズるクリエイティブ広告を売っても、ブランド伝播の効果は短期的でかつ限定的なものになりがちです。

みなさんしかできないもの、みなさんのサービスをまちわびている人をみつけてみてください。



ブランドアイデンティティ


ブランドアイデンティティ(Brand Identity/BI)は、いわばブランドの本質を現すものです。これについては以前に以下の記事で説明しています。

最近はパーパスという社会的存在意義を現す言葉が言われていますが、このパーパスに近いものとして捉えることができます。パーパスは社会との関係性の上でもっと具体的な取り組みや姿勢を含むメッセージである一方で、アイデンティティはよりブランドの本質的なあり方を現すコンセプトです。


ブランドアイデンティティ  ≠  パーパス



アイデンティティには核となるコンセプトが必要です。コンセプトはブランド事業のすべての核となるため大切なものです。
コンセプトでは上にあげた事業の強み伝えながら、他社と何が違うのか、自社にしかないストロングポイントは何か、どのユーザーに対して、そのユーザーの何を解決させるのか。そこを端的に表現します。


自社のサービスの特徴を、(WHAT)
誰に対していうのか。(WHOM)

その人の何を改善するものなのか。(WHY)

本来WhereとHowも入るのですが、「伝える」広報部分のお話になるのでここでは割愛します。

コンセプトはシンプルな表現で


コンセプトは言語化に意味があります。理由は他者とのコミュニケーションに関わるからです。これは対社外だけでなく、社内に向けられた意識統一、いわばインナーブランディングにも貢献します。事業として「何を大切にして」「どこへ向かって」「誰に向かって」ビジネスをするのかを他者と共有するには、「言葉」をつかいますよね?
簡潔で的を得た表現が記憶されやすいです。これが対社外だとどうかは言うまでもありません。



イメージ喚起



ブランドの強みは、わかりやすく伝わりもすれば、不本意に解釈される場合もあります。

伝わりにくい強みは「強み」として伝わりません。
伝わらない強みは、伝えていないのと同じです。

それゆえに、伝え方って大切ですよね。
ここでは伝える過程において、伝えられた側のイメージ喚起が自然とできるかどうかが鍵になります。大切すぎるのでもう一度。


その強みはイメージ喚起するのか?


Lineで友達と話すとき、相手の言ったことがわからないければ聞き返しますよね? ただこれが一方通行のメッセージの場合はいかがでしょうか? 理解ができないと忘れ去られるだけです。
人が1日に触れる情報量は膨大です。そこですこしでも記憶されやすく、アピールできる強みが求められます。


では今回の総括です。

独自性とニーズがある強みを
コンセプトに落とし込み
イメージ喚起されやすい簡潔に言葉に落とし込む。



取り組んでみてください。

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