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モデルカーあれこれ

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モデルカーは実車を単に縮めたものではありません。斜め上方から眺めて、実車の雰囲気を楽しむのと同時に、雑誌の写真には写っていなかった部分を見て、新たな発見ができる物です。その歴史を… もっと読む
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2022年4月の記事一覧

レアモデル列伝-1  性能指数賞は狙い目

レアモデル列伝-1  性能指数賞は狙い目

レアな1品はBizarre製の1/43 Nardi 750
Nardiは高級ウッドステアリングのメーカーとして知られている。
(あるオークションに出品され、元の値段の2倍以上だったが、他には誰も手を挙げなかったので落札できた、そもそもこんな車は誰も欲しがらないだろう)

この車は1955年のルマンに出場、性能指数賞を狙っていたが、3時間でリタイアの憂き目をみた。
元々はピエロ・タルッフィのレコード

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レアモデル列伝-2  幻のFerrari 250LM

レアモデル列伝-2  幻のFerrari 250LM

見出しの写真は摩訶不思議な車、1964年のル・マン・テストデイにおいてワークスから参加し、Mike Parkesの操縦で3位に入った記録があるが、Marcel Massini著Ferrari250LMでも、檜垣和夫著のフェラーリ本でもシャーシNo.(CN)が書かれてない(檜垣さんの本ではCN不明)。なおネコ・パブリッシングのSCUDERIAの3号にはNARTからエントリーのCN 5909と記載され

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レアモデル列伝-3   石油成金の荒使い

レアモデル列伝-3   石油成金の荒使い

レアモデルの第3段は1964年Mecom Hussein MK IMecom Racing Team(MRT)は、John Mecom (メコムまたはミーカムと読む)Jr.率いるチームで、1960年から1967年にかけて、全米とバハマのスポーツカーレースを主に参戦し数々のシーンで活躍。

John Mecom Jrは父が石油・不動産ベンチャー・ガス産業に携わっていた会社の御曹司、資金を湯水の如く使

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レアモデル列伝-4     自由な発想がCan Amの魅力

レアモデル列伝-4     自由な発想がCan Amの魅力

今回のレアモデルは1969年のFord G7A Prototype

この車、Can Am本に時に見ることができる。かどや表面が丸まった綺麗なボディーに特徴的なウイング、前年の日本GPで優勝した日産R381と同じ2分割のウイングだが、外側が斜めに上がっている。

しかしウイングの高さがChaparralより低いので効果の程はしれたもの、それにメカニズムが複雑になりものにならず、完成形は普通のウイン

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重箱の隅をつつく-1          Ferrari 250LM Spyder

重箱の隅をつつく-1          Ferrari 250LM Spyder

 元々は65年3月に販売されたスイスチームの車。雨の中で行なわれたヒルクライムでクラッシュ、ダメージを受けたボディーは切り詰められて、250LM Spyderとなった。

BESTの箱には65年の「Pernis von Tirol Innsbruck」でHeini Walterがステアリングを握り5位となったと記載されている。

 色々文献を調べて唖然。「Pernis von Tirol Inns

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レアモデル列伝-5  Smokey's  Sidecar

レアモデル列伝-5  Smokey's Sidecar

これこそレア中のレア、これ以上珍しいモデルは無いと思う。

Henry "Smokey" Yunick は1923年生まれのアメリカ人、NASCAR のデザイナー・ビルダー・ドライバー・メカニックでもある。1958年から1973年の間、"Smokey"はIndy500に参戦し、1960年に彼の手掛けた車はJim Rathmannにより優勝している。

1964年、“Smokey”は “Sideca

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事実は小説よりも奇なり-1  STPの呪い

事実は小説よりも奇なり-1  STPの呪い

2017年の第101回インディアナポリス 500マイルレース(以下インディと略)は日本の佐藤琢磨が優勝した。これは単なる偶然では無いのだ。

アンディー・グラナテリ(Andy Granatelli 、以下Granatelliと略)古いレースファンならご存知の名前。「ミスター500」と言われ、歩く看板男で第1級のセールスマン。
1966年、インディのレースではLotusのメインスポンサー、さらに67

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レアモデル列伝-6 Matich SR3   Frank Matich Can Am 1967

レアモデル列伝-6 Matich SR3   Frank Matich Can Am 1967

このモデルを知っている人は著者と製作者の2人しかいないと言っても過言では無い。

Can Amが始まった1966年頃は玉石混交でいろんな車が参加した。
多くはLolaT70とMcLaren M1B、人気は高いウイングを掲げたChaparral 2E。
2年目の1967年、台数はLola T70が圧倒的、66年のシリーズ優勝者はあのJohn Surtees(2輪と4輪で世界チャンピオンになったのは未

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重箱の隅をつつく-2           Ferrari 250 LM   No.136

重箱の隅をつつく-2          Ferrari 250 LM  No.136

No.の示す通り、1965年のTarga Florioにエントリーした赤いFerrariはNicodemi/Lessona組、14位でフィニッシュした。Targa Florioは出発を時差式で行い、それをNo.にしている珍しい例だ。 この車のシャーシ・ナンバー(CN)は色々調べるとCN 5891が一番合致する、しかし5891は3台しか作られなかった左ハンドル車、モデルは右ハンドルなので違うと考え、

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