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看護師という仕事のこと

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精神科看護師として働くなかで感じることや日々の学び、自分が大切にしていることをまとめています。
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#私の仕事

頑張るということ

頑張るということ

「頑張る」という言葉がある。
たいてい私達は皆、誰かに言われたことも、あるいは誰かに向けて言ったこともあるだろう。
中には「いや、初めて聞く言葉です。」という人もいるかもしれないので、念のため言葉の意味を調べてみた。

グワンばっている。

私達は皆グワンばっているのだ。
とくにこの季節。連日じめじめと蒸し暑く、ときに体温よりも高い気温の中で生きているなんて相当なグワンばりである。
加えて学校やら

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精神科看護と私

精神科看護と私

これまでにも仕事のことを何度もnoteに書いているが、私の仕事は「看護師」である。
精神科看護師として20数年働いている。

「看護師として働いていこう」と決めたときから「精神科」で働きたいと思っていた。

高校時代の進路指導の教師に「心を看れる看護師になりたい。」とキラッキラした汚れない瞳で訴えていたのを覚えている。
瞳はキラッキラだが理数の成績はボロッボロで、とくに微分積分で「6点」という点数

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教えないという教え

教えないという教え

どう?辞めたくなってる?

いきなり何だ!と思っただろうか。
私は心配しているのだ。
世の「新人さん」達を。

あちこちに辞めたくなってきてしまった新人さんがいる。
新社会人である患者さんにも看護師側にも、向かいのホーム、路地裏の窓、こんなとこにいるはずもないのに〜♪

いるよ。いるんだってば。

GWを終えたあたりでまず1発大きめの「辞めたい波」が押し寄せる。

毎日緊張しながら出勤し、緊張しな

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ぼっち散歩

ぼっち散歩

またもぼっちで歩いている。

ぼっちは少し疲れています_:(´q`」∠):_

最近いろいろな事件が世間を賑わせたこともあり、患者さんやそのご家族様はとても動揺していました。
日々その対応に追われていました。

「私の飲んでる薬は大丈夫ですか」
「あの薬もたくさん飲んだら死にますか」
そんな不安にかられる人もいれば
「歌舞伎役者さんが親を手に掛けるなんて何かよほどの事情があるんでしょうね。」
「自

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雨の日、患者さんと

雨の日、患者さんと

それは私がナース1年目の秋のこと。
まだまだフワフワとした働き方で、何一つ自信も持てずに目の前の業務をこなすだけで精一杯だった頃の話だ。
看護師長と1人のドクターに呼び出され、ある患者さんを受け持ってみないかと打診された。

入院患者さんの受け持ちに関しては、男性患者さんは男性看護師に、女性患者さんは女性看護師に原則として振り分けられていた。

それをわざわざ打診してくるのはおかしい。
それも師長

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見えないマスク

見えないマスク

マスクの着用が個人の判断に委ねられることになった。
看護師という職業柄、もちろん私は今後もマスクは着用したまま過ごすつもりである。
病院の方針で患者さん達にも引き続きマスクの着用をお願いしている。

今日はこのマスクではなく「目に見えないマスク」について書いてみようと思う。

精神科で働くなかで「見えないマスク」を着けた患者さんと時々出会う。

見えないマスクとは何か。
「自分の本当の言葉を閉じこ

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