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日本のデザインコンペは閉鎖的か? ②

前回記事の続きです。

日本の主要デザインコンペにおける以下の問題点ですが、これが問題になる理由を説明していきます。


主な問題点 ]

問題1  審査員の主要メンバーが毎回変わらない

問題2  審査員も出品でき、投票できる

問題3  出品作品が誰が作ったかの情報がわかる

問題4  会員のみ応募が可能


※以上の問題はコンペ運営団体により、該当しないものもあります。




問題1
審査員の
主要メンバーが毎回変わらない


同じ審査員が毎年、審査を判断する体制に問題があると考えます。これは世界のコンペ運営体制からみても珍しいです。ボードメンバー以外、毎回招致されるゲスト審査員の存在はありますが、それでは問題の根本は解決しません。

審査員といっても、経験があり有名で認められているプロのデザイナーの絶対数がそもそも少ないので、ある程度審査員が固定されるのは致し方ないと考えることもできるのですが、例えば同じ審査員で審査が行われ続ける場合、これは審査側の評価の傾向が、選出される作品にも当然ですが現れてきます。これのメリットがあるとしたら以下でしょうか。

1 選出作品に傾向が生まれるため、評価基準を印象付けられる
2 コンペとしての権威性を保てる

1ですが、毎年同じ審査員団が判断すれば自ずと、選ばれる作品のレベルや傾向が感覚的ではありますがわかってきます。これは国外のコンペにおいても同じです。過去に受賞した作品群のアーカイブをみて審査基準をある程度はかれます。
2の権威性は不要だと思いませんが、権威性を保つ以上に公平性と多様性がないといけないのでは?と思います。
ではこの審査員の固定体制がつづくと何が起こるか?

前年までの受賞作品を真似た作品が増える


これは今に始まったことではありません。ではなぜこれが可能かというと、審査会はクローズドのため一般の方は見れませんが、受賞作品は後に発表され、デザイン年鑑としてアーカイブされ、興味のある人の目に触れられるものになるからです。
日本のグラフィックデザイン業界はSNSの発展で作品性に多様性が生まれてきているにしても、相変わらず「ある種の流行の表現」というものが存在しています。この主な理由は応募者の受賞に対する意識です。評価されやすい傾向をみて、そのエッセンスを自分の応募作品に組み入れる。まあ自然ですよね。

では一方で受賞作品に「流行表現」がみて取れないコンペティションは必ずと言っていいほど毎年審査員が総入れ替えしていたりする。あるいは海外からゲストを招致して、そのゲスト審査団で選考していたりする。

私は日本だけでなく。アジアやアメリカ、ロンドンなど国外のコンペティションにも積極的に「同じ作品」を応募してきているのですが、評価は国や文化が異なると本当にバラバラですね。たとえば日本やアジア隣国で開催されるコンペティションにおいて「よい」とされるものが、アメリカでは全く「よくはない」とされる作品もあります。ではこれはなぜおこるのか?


審査員が違うからです


審査員が毎回違うからというより、経験してきたものが異なる様々なバックグラウンドをもつ審査員は作品評価の仕方も異なりますので、数学のような正解不正解を出すものと違い、評価は別れるわけです。この点においてはデザインとは非常に感覚的な部分もあり、評価基準を設けることがむずかしいのものと言えます。
そんな中でも審査体制を健全かつ公平に保つ必要があるわけです。つまり個人の「好き」「嫌い」で選ぶのではなく、感覚でしか捉えれない作品も多いものに対して、明確な審査基準をどう設けているのか? これが問題です。私はこれをどういう判断基準で行われているのかわかりません。運営側から審査員に対して作品選定における何かの「指示」があるのか、あるいは審査員に評価基準を丸投げするのか。。

いずれにしても、健全なコンペ運営の元で行われているコンペティションは以下のものです。



公平性(評価基準)
流動性(審査員の入替え)
あるコンペは
評価される作品郡に「多様性」がある

公平性 + 流動性 = 受賞作品の多様性



抽象的な結論となりましたが、この「多様性の度合い」は簡単にはかれます。過去の受賞作品アーカイブを見れば一発で汲みとれます。


[結論]

審査体制に流動性を生むこと。
つまり審査員を固定しすぎないこと。

独善的な?評価基準の偏りをなくすことで
受賞作品の多様性を生むこと


受賞作品に多様性を生むことがなんで必要なの?ですが、

結果的に私たちが公の場で目にするデザインワークにも及んでくるからです。もうこれはコンペティションだけでおさまりがつく話じゃなくなってくるんですよ。

受賞作品をみた。デザイナーを目指す人たちがいる。彼ら彼女らもそうした作品から何かを学ぼうとしてくる。そしてその人たちがこれからデザイナーとして育って社会の商業的なニーズに解決策をつくるとき、この人たちが今までみてきた蓄積が影響しないとは誰も言えるわけがない。

コンペの審査内容が、全て外に連鎖していくんですよ。。




次回は「問題2 審査員も出品でき、投票できる」以降を書きます。





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